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七福神うさぎ図水指 岡田優

七福神うさぎ図水指 岡田優

通常価格 ¥330,000
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税込。 配送料はチェックアウト時に計算されます。

幅 : 17.0cm  高さ : 17.3cm

「七福神うさぎ図水指」岡田優様 ― 遊戯と吉祥が融け合う、茶席の小宇宙です

岡田優様が手掛けた《七福神うさぎ図水指》は、鳥獣戯画を想わせる愛らしき兎たちに、七福神の吉祥性を重ね合わせた一作です。柔和な灰釉が生む静かな景色のうえに、金彩と色絵で描かれた兎が軽やかに跳び、茶席に「祝福」と「遊び心」を同時にもたらします。以下、歴史・技法・意匠・茶席運用の観点から詳細にご紹介いたします。


1. 歴史的背景 ― “吉祥図”と水指

七福神は室町期以降、昭和に至るまで民間信仰として広まり、福徳円満の象徴として年中行事や工芸意匠に取り入れられてきました。

鳥獣戯画(京都・高山寺蔵)が描くユーモラスな動物たちは、日本人の「戯れの美」を体現し、明治以降の色絵京焼にも盛んに引用されます。

岡田優様は、こうした歴史的モチーフを「水指」という清浄を司る茶道具に転写することで、福寿と清浄という二つの美徳を一器に共存させました。


2. 技法・素材 ― 灰釉 × 金彩色絵の競演

 本作は、素材選びから仕上げに至るまで緻密な工程設計が施されております。まず胎土には鉄分を極力抑えた半磁胎を用い、轆轤で端正な丸壺形に成形いたしました。これにより高台周りの重量バランスが最適化され、掌に取ったときの軽やかさと安定感が両立しています。

 掛け釉には藁灰を主体とした自然灰釉を選び、還元焼成でじっくりと発色を引き出しました。灰が釉面に溜まる部分には翡翠色の斑(ふ)が現れ、そこに浮かぶうさぎを抱擁する“金雲”をふわりと包み込むような景色を生み出しています。

 焼成後の上絵付では、低火度の赤絵具・緑絵具に加えて純金泥を用い、雲文と兎の装束を細密に描写しました。釉面に絵具が沈み込み過ぎない温度域を厳密に管理することで、金泥の光沢と兎の白毛の対比が鮮やかに際立つよう仕上げています。

 仕上げの摘み細工では、蓋摘みを跳躍する“飛びうさぎ”の姿に象り、意匠を三次元的に強調しました。ここには釉掛けを控えめに施してあえてマットに焼締めることで、掌に触れるたびに陶肌の滑らかさと温もりが感じられるよう配慮されています。

 胎土・釉・上絵・摘み――四つの工程が一体となり、視覚的な華やかさと触覚的な心地よさを兼ね備えた逸品が誕生いたしました。

3. 意匠解読 ― 七福神を演じる兎たち

布袋兎:琵琶を抱え、音曲で場を和ませる。

毘沙門兎:幟を掲げ、邪気を祓う守護神。

大黒兎:打ち出の小槌を模す槌を構える。

恵比寿兎:釣り竿を携え、釣果=豊穣を祈願。

弁才兎:巻物を抱え、学芸成就。

寿老人兎:団扇で長寿を象徴。

福禄寿兎:高い帽子を頂き、福禄長寿を統べる。

このように、兎は「跳躍=飛躍」を暗示しつつ、それぞれが七福神のアトリビュートを携えています。金雲が背景として散らされ、兎たちを天空へ遊ばせるような構図は、茶席に瑞祥の風を吹き込むでしょう。


4. 精神性 ― “遊び”と“祈り”の二重奏です

岡田優様は、**「遊戯の中にこそ真の祈りが宿る」**という思想を掲げて制作されています。兎の無邪気な所作は、持ち主や茶客の心をほぐす「笑いの功徳」をもたらしつつ、七福神の力がそこに宿ることで、茶室全体を守護する護符とも化します。

— 遊び心は、まじめな祈りの裏返し。
手に取るたび、そんな岡田様のメッセージが静かに響いてまいります。


まとめ

《七福神うさぎ図水指》は、吉祥・ユーモア・侘びを一体化させた、現代茶道具の秀作です。年中行事の趣向道具としてはもちろん、現代空間のアートピースとして飾っても、**「福を呼ぶオブジェ」**として場をほのぼのと照らすことでしょう。

寸法・共箱銘・価格など追加情報をご所望の場合は、どうぞお気軽にご連絡くださいませ。

略歴  
京都、清水五条に生まれる  
京都府立陶工訓練校成形科、京都市立工業試験場研修生を経て  
走泥社同人河島浩三氏の下で三年間陶技全般を学ぶ  
1987年、宇治市炭山にて独立、築窯  
2018年より 日本伝統工芸近畿展、鑑査審査委員  
2022年 日本伝統工芸陶芸部会展、鑑査審査委員

〈主な入選〉  
日本伝統工芸展、日本陶芸展  
菊池ビエンナーレ、  
茶の湯の現代展  
長三賞陶芸展、陶美展、  
益子陶芸展、  
伊丹国際クラフト展  
萩大賞展、  
神戸ビエンナーレ  
現代陶芸コンペティション、等

〈主な受賞〉  
1998年、使ってみたい北の菓子器展(優秀賞)  
2002年、京焼、清水焼展(KBS京都放送賞)  
2003年、BONSAIの器展(奨励賞)  
2008年、日本伝統工芸近畿展(日経新聞社賞)  
2009年、おおたき北海ライブ陶器展(NHK放送賞)  
2010年、おおたき北海ライブ陶器展(北海道新聞社賞)  
2012年、京都美術工芸ビエンナーレ(大賞)  
2013年、日本伝統工芸陶芸部会展(日本工芸会賞)  
 神戸ビエンナーレ現代陶芸展(準大賞)  
2014年、光州ビエンナーレ招待出品  
2016年、大阪工芸展(美術工芸大賞)  
2019年、大阪工芸展(準大賞)  
2022年、有田国際陶磁展(大賞、文部科学大臣賞)、等

現在、公益社団法人日本工芸会正会員、陶芸美術協会会員
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