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白釉彩茶盌 岡田優

白釉彩茶盌 岡田優

通常価格 ¥154,000
通常価格 セール価格 ¥154,000
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幅 : 13.4cm×12.8cm 高さ : 9.0cm

白釉彩茶盌(しろゆうさい ちゃわん) 岡田優様作
――「淡雪が降り積もり、大地の赤土を静かに包み込む」


白釉のやさしさと茶の湯の歴史

白い釉をまとった茶碗は、宋代の中国で生まれ、日本では桃山時代の志野焼によって独自の美意識を育みました。抹茶の緑を最も美しく映し出す背景色として、千利休以降の茶人たちは“白”に侘びと余白の美を見いだし、茶席に静かな光を招き入れてきました。本作はそうした歴史の流れを踏まえつつ、現代の感性で再解釈された一碗です。


柔らかな造形と意匠

口縁のゆらぎ
わずかに歪んだ六角の小波が口当たりをやわらかくし、見る角度ごとに光を散らします。

胴部のV字文
側面に刻まれた連続するV字は、山の稜線を渡る風の軌跡を思わせ、釉の濃淡が優しい陰影を生みます。

割高台(わりこうだい)
三日月形に切り込みを入れた高台からは赤土がのぞき、白雪の下から顔を出す土塊のような力強さを演出しています。


焼成がもたらす景色の変化

窯の炎が白釉の表面に淡い灰色の景色を描き、所々に現れる黒点が雪面に落ちた炭粒のような趣を添えています。口縁には灰が自然に降りかかり、ほのかな焦げ色が生まれました。炎と灰が重なり合う一度きりの景色は、時間の経過とともにさらに深みを増していきます。


作家の想い

京都・清水五条坂の景色と、宇治・炭山の霧がかかる山々。その身近な風景を「器形に写し取る」ことを信条とする岡田優様は、白と赤土のコントラストに「雪・霜・土」の物語を託しました。V字の鋭い線は吹き抜ける風、黒点は木立の影。静かな中にも確かな息づかいを感じる一碗です。


結び

淡雪のような白釉と赤土の温もりが共鳴する白釉彩茶盌は、掌の中で回すたびに新しい景色を見せ、茶の湯の「一期一会」に透明な余韻を添えてくれます。長くご愛蔵いただき、時とともに深まる陰影の変化をどうぞお愉しみください。

略歴  
京都、清水五条に生まれる  
京都府立陶工訓練校成形科、京都市立工業試験場研修生を経て  
走泥社同人河島浩三氏の下で三年間陶技全般を学ぶ  
1987年、宇治市炭山にて独立、築窯  
2018年より 日本伝統工芸近畿展、鑑査審査委員  
2022年 日本伝統工芸陶芸部会展、鑑査審査委員

〈主な入選〉  
日本伝統工芸展、日本陶芸展  
菊池ビエンナーレ、  
茶の湯の現代展  
長三賞陶芸展、陶美展、  
益子陶芸展、  
伊丹国際クラフト展  
萩大賞展、  
神戸ビエンナーレ  
現代陶芸コンペティション、等

〈主な受賞〉  
1998年、使ってみたい北の菓子器展(優秀賞)  
2002年、京焼、清水焼展(KBS京都放送賞)  
2003年、BONSAIの器展(奨励賞)  
2008年、日本伝統工芸近畿展(日経新聞社賞)  
2009年、おおたき北海ライブ陶器展(NHK放送賞)  
2010年、おおたき北海ライブ陶器展(北海道新聞社賞)  
2012年、京都美術工芸ビエンナーレ(大賞)  
2013年、日本伝統工芸陶芸部会展(日本工芸会賞)  
 神戸ビエンナーレ現代陶芸展(準大賞)  
2014年、光州ビエンナーレ招待出品  
2016年、大阪工芸展(美術工芸大賞)  
2019年、大阪工芸展(準大賞)  
2022年、有田国際陶磁展(大賞、文部科学大臣賞)、等

現在、公益社団法人日本工芸会正会員、陶芸美術協会会員

 

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