36金魚香合 尾西楽斎
36金魚香合 尾西楽斎
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幅 : 9.0cm×8.3cm 高さ : 5.8cm
金魚香合(きんぎょ こうごう) 尾西楽斎様 作
――涼やかな尾ひれが揺らす夏の水音を、掌で聴く――
1.作品概説
本作は、奈良・赤膚焼の八代 尾西楽斎様 が手掛けられた金魚形の香合です。全長およそ9センチ、高さ6センチほどの小振りな寸法に、丸みを帯びた体躯と優美に開く尾ひれを写実的に捉え、胴の中央で上下二分割して香を収める構造になっております。胴体には銅紅釉を用いた深い紅色の鱗文が浮かび、白磁釉の地肌とのコントラストが盛夏の涼感を際立たせます。
2.造形・意匠
部位 | 造形の特徴 | 覑賞ポイント |
---|---|---|
頭部 | 豊かな頬と愛らしい口元を面取りで表現 | くっきりとしたエラ線が生命感を強調し、瞳には鉄絵で黒点を差して写実味を高めています。 |
胴部 | 竹ベラで彫り起こした菱鱗文 | 鱗の凹みに銅紅釉が溜まり、光線の角度で赤紫から臙脂へと転調します。 |
尾ひれ | 薄作りの板状成形を重ね立体的に開く | 流線の動きを意識的に残し、釉の溜まりが水面の反射を想起させます。 |
蓋合わせ | 腹部の自然なくびれに分割線を潜ませる | 外観を損なわない一体感を保ちながら、開閉の滑らかさを確保しています。 |
3.技法と釉調
白磁釉 × 銅紅釉の掛け分け
素地全体に長石主体の白磁釉を施し、乾燥後に鱗部分へ銅紅釉を筆掛け。1240 ℃還元焼成で銅分が紅色に発色し、部分的に紫紅へと窯変します。
淡い貫入(かんにゅう)
焼成後の徐冷により白磁釉に細かな亀裂が走り、時間とともに茶の色が染み入って景色が深まります。
精密彫塑
塊土をろくろで荒挽きしたのち、手捻りで各鰭(ひれ)を接合。半乾き段階で鱗を彫り出し、尾の薄さを保ちながら強度を確保しています。
4.金魚と日本文化
金魚は江戸初期に中国から輸入され、夏祭りの金魚すくいをはじめ「涼」を呼ぶ風物詩として定着しました。丸みのある「琉金」は、とりわけ装飾や玩具の意匠に多用され、夏・涼感・多福の象徴とされています。また、魚は「余(あま)る」に通じることから、豊穣・富貴を表す吉祥文でもあり、茶の湯では納涼手前や七夕、土用の頃に金魚香合を用いて客人に涼趣を届ける伝統がございます。
5.茶席での取り合わせ例
時季・趣向 | 軸・花 | 香 | 演出効果 |
---|---|---|---|
七夕前後(小暑) | 軸「清流無間断」、花:河骨(こうほね) | 白檀主体の練香 | 水辺の涼味と星祭りの煌めきを暗示 |
土用の丑頃 | 軸「涼一味」、花:浅葱色の朝顔 | 伽羅片 | 盛夏の熱気を緋金魚の紅と対比し、涼感を引き立てる |
重陽の節句 | 軸「延年転祚」、花:白菊 | 龍脳少々 | 菊水に泳ぐ金魚を想起させ、長寿を祈念 |
6.尾西楽斎様の作陶姿勢
尾西楽斎様は「奈良の歴史と吉祥を現代の茶陶へ」という理念のもと、鹿・梵鐘・夢殿など大和の象徴を題材にしつつ、季節を彩る瑞魚にも積極的に挑戦されています。本作では赤膚焼特有の柔らかな胎土を白磁釉で包み込み、そこへ銅紅釉の鮮烈な彩りを重ねることで 温雅と涼感、侘びと華やぎ を同居させ、夏席の主役としても遜色ない存在感を獲得しています。
7.まとめ
「金魚香合」は、涼やかな水音と夏の賑わいを掌に閉じ込めた逸品です。蓋を開けば立ち上る香煙が、水面に漂う泡のように金魚を包み込み、茶室に一瞬の涼風を招き入れます。尾西楽斎様ならではの繊細な造形力と、紅白の対比が生む視覚的清涼を、ぜひ盛夏の茶事でお楽しみくださいませ。
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