甘木道のご紹介

甘木道(あまきどう)のご紹介
甘木道では、作家による新作・一点物のみを取り扱っております。私たちが目指すのは、時代を超えて愛される「普遍性」、鑑賞に堪えうる「美的価値」、所有する喜びが感じられる「品格」、これらを兼ね備えた作品をご紹介すること、そしてお客様へお届けすることです。

店主のご紹介
幼少期より、父が営む古書店の影響で、自然と書物や美術への興味がわいておりました。書店や図書館に足繁く通い、やがて古書店や骨董市を巡るようになり、多彩な美の世界と触れ合う機会が増えていきました。

18歳で裏千家にて茶道を習い始め、稽古を通じて禅や侘・寂の精神に深く心を打たれます。そこから茶道具の奥深さに魅了され、窯元探訪や関連文献の収集へと歩みを進めました。

かつて稽古中、樂茶碗(らくちゃわん)に茶杓が軽く当たった際、師匠から「樂茶碗は繊細なので丁寧に扱うように」と注意を受けたことがあります。そのとき、茶道具の壊れやすさ、そして長い年月をかけ大切に受け継がれてきた背景を改めて知りました。

収入の許される範囲の中で、茶碗や茶道具、骨董品を少しずつ集め、時には陶芸作家を直接訪ねて話を伺い、審美眼を磨いてまいりました。そして気付いたのは、日常生活の片隅に茶道の精神が息づくだけで、短いひとときであっても、心穏やかで幸福感に満ちた時間が生まれるということです。

この体験をより多くの方と分かち合いたく、「甘木道」を開業いたしました。取り扱う作品は、私自身が窯元まで足を運び、手にとって吟味した品々を中心に揃えております。一つの陶器を通して作家との「深遠なる対話」や「所有する歓び」を存分にご堪能いただければ幸いです。

西村一昧(にしむら いちまい)