南蛮花入 猪飼祐一

幅 : 11cm    高さ :22.8cm　

迫力ある造形美

南蛮花入 猪飼祐一様は、力強い造形と重厚な存在感が特徴の作品です。南蛮陶器は東南アジアや琉球などで作られていた黒褐色の焼締陶器であり、古くから茶人に愛されてきました。猪飼祐一様は、この伝統的な南蛮陶器を現代的な美意識と融合させ、独特の魅力を放つ花入を生み出しています。

土味とテクスチャーの調和

この作品の最大の特徴は、素朴でありながらも洗練された土味です。南蛮陶器特有の焼締の質感が、触れるたびに自然の力強さを感じさせ、土そのものの粗さと温かみが手にしっかりと馴染む一品です。

茶道における南蛮陶器の歴史

南蛮陶器は茶人の間で特に高く評価されてきた焼き物の一つです。その重厚な色合いと独特の土肌は、茶の湯において静けさと存在感を引き立てるため、古来から茶室で重宝されてきました。この南蛮焼の伝統を踏まえながらも、現代の茶道具としての新たな魅力を追求しています。

現代的な感性との融合

この南蛮花入は、現代的な感性と歴史的な技法が絶妙に融合した作品です。土の力強さと洗練されたフォルムが絶妙に調和し、空間に強い存在感をもたらします。また、花を生けずともオブジェとしての美しさが際立ち、その造形美はどこか京都の上品さも感じさせます。