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ワラ灰釉宝尽くし盃 宮川香斎

ワラ灰釉宝尽くし盃 宮川香斎

通常価格 ¥44,000
通常価格 セール価格 ¥44,000
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高さ :4.5cm  幅 : 6.0cm 

「ワラ灰釉宝尽くし盃」は、日本の伝統的な吉祥文様「宝尽くし」をあしらった作品で、福徳を呼ぶさまざまな宝物が描かれています。宝尽くし文様は、古代中国の「八宝」や「雑八宝」に由来し、日本には室町時代に伝わり、日本風にアレンジされて広まりました。日本では晴れ着や茶道具などに多く用いられ、縁起の良い象徴として人々に親しまれてきました。

宝尽くし文様の由来と意義

宝尽くし文様は、打出の小槌、隠れ蓑、金嚢など、古代の人々が豊かさや幸運を象徴するモチーフを集めた文様です。これらのモチーフは時代や地域によって異なるものの、いずれも幸福や繁栄を願う吉祥の象徴として大切にされてきました。宝尽くしの文様には、さまざまな縁起物が集められ、それぞれが象徴的な意味を持っています。たとえば、打出の小槌は振ると欲しいものが手に入ると言われ、敵を打つことから吉祥文として使われました。また、丁字や分銅、金嚢、宝珠なども、健康や富、知恵、幸福を象徴する重要な要素です。

  • 打出の小槌:一寸法師や七福神の大黒天が持つとされる魔法の槌。振ることで背が伸びたり、欲しいものが手に入るという言い伝えがあります。

  • 隠れ蓑と隠れ笠:どちらも身に着けると姿が見えなくなるという神話的な道具で、天狗や神仙にまつわる伝説があります。

  • 宝珠:密教の法具であり、手に入れるとどんな望みもかなうとされています。宝珠からは炎が描かれ、豊かさや無限の可能性を象徴しています。

このようなモチーフが「宝尽くし」として集められた文様は、ただの装飾ではなく、持つ者に幸運をもたらすという信仰が込められた意味深いデザインです。

宮川香斎家のワラ灰釉

宮川香斎家の「ワラ灰釉宝尽くし盃」には、宮川家が代々受け継いできた「ワラ灰釉」が使用されています。ワラ灰釉は、京焼の伝統的な技法であり、柔らかい青みがかった乳白色の釉薬で、器全体にかけられることで、独特の温かみのある器肌を生み出します。この釉薬は、真葛焼の当主が代々継ぎ足して使用してきたもので、200年以上にわたりその技法が受け継がれています。釉薬の特性により、土や焼成温度によって色合いが変化し、時には温もりを感じさせる赤みを帯びたり、涼しげな青白色を呈することがあります。ワラ灰釉は、京焼の始祖である野々村仁清も使用していた技法であり、宮川家の初代、宮川長造がこの技法を特に得意としていました。長造はその技術を発展させ、真葛焼の象徴的な技法として確立しました。

真葛焼の技法とその歴史

真葛焼は、京焼の伝統技法を集大成したものであり、その中でも特にワラ灰釉を用いた作品が高く評価されています。この釉薬は、宮川家の歴代当主によって大切に受け継がれ、真葛焼の代表的な作品群に使われてきました。ワラ灰釉を用いた作品は、乳白色の柔らかな光沢が特徴であり、その優美な風合いは真葛焼の最大の魅力の一つです。宮川家の真葛焼は、江戸時代の貞享年間(1684~1687年)に祐閑宮川小兵衛政一が京都に移り住み、知恩院門前で陶芸を始めたことに端を発します。彼の子孫たちはそれぞれ「楽屋」という焼継所を経営し、長兵衛家の五代目には名工宮川長造が登場しました。彼が東山真葛ヶ原(現在の円山公園)に窯を開いたことで、真葛焼はその名を広め、後に横浜へ移った初代真葛香山の手によって国際的にも知られるようになりました。現在、真葛七代目の宮川香斎がその伝統を受け継ぎ、真葛焼の技法を現代に伝え続けています。彼の作品は、国内外で高く評価されており、ヴィクトリア&アルバート博物館やユネスコ日本政府代表部などにも所蔵されています。「ワラ灰釉宝尽くし盃」は、宝物をモチーフにした吉祥文様と、宮川家が誇る伝統技術が見事に融合した作品です。この盃には、歴史的なモチーフと現代の陶芸技術が共鳴しており、使うたびに豊かで幸福な気持ちにさせるような力が宿っています。

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