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青白磁銀彩丸合子 松川和弘

青白磁銀彩丸合子 松川和弘

通常価格 ¥49,500
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青白磁銀彩丸合子 松川和弘様(Φ6.6×h6.3)
――「静かな青に、銀が月を宿す。掌の中で“蓋を閉じる”という所作が、ひとつの儀式になる合子です。」


Ⅰ 合子という器――仕舞うことで生まれる品格

合子は、ただ物を入れておくための容器ではありません。蓋を開ける前の「気配」、蓋を合わせるときの「呼吸」、そして閉じた後に残る「余韻」までを含めて、器がひとつの時間を支える道具です。
本作「青白磁銀彩丸合子」は、直径6.6cm・高さ6.3cmという小ぶりな寸法の中に、合子の本質――“秘めること”の美――を凝縮しています。手に取ると、まず丸みのある輪郭が掌に収まり、視線は自然と中央へ導かれます。そこに現れるのが、青白磁の澄んだ肌と、銀彩の鈍い光が描く対比です。


Ⅱ 青白磁の澄明――白でも青でもない「中間の光」

青白磁は、白磁の清潔さを持ちながら、わずかに青みを帯びた柔らかな陰影を含む釉調が魅力です。強い白ではなく、静かな冷気を含んだ“淡い光”として立ち上がるため、周囲の空気や照明の色を繊細に映し込みます。
本作の青白磁は、面が滑らかでありながら硬質に見えすぎず、淡雪のような微かな曇りを感じさせます。光が当たると、艶は主張しすぎず、むしろ「奥へ沈む透明感」として働き、器全体に深さを与えています。茶席の白い紙、黒い漆、木地の盆――どの背景にも調和しながら、青白磁ならではの静謐な存在感を保ちます。


Ⅲ 銀彩の表情――“煌めき”ではなく“気配”としての金属

銀彩は、金彩のように華やかに前へ出るのではなく、月光のように控えめに、しかし確かに空間の質を変える装飾です。
本作に施された銀彩は、均一なメタリックではなく、わずかなムラや景色を含みながら、鈍い光として現れます。角度によって、明るく反射する瞬間もあれば、灰のように沈む瞬間もあります。その揺らぎが、器に“静かなドラマ”を与えています。
また、銀彩は時間とともに変化しやすい表現でもあります。扱い方や環境によって、より落ち着いたトーンへ移ろい、器の肌に馴染んでいくことがあります。そうした経年の表情まで含めて、「使いながら完成していく」美が宿っています。


Ⅳ 丸いかたちの思想――掌・視線・所作を整える造形

丸合子は、角のある陶筥とは異なり、方向性を持たない分、視線が一点に集まりやすい造形です。どこから眺めても“正面”になり、置かれた場に緊張を生みすぎず、それでいて中心性を持ちます。
このΦ6.6cmというサイズ感は、手の中で回して眺めるのにちょうどよく、蓋を合わせる所作も美しく決まります。わずかな「蓋の段差」や「口縁のライン」が、外からはほとんど目立たないのに、触れたときに確かな境界として感じられる――その設計が、合子という器の品格を支えています。


Ⅴ 何を納めるか――香・菓子・小さな宝物のために

合子は用途を限定しないからこそ、持ち主の美意識がそのまま表れます。例えば、以下のような使い方が美しく映えます。

香道具として:練香、香木片、聞香用の小さな道具の保管に。蓋を開けた瞬間の香りの立ち上がりが、器の静けさと呼応します。

茶の湯の小道具として:金平糖、琥珀糖など乾いた小菓子を少量。青白磁の淡い青が菓子の色を邪魔せず、銀彩が“特別感”を添えます。

装身具・小物入れとして:指輪、ピアス、カフス、あるいは小さな印章やお守りなど。大切なものを「見せずに仕舞う」所作そのものが、日常を整える行為になります。


Ⅵ 取り合わせの美――白・銀・淡青がつくる“現代の静けさ”

