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天目釉筒茶盌 岡田優

天目釉筒茶盌 岡田優

通常価格 ¥165,000
通常価格 セール価格 ¥165,000
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幅 : 11.4cm 高さ : 7.7cm

天目釉筒茶盌(てんもくゆう つつちゃわん) 岡田優様作
――「夜の星屑を湛え、山風をひそやかに抱く筒景」


星光を映す漆黒の筒形

 本作を覆う天目釉は、深い瑠璃黒の底に銀砂のような微細結晶を散りばめ、静寂な夜空をそのまま器壁へ封じ込めたかのようです。淡い光を受けるたびに、きらりと瞬く星屑が揺らぎ、視線が器の奥へと誘われます。口縁には還元炎の名残として柔らかな赤紫が現れ、闇にほのかな温度を差し込みます。

二重胴が生む陰影の帯

 筒形の胴部には二本の輪状の段が巡り、陰影の帯を形づくっています。この控えめな起伏が、手取りの際に指を自然と受け止め、安定した持ち心地をもたらします。同時に、光が段差に沿って走ることで、漆黒の釉面にリズミカルなグラデーションが生まれ、静かな造形に動の表情を添えています。

静謐を揺らす銀砂の煌めき

 施釉後、薪窯での高温還元焼成によって鉄分が析出し、見る角度によっては薄氷のような銀色の光が浮上します。濃茶を点てれば泡の間に星光が宿り、薄茶であれば淡い緑が夜空のグラデーションのように溶け合い、茶の湯の一碗に詩情を添えます。

掌に収まる筒形の機能美

 筒茶盌ならではの直立した壁は、茶筅を深く沈めても泡が周囲へ飛び散りにくく、点前動作を安定させます。やや低めの高台は重心を落ち着かせ、指先で軽快に回しやすい設計です。口造りがわずかに外反しているため口当たりが滑らかで、飲み手の唇をやさしく受け止めます。

伝統への敬意と新たな試み

 宋代・建盞由来の天目釉という古格に、岡田優様は清水五条坂で培った柔和な造形感覚と、宇治・炭山の自然がもたらす躍動を融合させています。二重胴という構成が夜空に走る雲の層を思わせ、微細結晶の煌めきは山風が巻き上げた星塵のよう。伝統を踏まえながらも独自の詩情を響かせる本作は、茶盌としての実用を超え、見る者の想像を限りなく拡張します。


夜の深みと星屑の輝きを同時に抱く天目釉筒茶盌――掌の中で陰影が移ろうたび、静寂の山景と風の気配を思い起こさせ、茶席に幽玄の物語を運んでくれることでしょう。

略歴  
京都、清水五条に生まれる  
京都府立陶工訓練校成形科、京都市立工業試験場研修生を経て  
走泥社同人河島浩三氏の下で三年間陶技全般を学ぶ  
1987年、宇治市炭山にて独立、築窯  
2018年より 日本伝統工芸近畿展、鑑査審査委員  
2022年 日本伝統工芸陶芸部会展、鑑査審査委員

〈主な入選〉  
日本伝統工芸展、日本陶芸展  
菊池ビエンナーレ、  
茶の湯の現代展  
長三賞陶芸展、陶美展、  
益子陶芸展、  
伊丹国際クラフト展  
萩大賞展、  
神戸ビエンナーレ  
現代陶芸コンペティション、等

〈主な受賞〉  
1998年、使ってみたい北の菓子器展(優秀賞)  
2002年、京焼、清水焼展(KBS京都放送賞)  
2003年、BONSAIの器展(奨励賞)  
2008年、日本伝統工芸近畿展(日経新聞社賞)  
2009年、おおたき北海ライブ陶器展(NHK放送賞)  
2010年、おおたき北海ライブ陶器展(北海道新聞社賞)  
2012年、京都美術工芸ビエンナーレ(大賞)  
2013年、日本伝統工芸陶芸部会展(日本工芸会賞)  
 神戸ビエンナーレ現代陶芸展(準大賞)  
2014年、光州ビエンナーレ招待出品  
2016年、大阪工芸展(美術工芸大賞)  
2019年、大阪工芸展(準大賞)  
2022年、有田国際陶磁展(大賞、文部科学大臣賞)、等

現在、公益社団法人日本工芸会正会員、陶芸美術協会会員

岡田優様との対談 – 高級陶器の専門店【甘木道】

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