青白磁輪花香炉 井倉幸太郎

幅 : 18.8cm　高さ :6.7cm　

「青白磁輪花香炉」は、青白磁の持つ清らかな美しさと、輪花形状の繊細さが見事に調和した香炉です。この香炉は、輪花の形が花びらのように広がり、青白磁の淡い青みがかった白色が、柔らかな光を湛えながら空間に静けさと気品をもたらします。優美な曲線が作り出す繊細な造形と、井倉様の卓越した技術が融合した一品です。

青白磁の美しさと技術

青白磁は、白磁の一種で、釉薬に含まれる微量の鉄分によって淡く青みがかった白色を発色させることが特徴です。その透明感ある色彩は、まるで水や空気のように静謐で、清涼感を漂わせます。井倉様の青白磁作品は、焼成の際に釉薬を厚くかける難しい技術を駆使し、均一な発色と深みのある美しさを生み出しています。この香炉も、青白磁特有の上品さと清廉さを感じさせる一品で、光の角度によって釉薬の奥深い色合いが引き立ちます。

輪花形状の優雅さ

「輪花」とは、器の縁を花びらの形に波打たせる技法を指します。この「青白磁輪花香炉」では、井倉様の繊細な技術によって、輪花が優美に表現されています。花びらがふんわりと広がるような形状は、青白磁の柔らかな質感と相まって、品格のある造形美を持っています。また、輪花の緩やかなカーブが光を柔らかく反射し、立体感とともに香炉全体に流れるような動きを感じさせます。

香炉としての気品高さ

この香炉は、香を焚くために使われるだけでなく、その存在自体が美しい装飾品となります。輪花の柔らかな曲線と青白磁の透き通るような色彩が、香を焚く場面での空間全体を優雅に彩ります。清らかな青白磁の質感と、香の静かな広がりが織り成す時間は、まさに心を穏やかにする瞬間です。

井倉幸太郎様の卓越した技術

井倉幸太郎様は、青白磁の魅力を最大限に引き出す作品作りにおいて、卓越した技術と独自の美意識を持っています。この「青白磁輪花香炉」も、作品に共通する繊細さと品格が際立つ一品です。輪花という伝統的な技法を用いながらも、現代的な感覚を取り入れることで、古典とモダンの融合が実現されています。また、香炉としての実用性だけでなく、観賞用の工芸品としても非常に高い評価を受ける作品です。

「青白磁輪花香炉 井倉幸太郎作」は、青白磁の清らかな美しさと、輪花形状の優美な造形が見事に調和した香炉です。繊細な曲線と品格のあるフォルムが、香を焚く場面だけでなく、空間全体を静謐で美しいものに変える力を持っています。