青白磁面取壺 井倉幸太郎
青白磁面取壺 井倉幸太郎
幅 : 22.2cm 高さ :30.0cm
井倉幸太郎様による「青白磁面取壺」は、青白磁の透明感と、面取(めんとり)による洗練されたフォルムが魅力の壺です。滑らかな白磁の表面に刻まれた立体的な面取加工が、壺全体にシャープで力強い印象を与える一方で、柔らかい青白磁の色合いが作品に穏やかさをもたらします。井倉様の手によるこの壺は、伝統的な技法に基づきながらも、モダンな感性を織り交ぜた美しいバランスを持つ一品です。
青白磁の魅力と難しさ
青白磁は、白磁の一種で、焼成時に釉薬に含まれる微量の鉄分が青白色に発色する特徴があります。その透明感あふれる青白色は、まるで静かな湖の水面のような落ち着きと清涼感を与え、陶器の世界では特に高貴で品格のある色合いとして知られています。青白磁の美しさは釉薬の厚みと透明度に依存するため、焼成中に割れるリスクが高く、熟練の技術が必要とされますが、この難題を見事に克服しています。
面取によるシャープな造形美
「青白磁面取壺」の特徴は、面取技法による立体的でシャープな造形美にあります。面取とは、器の表面を削り、複数の面を作ることで立体感を強調する技法です。この壺では、青白磁の透明感ある釉薬が面取によって独特の陰影を生み出し、光の反射によってさまざまな表情を見せてくれます。特に、壺のボディ全体に均整の取れた面取が施されているため、見る角度によって異なる美しさを楽しむことができます。
圧倒的な存在感
この作品は、青白磁特有の静かな気品と、面取のシャープな造形によって、シンプルでありながらも圧倒的な存在感を放っています。井倉幸太郎様が丁寧に削り出した面取のフォルムは、手に持つとしっくりと馴染み、実用的でありながらも芸術性を感じさせる作りとなっています。その結果、この壺はただの収納容器ではなく、飾るだけで空間全体を洗練された雰囲気で満たすことができる、まさにアートピースと言えるでしょう。
塚本快示氏への敬意
井倉幸太郎様は、巨匠・塚本快示氏を深く尊敬しており、その影響がこの作品にも色濃く反映されています。塚本氏の場の空気を一変させるほどの美しさは、この「青白磁面取壺」にも宿っており、見た者を惹きつけてやみません。シンプルで端正なデザインと、青白磁の清楚で透明感あふれる釉薬が融合したこの作品は、芸術的探求の結晶です。
「青白磁面取壺 井倉幸太郎作」は、青白磁の美しい釉薬と面取技法によるシャープな造形が調和した作品です。伝統的な青白磁の技法と、現代的なデザイン感覚が見事に融合したこの壺は、静かでありながら強い存在感を持ち、空間に新たな命を吹き込む逸品です。
昭和五十四年 剣豪の里、柳生で柳生焼窯元の長男として生まれる
平成十四年 大阪芸術大学工芸学科陶芸コース卒業 冨士原恒宣氏に師事 陶芸教室の講師に就任(平成十七年退社)
第六十一回、奈良県美術展覧会 最高賞受賞 第四十回、日本伝統工芸近畿展入選 第九回・第十二回、国際陶磁器展美濃入選 第五十八回・六十回、日本伝統工芸展入選 第二十二回、日本陶芸展入選 第三十二回、日本煎茶工芸展 自由民主党総裁賞受賞
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