柳生焼草花文水指 井倉敏夫

幅 : 18.0cm×15.6cm　高さ :16.2cm　

ご紹介

柳生焼の土味と草花文の融合

「柳生焼草花文水指」は、柳生焼ならではの土味の良さと、辰砂によって描かれた草花が見事に調和した作品です。柳生の地で採れる土が持つ独特の風合いと、伝統的な技法によって焼き上げられたこの水指は、その重厚感と自然な質感が一目で伝わります。辰砂の鮮やかな赤色で描かれた草花文は、上品かつ控えめな美しさを持ち、見る者の目を引きつけながらも主張しすぎず、静かな存在感を放っています。

野花の美しさが息づく作品

この水指には、柳生の野に咲く草花が丁寧に描かれており、自然の美しさが静かに息づいています。辰砂の鮮やかな赤色と柳生の土味とのコントラストが、作品全体に深みを与え、草花があたかも生きているかのような印象を与えます。野花の絵柄は、侘び寂びの精神を感じさせる静謐な美しさを持ち、茶室にしっとりとした雰囲気をもたらします。

茶室に花を添える存在感

この水指は、茶室の空間に格調高い美しさをもたらす存在感を持っています。柳生焼の特徴である自然な土味と辰砂の鮮烈な草花文が、茶室に華やかさを添えながらも、全体としては静かで控えめな美しさを保っています。まるで茶席に咲く野の花のように、この水指は茶席に自然な彩りを与え、品格を感じさせる佇まいを持つ一品です。

職人の技と柳生焼の伝統

井倉敏夫様によるこの水指は、柳生焼の伝統的な技法を守りながらも、現代に生きる作品として新たな美しさを探求しています。手仕事の温かみが感じられる造形と、草花の絵柄に込められた繊細な技術は、柳生焼の歴史と職人の技が結集した逸品です。この水指を茶席に置くことで、茶室全体に落ち着きと上品さが広がり、特別なひとときを演出することでしょう。柳生の土味と辰砂による草花文が織り成す上品で存在感のある水指です。自然の美しさを静かに表現し、茶室に花を添えるこの作品は、柳生焼の伝統と職人の技が見事に融合した逸品です。静かながらも力強い存在感を持ち、茶席を一層引き立てるでしょう。

井倉　敏夫　1938年生

【受賞歴】

・「第27回奈良県展」知事賞
・「第2回天展」入選
・「奈良県美術協会」奨励賞
・「ふるさと奈良コンテスト」伝統工芸の部　4位入賞
・「奈良県優良観光土産品推奨審査会」　奈良工芸協会理事長賞
・「奈良新作土産品展」奈良商工会議所会頭賞
・「第34回日本民芸公募展」入選

 【所属団体】

奈良県美術協会、奈良県工芸協会、奈良県産業共励会
陶芸の集い「陶苑」主宰 

【師等】

井倉喜太郎（父）
後継者　井倉幸太郎

【信念・生き方等】

柳生兵法新陰流に臼く「活人剣」即ち、人を殺さず人を活かす、永久平和、共存共栄の心を学ぶ。