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翠緑花入 小川文齋

翠緑花入 小川文齋

通常価格 ¥198,000
通常価格 セール価格 ¥198,000
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幅 : 10.0cm×10.0cm 高さ : 31.0cm

翠緑花入(すいりょく はないれ)— 小川文齋(六代 興)作

目を奪うような透明感を湛えた翠緑釉が、細身の胴にのびやかに広がり、ふくらみを帯びた中腹から黒釉が滴るように流れ落ちる。この「翠緑花入」は、まるで天地の気配を映すかのような造形美と、釉薬の表情によって生まれる時間の蓄積を感じさせる逸品です。六代 小川文齋様による本作は、伝統的な京焼の系譜を礎としながら、現代の美意識と作家自身の思想を明確に刻み込んだ、静謐でありながら強い意志を内に秘めた作品です。


大地と緑の融和 — 色彩の詩学

この花入を特徴づけるのは、何と言っても釉薬の持つ“色の深さ”です。上部から中腹にかけての美しい翠緑は、山あいの泉に映る木々の色のように清冽で、見る角度や光の加減によってさまざまなニュアンスを帯びます。一方、下部にかけて黒釉が緩やかに滲み込み、あたかも夜の闇が静かに訪れたかのような濃密さを加えています。

この二色の重なりは、地中から芽吹く生命と、その上に広がる空との連続性を想起させ、単なる視覚的装飾にとどまらず、自然との精神的なつながりを感じさせる構成となっています。


造形のバランスと哲学

フォルムは、胴の中央に柔らかな膨らみを持たせた「瓢箪型」を思わせる輪郭。その形状は古くから吉祥とされる「実り」「繁栄」の象徴であり、かつ水を湛える器としての機能美を追求した結果ともいえるものです。細長く伸びた頸部は空間を切り取り、花を挿すことで一層の存在感が立ち上がるように設計されています。

決して誇張されすぎず、かといって凡庸にもならない絶妙な造形バランス。静かなる造形の中に、時の流れと精神の振動が内包されているのです。


「緑の人」としての作家の軌跡

「緑色に惹かれる理由はわからない。ただ、緑の中にいると、心が落ち着く。」
こう語る六代 小川文齋(興)様は、父・五代が多く赤釉を用いたのに対し、自らは緑を“主役”として探求してきました。大学院で彫刻を学び、京都の陶芸専門校と工業試験場で研鑽を積んだ後に京焼の世界に身を置きながら、「平和と調和」を作品の根幹に据え、「輪」や「自然との共生」をテーマに表現を続けています。

翠緑は、まさにその象徴とも言える色。近年では「緑色の人」として広く認知され、個展でも緑を基調とした作品群が訪れる人々に強い印象を与え続けています。この花入も、その文脈の中に生まれた作品の一つであり、緑の力、そして静けさを通して、人と自然、人と人との関係性を結ぼうとする想いが凝縮されています。


文齋窯の歴史に刻まれるひとつの結晶

1847年、初代・小川文助(文齋)が九州で築窯技術を学び、「文齋」として創業。以降、明治の返洛を経て五条坂に窯を構え、今日まで六代にわたりその名と技を継承してきた文齋窯。長年にわたって蓄積された技術、釉薬の調合、造形の妙味。それらすべてがこの「翠緑花入」に凝縮されており、見る者に“脈々と続く手仕事の重み”を伝えてくれます。


佇まいがもたらす静穏

空間に据えたとき、この花入はその佇まいだけで周囲の空気を変える力を持っています。和室の床の間に置けば幽玄な世界を立ち上げ、洋の空間ではモダンオブジェのように独自の存在感を放ちます。花を生けても、空のままでも成立する構成力。これはまさに、用途を超えて美が自立している証左です。


「翠の中に宿る祈りと静けさ」
六代 小川文齋様の美学が結晶化されたこの翠緑花入は、京焼の伝統と革新の交差点に生まれた、時代を超える造形詩といえるでしょう。日常に寄り添うアートとして、あるいは祈りの器として、この作品はあなたの空間に深い調和と気品をもたらしてくれるに違いありません。

 

