藁白釉器　西端正

幅:17cm  　奥行:15.5cm     高さ :32cm

丹波藁白釉器　西端正 作

― 触れてみたくなる、彫刻的な藁白釉の造形美

丹波藁白釉器は、その立体的で彫刻的な造形と、藁白釉による独特の質感が印象的な作品です。建築物のようにそびえ立つフォルムと、白釉が織りなす表面の美しさは、見る者の心を惹きつけてやみません。

ミルクのようなとろみを感じさせる藁白釉

本作品に施された藁白釉は、まるでミルクを注いだかのような柔らかく豊かな質感を持ち、白く滑らかな表面を形づくっています。焼成の過程で自然に浮かび上がった黒い斑点模様や釉のムラが、ひとつとして同じものがない豊かな表情を生み出しています。その光沢とマットのあいだを漂うような肌合いは、見る角度や光の加減によって微妙に変化し、視覚的な深みを与えてくれます。

触ってみたくなる凹凸とフォルム

この藁白釉器は、手を伸ばして触れてみたくなるような魅力に満ちています。表面の凹凸や釉薬の濃淡、そして陶土の持つ自然な質感が相まって、ただ鑑賞するだけでなく、実際に手に取って質感を味わいたくなる衝動を呼び起こします。四角柱が寄り添うように構成されたフォルムは、直線的でありながら柔らかさを感じさせ、視覚的にも手触りの面でも完成度の高い美しさを誇ります。

豪快な構成と繊細な表情

力強くそびえるような豪快な構成の中に、藁白釉の繊細な表情が調和しています。釉薬のわずかなひびや鉄分の滲み、偶然の焼成によって現れた自然な斑点模様が、作品に深みと優美さを与えています。そのバランス感覚は、まさに西端正様ならではの感性と技術によって生まれたものであり、鑑賞者に静かな感動をもたらします。

空間を彩る存在感

この藁白釉器は、茶室や現代的な空間においても圧倒的な存在感を放ちます。その彫刻的なフォルムと白釉の静けさが空間に溶け込みつつも、しっかりと視線を集め、静謐で豊かな時間を演出します。まるで空間と対話するように佇むこの器は、日常においても非日常の美を感じさせてくれます。

匠の技術が生み出す美と力

西端正様の手によるこの作品には、長年にわたる研鑽によって培われた高度な成形と釉薬技術が込められています。藁白釉の塗り重ね、焼成による自然な表情の引き出し方など、細部に至るまで緻密に計算されながらも、最終的には炎と土にゆだねる陶芸の本質が表れています。その制御と偶然の間に生まれる「美」は、まさに職人技と芸術性の融合です。

長く寄り添うことのできる作品

この藁白釉器は、時を経るごとにその魅力を深めていきます。置かれる場所や照明、そして季節によって変わる自然光の中で、異なる表情を見せてくれるため、飽きることなく寄り添うことができます。所有するよろこび、飾るたのしみ、そして時を重ねることで生まれる親しみ――それらすべてを備えた逸品です。

この丹波藁白釉器は、西端正様の研ぎ澄まされた感性と技術が結晶した芸術作品であり、空間に静かな力をもたらす特別な存在です。日々の中に置くことで、暮らしに美と静謐をもたらし、心豊かな時間を演出してくれることでしょう。

※本作品は構造上の理由により、共箱の製作ができません。厳重に梱包のうえ、丁寧にお届けいたします。