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ワラ灰釉砂金袋水指 宮川香斎

ワラ灰釉砂金袋水指 宮川香斎

通常価格 ¥880,000
通常価格 セール価格 ¥880,000
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高さ :13.5cm  幅 : 18.0cm 

「ワラ灰釉砂金袋水指 宮川香齋」は、伝統と現代性が見事に融合した作品であり、和室の美しい空間に溶け込む一方、モダンなインテリアにもエレガントな輝きを放ちます。この水指は、その用途に限定されず、幅広い使い道を持ち、実用的でありながらも美術品としての価値を兼ね備えています。

砂金袋の文様の象徴性

作品に描かれた「砂金袋」は、福徳を招く吉祥文様として知られ、財宝や香辛料を保管する巾着袋を象徴しています。砂金袋は「金嚢」とも呼ばれ、富や財に恵まれることを願う意味が込められています。古来、巾着袋は持ち主に対して財運をもたらすと信じられてきましたが、この文様を茶道具や工芸品に施すことで、日常生活の中に幸運を呼び込む力があると考えられてきました。

ワラ灰釉の技法と魅力

「ワラ灰釉」は、宮川香齋家の作品に欠かせない伝統技法で、宮川香齋家が代々受け継いできた最も重要な釉薬の一つです。ワラ灰釉は、藁を焼いて得た灰を使った釉薬で、柔らかく青みがかった温かみのある仕上がりが特徴です。この釉薬によって、器は乳白色にふんわりとした光沢を帯び、ふっくらとした気品のある風合いが生み出されます。この独特の質感は、真葛焼の作品において特に高く評価される部分であり、京焼の他の釉薬と一線を画す要素でもあります。

ワラ灰釉の特徴的な色彩は、使用される土や焼成条件に応じて微妙に変化します。時には温かみのある赤みがかった色合いを見せることもあれば、涼やかな青白色が際立つこともあり、これらの色合いが作品全体に豊かな表情を与えます。ワラ灰釉の技術は、京焼の始祖である野々村仁清も用いたとされていますが、宮川香齋家ではさらにその技術を磨き、真葛焼の代名詞となるような独自の発展を遂げました。

乾山写しの歴史と影響

「乾山写し」とは、江戸時代に活躍した京焼の巨匠、尾形乾山の作風を写した作品です。乾山は、兄の尾形光琳と共に琳派の華麗な文様を京焼に取り入れ、特に大胆で自由な作風が特徴です。乾山が築き上げた世界観は、無駄を省いた洗練されたデザインと巧みな色使いが調和し、世の中に広く愛されることになりました。乾山の兄である光琳の影響を受けて、乾山は華やかでシンプルな図案を京焼の中に取り入れ、特に梅の文様は乾山の作品において重要なモチーフとなりました。

この「乾山写し」の技法は、野々村仁清の作風を模倣する「仁清写し」と並んで、宮川香齋家でも重要な位置を占めています。乾山の作風は、京焼の歴史において重要な役割を果たし、その影響は永楽善五郎や三浦竹泉などの著名な陶芸家たちにも引き継がれました。乾山写しの作品は、単なる模倣ではなく、乾山の技術を継承しつつ、現代の感覚に合わせた新しい創造性が込められており、これが乾山焼の魅力の一つです。

宮川香齋家の歴史と影響力

宮川香齋家は、江戸時代初期から続く京焼の名門であり、その歴史は約330年にわたります。家系の起源は、初代祐閑が近江国(現在の滋賀県)から京都に移り、知恩院門前で陶器の商いを始めたことに遡ります。その後、宮川家は京焼の中でも特に「真葛焼」として知られるようになり、東山真葛ヶ原に窯を構え、独自の技術を発展させていきました。

現在、宮川香齋家は七代目を数え、その作品は国内外で高く評価されています。特に、ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)やユネスコ日本政府代表部(パリ)など、多くの国際的な美術館や文化機関に作品が収蔵されており、宮川香齋家の陶芸は世界的に知られています。本作は、京焼の伝統と技術を守りながらも、現代的なインテリアやライフスタイルに調和する作品です。その砂金袋の吉祥文様とワラ灰釉の柔らかな質感は、使い手に富と幸運をもたらすことを願い、日常に彩りを添える美術品として高く評価されます。この水指は、宮川香齋家の長い歴史と技術の結晶であり、その存在感は茶の湯やインテリアの枠を超えて、日々の生活を豊かにする一品です。

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