薬師寺東塔基壇土 焼締茶碗 尾西楽斎
薬師寺東塔基壇土 焼締茶碗 尾西楽斎
幅 : 13.5cm 高さ :8.1cm
尾西楽斎様が手掛けた「薬師寺東塔基壇土焼締茶碗」は、奈良の薬師寺東塔の基壇から採取された土を用い、日本の伝統的な焼締め技法によって完成された一品です。この茶碗は、古代の技術を受け継ぎながらも、現代の美意識を見事に反映した作品であり、その素朴で味わい深い仕上がりが特徴です。
薬師寺東塔基壇土の使用
この茶碗に使用されている土は、薬師寺東塔の基壇から得られた貴重な素材であり、その土の特性が茶碗の表情に豊かな風合いをもたらしています。歴史的な背景を持つ土が、技によって命を吹き込まれたことで、この茶碗は特別な存在感を放っています。
焼締め技術の伝統
焼締めは、日本の炻器の源である古墳時代の須恵器から発展した技術であり、この茶碗にもその技法が受け継がれています。陶器は一般的に吸水性があり、釉薬をかけることで用途を広げますが、焼締めでは高温で焼かれることで素地に含まれる長石が液状化し、自然に釉薬の役割を果たします。この技術により、素地そのものが水止めとなり、釉薬を使わずに美しく仕上げることが可能です。
素朴で味わい深い美しさ
釉薬を使用しない焼締めの技法により、この茶碗は土そのものの特長が際立ち、素朴でありながらも深みのある美しさを持っています。還元焼成によって、よりしっかりと焼き締まり、硬質で吸水性の少ない仕上がりとなっています。この茶碗は、古代から現代まで受け継がれてきた日本の伝統技術と、尾西楽斎様の卓越した技術が融合した逸品です。
伝統と現代の融合
「薬師寺東塔基壇土焼締茶碗」は、歴史的な土と伝統技法を組み合わせることで、現代に新たな価値を提供する茶碗です。その素朴さの中に宿る深い美しさは、茶席や日常の中で特別な存在感を放ち、使い手に豊かな時間をもたらします。16
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