赤茶盌 柳下季器
赤茶盌 柳下季器
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幅11.5cm 高さ8.4cm
包容力と温もりに満ちた赤茶盌
柳下季器(やなした ひでき)様が手掛ける「赤茶盌」は、ふくよかに丸みを帯びた造形と、朱と灰の織りなすやわらかな色彩が特徴的な一碗です。その佇まいは、まるで人を優しく迎え入れるような包容力に満ち、手にした瞬間から温かみがじんわりと伝わってきます。光を受けてほのかに艶めく表面には、美しい貫入(かんにゅう)が繊細に浮かび上がり、自然の力が生み出した陶肌の魅力を存分に堪能できます。ふっくらとした形状がもたらす安定感と、素朴さの中に潜む奥深い美しさは、まさに日々手に取りたくなる名品といえるでしょう。
柔らかな丸みに宿る親しみと気品
この赤茶盌が持つ大きな魅力の一つは、全体にわたって現れる優美な丸みです。力強さというよりは、どこか包み込むようなやさしさが漂い、その形状からは作者の温かなまなざしと、人と器との自然な関係性が感じ取れます。掌にすっぽりと収まるその大きさと質感は、まるで長年使い慣れた器のような安心感を与えてくれます。
朱と灰が織りなす自然の詩
釉薬の流れや焼成によって生まれた赤と灰の色合いは、人工的な作為を超えた“自然の成り行き”そのもの。赤茶盌に表れた朱色は、柔らかな夕日のようにあたたかく、そこにほのかに重なる灰色が、全体に落ち着いた気配をもたらします。焼きものが自然の恵みと時間によって育まれることを、視覚的にも教えてくれる逸品です。
光沢の中に現れる繊細な貫入
表面にはうっすらと光沢があり、光の加減によって浮かび上がる貫入模様が、陶芸という表現の奥行きを静かに語りかけてきます。細やかに走る貫入はまるで自然の呼吸のようで、見飽きることのない表情の変化を見せてくれます。器に注がれたお茶の湯気が、表面の微細な割れ目にやさしく絡んでいくさまは、まさに茶の湯の美意識を体現しています。
手に取るたびに心が和む逸品
見るだけでなく、手に取ったときのぬくもりや感触もこの赤茶盌の大きな魅力です。ふくよかで豊かなフォルムは手に馴染みやすく、いつまでも触れていたくなるような心地よさがあります。その“福福しさ”は、茶席の空気をやわらげ、日常のひとときに豊かな静けさと喜びをもたらしてくれます。
柳下 季器(Hideki Yanashita) プロフィール
陶芸家 1967 –
東京都生まれ。現在は三重県伊賀市を拠点に活動。桃山時代のやきものに魅了され、陶芸の道へ進む。信楽での修行を経て三重県・伊賀に自ら穴窯を築窯し、「神田窯」を開窯。杉本貞光氏に薫陶を受け、侘び寂びの世界を独自の視点で深く探求しつつ、楽焼や焼締、井戸、織部など多彩な作品を制作しています。柳下氏の創作において重要なテーマとなるのは、先人の技法や精神を深く学びつつも、現代の素材や独自のアプローチを取り入れることで生まれる新たな極みへの探究です。その作品は時代に左右されない本質的な美を問いかけ、観る者をより深い芸術の世界へと誘います。
活動拠点
三重県・伊賀
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【丁寧に、お送りいたします】
それぞれの商品に合った形態で、丁寧に梱包いたします。
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【陶器をご購入の際のお願い】
作品ごとに、出来るだけ詳細をご確認いただけるように画像を掲載しておりますが、ご不明な点はお問い合わせください。
作品の色合いなどは、画像を表示する環境により若干異なることがございますが、ご理解の程お願いいたします。
作品により貫入などによる、茶碗への染み込みが発生することがございますが、それも経年変化の味わいとしてご理解いただきますようお願いいたします。