本作は、伝統の茶の湯道具としての気配を持ちながら、ミニマルな造形感覚により現代の空間にも自然に置けます。
白い壁の部屋、ガラスや金属の家具、コンクリートの床――そうした無機質な環境にも、青白磁の柔らかな温度が差し込み、銀彩が空間の光を拾って静かに呼吸します。逆に、古木の棚や漆器の盆、竹の花入など、素材感の強いものと合わせれば、青白磁の清澄さが一層際立ちます。
“和”の中にあるモダン、モダンの中にある“間”。その両方を成立させるのが、この小さな合子の強さです。


Ⅶ ご使用・お取り扱いの留意点(銀彩について)

銀彩はとても繊細な表現ですので、末永く美しくお使いいただくために、以下をおすすめいたします。強い研磨剤・硬いスポンジでこすらない。長時間の水への浸漬は避け、使用後はやわらかい布で水分を拭き取る。直射日光や高湿度の環境での長期保管を避ける。銀彩が落ち着いた表情へと変化することも、器の景色としてお楽しみいただけます。


Ⅷ まとめ――“小さな器”が、時間を静める

「青白磁銀彩丸合子」は、サイズとしては掌に収まる小さな器です。ですが、蓋を開け閉めするたびに、場の呼吸が整い、気持ちが静まる――そういう“時間の器”としての大きさを持っています。
青白磁の澄んだ肌が、光をやさしく受け止め、銀彩が月のように静かに揺らぐ。日々の中に、確かな密度の美を置きたい方へ、松川和弘様ならではの造形と言葉のない詩情をお届けいたします。

略歴

1977 大阪府河内長野市生まれ
1998 奈良芸術短期大学陶芸コース卒業
2000 奈良芸術短期大学専攻科修了
2001 京都府立陶工高等技術専門校修了
   近藤髙弘様に師事
2006 独立・河内長野市にて開窯

主な個展・展覧会

2007 京都府美術工芸新鋭選抜展(京都文化博物館)
   二人展(松坂屋名古屋店美術画廊/名古屋)
   個展(京都高島屋美術工芸サロン/京都)
2008 個展(カンパニュール/千葉)
   個展(パラミタミュージアム小ギャラリー/三重)
2009 個展(ギャラリーエスパス/名古屋)
2010 個展(札幌三越美術ギャラリー/北海道)
   個展(松坂屋名古屋店美術画廊/名古屋)
   個展(アルパーク天満屋美術画廊/広島)
2011 個展(陶器ギャラリー風露/大阪)(’07)
2012 個展(ギャラリーおくむら/東京)(’07 ’09)
2013 個展(ラブリーホール開館20周年記念事業/大阪)
2014 個展(天満屋広島八丁堀店アートギャラリー/広島)(’11)
2016 個展(天満屋福山店アートギャラリー/広島)(’08 ’12)
   三人展(博多阪急ミューズ/福岡)
2017 個展(ピナコテーカ/東京)(’14 ’15)
   個展(天満屋岡山店美術ギャラリー/岡山)(’08)
   個展(アトリエヒロ/大阪)
2018 個展(日本橋三越本店美術ギャラリー/東京)
   個展(髙島屋大阪店ギャラリーNEXT/大阪)(’08 ’11 ’15)
2020 個展(花あさぎ/東京)
2021 個展(ギャラリーたちばな/奈良)(’15 ’17 ’19)
2022 二人展(花あさぎ/東京)
2023 二人展(アトリエヒロ/大阪)
2025 二人展(花あさぎ/東京)
   個展(緑ヶ丘美術館/奈良)

受賞歴

第36回日本伝統工芸近畿展(大阪府教育委員会賞)
第55回日本伝統工芸展(日本工芸会総裁賞)

パブリックコレクション

緑ヶ丘美術館

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    作品により貫入などによる、茶碗への染み込みが発生することがございますが、それも経年変化の味わいとしてご理解いただきますようお願いいたします。

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