商品情報にスキップ
1 6

塩窯花入 清水剛

塩窯花入 清水剛

通常価格 ¥55,000
通常価格 セール価格 ¥55,000
セール 売り切れ
税込。 配送料はチェックアウト時に計算されます。
数量

高さ:10.3cm 幅:17.1cm

塩窯花入 清水剛様作

青の深みと塩窯の景色が響き合う花入

「塩窯花入」は、清水剛様ならではの大胆さと繊細さとが美しく調和した作品です。
まず目を引くのは、器面にあらわれた鮮やかな青の存在でしょう。呉須によってもたらされたこの青は、単なる装飾的な色彩にとどまらず、花入全体に清澄な気配と強い印象を与えています。深く、澄み、なおかつどこかやわらかさを湛えた青は、光の具合によってさまざまな表情を見せ、見る者の心を静かに引き寄せます。

この青の美しさに加え、本作には塩窯焼成ならではの独特の肌合いが宿っています。色彩の鮮やかさと、焼成によって生まれる表面の複雑な景色とが重なり合うことで、単なる花器を超えた、ひとつの造形作品としての存在感が際立っています。

呉須の青がもたらす、澄んだ緊張感

本作に用いられている呉須は、日本の陶芸史においても長く親しまれてきた青の顔料です。釉薬そのものの発色とは異なり、呉須による青には、線や面に意志が宿るような強さがあります。
清水剛様のこの花入においても、その青は決して過剰に主張することなく、器形とよく呼応しながら、静かな緊張感を空間にもたらしています。

青という色は、扱いによっては冷たくも見えますが、本作の青にはそのような硬さだけではない魅力があります。むしろ、土ものの量感と塩窯焼成の柔らかな肌理の上に置かれることで、凛とした中にも奥行きとぬくもりが感じられます。
そのため、花を活けていないときであっても、この作品は十分に鑑賞に堪える美を備えており、空間に置かれた瞬間に場の質を変える力を持っています。

塩窯焼成が生み出す、他にはない器肌

本作の大きな魅力のひとつが、塩窯技法によってもたらされる独特の風合いです。塩窯焼成は、焼成中に塩を投入し、その成分が高温の中で気化して器表面と反応することで、特有の質感や景色を生み出す技法です。
その起源は13世紀頃のドイツにさかのぼるとされ、西洋陶の技術史の中でも特異な位置を占めています。

塩窯の魅力は、作家がすべてを完全に統御するのではなく、炎や塩、窯内の空気の流れといった自然の作用が作品の表情形成に深く関わる点にあります。つまりそこには、意図と偶然とが交差する面白さがあります。
清水剛様は、この特性を深く理解したうえで、伝統的な登り窯を用い、1230℃以上の高温で約二日半をかけてじっくりと焼き上げられています。その結果として本作には、塩窯ならではのやわらかな光沢や、わずかな凹凸を伴う複雑な器肌があらわれ、見る角度ごとに異なる景色を楽しませてくれます。

登り窯で焼かれることで宿る、時間の厚み

現代において、登り窯による焼成は決して効率的な方法ではありません。多大な手間と時間、そして経験が必要とされるため、誰にでも容易に行えるものではないからです。
しかしその不便さの中にこそ、現代の工業的な焼成では得がたい魅力があります。

薪を焚き続けながら長時間かけて窯を育てていく登り窯の焼成では、火の流れや灰の作用、焼成位置による温度差が作品に複雑な表情を与えます。本作にも、そうした長い焼成時間の積み重ねによって生まれた“時間の厚み”のようなものが感じられます。
それは単に丈夫であるという機能的な価値を超えて、作品そのものに歴史性や重みを与える要素でもあります。塩窯という特殊な技法と登り窯という伝統的な焼成法が重なることで、この花入には他では得難い独自の風格が備わっています。

花を受け止め、空間を整える器

花入の価値は、単体の造形美だけでは決まりません。花を受けたときにどのような景色を生むか、置かれた空間にどのような気配をもたらすかが重要です。
その点において本作は、非常に優れた花入といえます。

鮮やかな青は、白い花、緑の枝もの、淡い色合いの草花など、さまざまな植物と美しい対比を見せます。しかも、その青があまりに強すぎて花を圧倒することはなく、むしろ花の輪郭や色彩を引き立てる背景として機能します。
また塩窯の器肌は、活けられた植物に自然な野趣を添え、華やかな花だけでなく、侘びた枝や一輪の草花にもよく応えます。

玄関、床の間、リビング、書斎など、置かれる場所を選ばず、それぞれの空間に緊張感と静けさをもたらしてくれる点も本作の大きな魅力です。花を活ける器であると同時に、空間を整えるための造形作品としても非常に優れています。

