白釉彩茶盌 岡田優
白釉彩茶盌 岡田優
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幅 : 13.4cm×12.8cm 高さ : 9.0cm
白釉彩茶盌(しろゆうさい ちゃわん) 岡田優様作
――「淡雪が降り積もり、大地の赤土を静かに包み込む」
白釉のやさしさと茶の湯の歴史
白い釉をまとった茶碗は、宋代の中国で生まれ、日本では桃山時代の志野焼によって独自の美意識を育みました。抹茶の緑を最も美しく映し出す背景色として、千利休以降の茶人たちは“白”に侘びと余白の美を見いだし、茶席に静かな光を招き入れてきました。本作はそうした歴史の流れを踏まえつつ、現代の感性で再解釈された一碗です。
柔らかな造形と意匠
口縁のゆらぎ
わずかに歪んだ六角の小波が口当たりをやわらかくし、見る角度ごとに光を散らします。
胴部のV字文
側面に刻まれた連続するV字は、山の稜線を渡る風の軌跡を思わせ、釉の濃淡が優しい陰影を生みます。
割高台(わりこうだい)
三日月形に切り込みを入れた高台からは赤土がのぞき、白雪の下から顔を出す土塊のような力強さを演出しています。
焼成がもたらす景色の変化
窯の炎が白釉の表面に淡い灰色の景色を描き、所々に現れる黒点が雪面に落ちた炭粒のような趣を添えています。口縁には灰が自然に降りかかり、ほのかな焦げ色が生まれました。炎と灰が重なり合う一度きりの景色は、時間の経過とともにさらに深みを増していきます。
作家の想い
京都・清水五条坂の景色と、宇治・炭山の霧がかかる山々。その身近な風景を「器形に写し取る」ことを信条とする岡田優様は、白と赤土のコントラストに「雪・霜・土」の物語を託しました。V字の鋭い線は吹き抜ける風、黒点は木立の影。静かな中にも確かな息づかいを感じる一碗です。
結び
淡雪のような白釉と赤土の温もりが共鳴する白釉彩茶盌は、掌の中で回すたびに新しい景色を見せ、茶の湯の「一期一会」に透明な余韻を添えてくれます。長くご愛蔵いただき、時とともに深まる陰影の変化をどうぞお愉しみください。
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作品ごとに、出来るだけ詳細をご確認いただけるように画像を掲載しておりますが、ご不明な点はお問い合わせください。
作品の色合いなどは、画像を表示する環境により若干異なることがございますが、ご理解の程お願いいたします。
作品により貫入などによる、茶碗への染み込みが発生することがございますが、それも経年変化の味わいとしてご理解いただきますようお願いいたします。