六代 小川 文齋(興) 文齋窯 六代目 当主
陶芸作家・日展 会友・京都工芸美術作家協会 会員

活動経験
・カルチャーセンター講師(毎日・NHK・京都)20年継続中
・野焼き (五代文齋と共に)
・有限責任事業組合工人を結成・参加

陶歴
1974 京都五条坂の陶芸家 五代 小川文齋の長男として生まれる。
1999 京都造形芸術大学大学院 芸術学部 彫刻コース 修了
2000 京都府陶工高等技術専門校 成形科 修了 / 京展 入選 / 全関西美術展 入選
2001 京都府陶工高等技術専門校 専攻科 修了 / 京展 入選 / 京都工芸美術作家協会 入会
2002 グループ展「5人展」 / 京都市工業試験場 窯業研究室 修了 / 京展 楠部賞 / 第34回日展 初入選
2003 京展 入選 / 第25回日本新工芸展 日本新工芸奨励賞 / 日本新工芸家連盟近畿会 入会 / 全関西美術展 入選 / 第35回日展 入選
2004 京展 入選 / 第26回日本新工芸展 入選 / 日本新工芸展近畿展 読売新聞大阪本社賞 / 第36回日展 入選
2005 第27回日本新工芸展 東京都知事賞 / 初個展 (京都大丸百貨店アートサロン) / 第37回日展 入選
2006 第28回日本新工芸展 入選 / 日本新工芸展近畿展 読売テレビ放送賞 / 全関西美術展 入選 / 個展(髙島屋京都店 美術工芸サロン) / 第38回日展 入選
2007 京展 入選 / 第29回日本新工芸展 入選 / 第39回日展 入選 / 京都女子大学附属小学校 創立50周年記念 陶芸展 出品
2008 京展 入選 / 第30回日本新工芸展 入選 / U.S.E Uryuyama.Sculptors.Exhibition (ギャラリーマロニエ)
2009 グループ展「真朱展 冬の集い」 / 日本新工芸家連盟 会員になる / 第31回日本新工芸展 出品 / 京都工芸美術作家協会展 協会奨励賞 / 日本新工芸展近畿展 読売新聞大阪本社賞 / 第41回日展 入選 / 個展 (京都大丸百貨店 アートサロン) / U.S.E展 2009 (ギャラリーマロニエ)
2010 第32回日本新工芸展 出品 / 第42回日展 入選
2011 京都女子学園 創立100周年記念 第8回特別展「附属小学校卒業生-陶芸作家展」出品 / 第33回日本新工芸展 出品 / 全関西美術展 読売テレビ賞 受賞 / 新天地を求めた京焼 清水焼団地五十年の歩み 出展 / U.S.E 4 (ギャラリーマロニエ) / 創立65周年記念 京都工芸美術作家協会展 出品 / 個展 (京都大丸百貨店 美術画廊)
2012 第34回日本新工芸展 審査員 / 日本新工芸展近畿展 京都市教育長賞 / U.S.E 5 (ギャラリーマロニエ)
2013 京焼 文齋窯 六代目を継承する。
第35回日本新工芸展 出品 / U.S.E 6 (ギャラリーマロニエ) / 第44回日展 入選
2014 U.S.E 7 (ギャラリーマロニエ) /日本新工芸家連盟 脱退
2015 琳派400年記念現代作家200人による日本画・工芸展(京都文化博物館)/ 平成の京町家×平成の工人 / U.S.E 8 (ギャラリーマロニエ)
2016 京都六原地区「みんなでつけよう ろじのあいしょう」プロジェクト銘板作成 / 陶芸に集う日本画・写真・截金 四人のコラボ展(ポルタギャラリー華)
2017 個展 大丸京都店 美術画廊 / U.S.E 10 (ギャラリーマロニエ)
2018 喫茶去~まずはお茶を一服~ 工人(ポルタギャラリー華)
登り窯 損壊
2019 登り窯修復 完了
京展 小さな宇宙展(ポルタギャラリー華)
六代 小川文齋襲名披露祝賀会
2020 京展 小さな宇宙展(ポルタギャラリー華)/ 京都工芸美術作家協会 選抜展
2021 創立75周年 京都工芸美術作家協会展 / 個展 大丸京都店 美術画廊
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