清水剛様の技と感性が結晶した一点

この塩窯花入には、清水剛様の技術と感性が端的にあらわれています。呉須の扱い、器形の構成、塩窯焼成の見極め、そのいずれも高度な経験と確かな審美眼を必要とするものです。
しかも本作は、技巧をひけらかすような作品ではありません。むしろ、技術の確かさがあるからこそ、全体としては自然で伸びやかな印象にまとめられています。

細部を見れば、器面の表情や輪郭の取り方に作家の厳しい目が行き届いていることがわかります。しかし同時に、そこには土ものならではの自由さも失われていません。
この均衡感覚こそが、清水剛様の作品を魅力的なものにしている大きな理由でしょう。伝統技法に根ざしながらも古びることなく、現代の住空間にも自然に調和する洗練を備えている点に、作家としての力量が感じられます。

長く寄り添い、価値を深めていく作品

優れた花入は、一時的な華やかさだけでは終わりません。季節ごとの花を受け止めながら、使い手の暮らしの中で少しずつ価値を深めていくものです。
本作もまた、年月とともに愛着が増し、空間の中でかけがえのない存在になっていくことでしょう。

塩窯焼成による複雑な景色は、朝夕の光によっても表情を変え、活ける花によっても新たな魅力を見せます。つまりこの作品は、完成したひとつの美を持ちながらも、使い手との関係の中でさらに豊かになっていく器なのです。
一生を通じて楽しむことのできる花入であり、また次代へ受け継ぐにふさわしい品格を備えた一点といえるでしょう。

ぜひこの「塩窯花入」をお手元でご堪能ください。
呉須の鮮やかな青、塩窯ならではの豊かな器肌、そして清水剛様の確かな技と感性が、日々の空間に格別な美をもたらしてくれることでしょう。

略歴 
1975年 兵庫県丹波立杭に生まれる
1999年 京都市立芸術大学工芸科陶磁器専攻卒業
    陶芸家・今井政之、眞正氏に師事
2005年 兵庫陶芸美術館に勤務(~2012年)
2015年 外務省派遣事業により渡加(オワタ・バンクーバー)
2019年 日・韓学術シンポジウムにて講演(金海粉青陶瓷館/韓国・’16)

主な展覧会/公募展
2010年 ビエンナーレKUMAMOTO FINAL(熊本県立美術館)
2012年 京都府美術工芸新鋭展・京都美術工芸ビネンナーレ(京都文化博物館)
2013年 第22回日本陶芸展 入選(’11)
2014年 光州ビネンナーレ(Gwangju Folk Museum/韓国)
2016年 Exhibition of crafts from UCCN in the field of Crafts & Folk Art
        (利川世界陶磁センター/韓国)
2017年 一茶碗 一世界:國際藝術家 茶碗聯展(綻堂蒔光/台湾)
2018年 2018TEA BOWL Exhibition of Gyeongsanam-Do(金海文化の殿堂/韓国)
    ひょうごやきもの150年― 技・匠からアート・個性へ―(兵庫陶芸美術館)
2019年 KOGEI Art Fair KANAZAWA 2019(THE SHARE HOTELS KUMU金沢)
2022年 第39回茶の湯の造形展(田部美術館/島根) 入選(計6回)
2023年 第10回菊池ビネンナーレ(菊池寛実記念智美術館/東京)入選

受賞
2010年 現代形の陶芸 萩大賞展2010(山口県立萩美術館・浦上記念館)佳作
2011年 第57回 全関西美術展(大阪市立美術館) 佳作(09年 同賞)
    神戸ビエンナーレ2011現代陶芸展 奨励賞(09年同賞)
2017年 平成29年度 兵庫県芸術奨励賞
2018年 第11回現代茶陶展 優秀賞
    第23回美濃茶盌展 金賞
2019年 第12回現代茶陶展 優秀賞
    第5回藝文京展 京都市長賞
2023年 第15回現代茶陶展 優秀賞

詳細を表示する
  • 【丁寧に、お送りいたします】

    それぞれの商品に合った形態で、丁寧に梱包いたします。

    また、作品(器など)により、納期は変わります。

    作品の引渡時期は、ご注文確認後、共箱準備済み作品は7営業日以内に出荷させていただきます。共箱を新たに製作する作品は45営業日以内に出荷させていただきます。

    いずれも、ご注文を確認いたしましたら、当店より納期をメールにてご連絡いたします。

    梱包のこだわりについて

  • 【陶器をご購入の際のお願い】

    作品ごとに、出来るだけ詳細をご確認いただけるように画像を掲載しておりますが、ご不明な点はお問い合わせください。

    作品の色合いなどは、画像を表示する環境により若干異なることがございますが、ご理解の程お願いいたします。

    作品により貫入などによる、茶碗への染み込みが発生することがございますが、それも経年変化の味わいとしてご理解いただきますようお願いいたします。

    作品の取り扱いについて