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天目釉酒盃 岡田優

天目釉酒盃 岡田優

通常価格 ¥30,800
通常価格 セール価格 ¥30,800
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幅 : 8.0cm  高さ : 5.2cm

天目釉酒盃(てんもくゆう さかずき)

― 岡田優様 作 ―


作品概要

本作は、京都・宇治炭山に窯を構える岡田優様が手掛けた天目釉酒盃です。やや腰の張った端正な器形に、鋼色の黒地と銀灰色の油滴結晶が重なり合い、夜空に舞う微星のような景観を生み出しています。口縁にはほのかな緋色(ひいろ)がにじみ、闇の中に潜む温かみを静かに示唆いたします。


釉調と技法

鉄長石系天目釉に酸化マンガンを微量添加し、黒釉に深い青鋼色を帯びさせています。

一次還元 → 微酸化 → 急速冷却という三段階焼成により、表層に微細な鉄結晶が析出し、銀砂のような油滴(ゆてき)景色を安定して発現。

口縁の緋色は、焼成終盤にあえて酸化を当てる「緋色出(ひいろだ)し」によるものです。黒釉とのコントラストが、器の輪郭を柔らかく浮かび上がらせます。


歴史的背景

天目釉は宋代・建窯で誕生し、日本へは鎌倉時代に禅僧を通じ伝来しました。油滴や曜変など偶然に宿る結晶模様は「窯変(ようへん)の神秘」として茶の湯で重んじられ、現代まで多くの作家を魅了し続けています。本作品は、伝統的な天目の景を踏まえつつ、岡田優様独自の「揺らぎ焼成」により、銀砂のような微光を織り込むことに成功しています。


美的意図と精神性

本盃は、禅語「夜色無辺(やしょくむへん)」に通ずる静けさを宿しています。闇の奥底に微光が瞬く景色は、無限の宇宙を凝縮したかのようであり、杯を傾けるたびに「一期一会」の尊さを思い起こさせます。


使い方と鑑賞ポイント

冷酒・常温酒向き:微細な油滴結晶が光を散乱し、澄んだ酒の色を引き立てます。

光の演出:白熱灯や蝋燭の暖色光で銀滴が浮かび上がり、昼光色LEDでは青鋼色の深みが際立ちます。

多用途性:抹茶盌より小振りながら、高台がしっかりしているため玉露・煎茶にも適し、酒器と茶器の両面で楽しめます。


黒の深淵と銀の微光が共存する本酒盃は、岡田優様が長年追求されてきた「制御された偶然」の結晶です。掌中で移ろう光景とともに、静寂の宇宙に思いを馳せる至福の酒席をお楽しみいただければ幸いです。

略歴  
京都、清水五条に生まれる  
京都府立陶工訓練校成形科、京都市立工業試験場研修生を経て  
走泥社同人河島浩三氏の下で三年間陶技全般を学ぶ  
1987年、宇治市炭山にて独立、築窯  
2018年より 日本伝統工芸近畿展、鑑査審査委員  
2022年 日本伝統工芸陶芸部会展、鑑査審査委員

〈主な入選〉  
日本伝統工芸展、日本陶芸展  
菊池ビエンナーレ、  
茶の湯の現代展  
長三賞陶芸展、陶美展、  
益子陶芸展、  
伊丹国際クラフト展  
萩大賞展、  
神戸ビエンナーレ  
現代陶芸コンペティション、等

〈主な受賞〉  
1998年、使ってみたい北の菓子器展(優秀賞)  
2002年、京焼、清水焼展(KBS京都放送賞)  
2003年、BONSAIの器展(奨励賞)  
2008年、日本伝統工芸近畿展(日経新聞社賞)  
2009年、おおたき北海ライブ陶器展(NHK放送賞)  
2010年、おおたき北海ライブ陶器展(北海道新聞社賞)  
2012年、京都美術工芸ビエンナーレ(大賞)  
2013年、日本伝統工芸陶芸部会展(日本工芸会賞)  
 神戸ビエンナーレ現代陶芸展(準大賞)  
2014年、光州ビエンナーレ招待出品  
2016年、大阪工芸展(美術工芸大賞)  
2019年、大阪工芸展(準大賞)  
2022年、有田国際陶磁展(大賞、文部科学大臣賞)、等

現在、公益社団法人日本工芸会正会員、陶芸美術協会会員

 

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