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翠緑茶盌 小川文齋

翠緑茶盌 小川文齋

通常価格 ¥242,000
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幅 : 13.0cm×13.0cm 高さ : 9.0cm

深き藍、翠に抱かれて ― 翠藍茶盌 六代 小川文齋(興) 作

六代 小川文齋(興)様によるこの「翠藍茶盌」は、外面の柔らかな翠緑の釉肌と、内側に秘められた深淵の藍との対比がひときわ印象的な作品です。器の外側は陽の光をたたえるように明るく、穏やかな緑が流れ、まるで風にそよぐ若葉のような爽やかさを漂わせています。しかしひとたび中を覗き込めば、そこには夜の海のような静寂と深みをもった藍が広がり、見る者の心をぐっと内面へと引き寄せていく――まるでひとつの器の中に、昼と夜、外界と内面、動と静が同居しているかのようです。


深き藍 ― 内に秘められた宇宙

この茶盌の内側に施された藍釉は、単なる「青」ではありません。深く、重たく、しかしどこか澄みきったその藍色は、静かに佇む水面や、夜空を映す湖、あるいは宇宙の深淵を思わせます。手に取ってのぞき込めば、まるで底知れぬ深海を眺めるように、吸い込まれる感覚すら覚えることでしょう。

釉の濃淡によって浮かび上がる微細なニュアンスは、光を取り込んで無数の表情を見せてくれます。ときに青鈍、またときに群青、瑠璃、藍墨といった色相を帯び、静謐な空気を纏いながら、茶の湯における“内観”の時間へと誘います。

この深い藍は、抹茶の緑と呼応し、茶の色をいっそう鮮明に引き立てます。点てられた茶が藍の空間に浮かぶその光景は、まるで翡翠の雫が宇宙に宿ったかのようで、視覚的にも、精神的にも、極めて詩的な体験をもたらしてくれるのです。


緑と藍の境界、意識の揺らぎ

外側の翠釉は、六代文齋様が長年探究してきた「緑色の美」の集大成ともいえるものです。釉薬の流れによって生まれた微妙な揺らぎや濃淡、焼成による淡い窯変が、自然の風景を映し出すかのように器肌に現れています。

そして、外側の翠から内側の藍へと続くグラデーションには、ただの色彩表現を超えた「意識の境界」が感じられます。見る者の視線を外から内へ、現実から内省へと導くように設計されたこの構成は、まるで一服の茶を通じて、自らの心を見つめ直すための「導きの器」であるかのようです。

このような造形美と精神性の融合は、単なる工芸を超えた美術的価値を持ち、現代における茶碗の在り方に新たな問いを投げかけています。


火と水の記憶 ― 高台から見えるもうひとつの表情

注目すべきは、高台部分に現れる焼成の痕跡です。藍釉が高台にまで流れ込み、まるで水のように滴るさまは、炎の中で揺らめく液体のようでもあり、陶という「土の芸術」が持つ原初的な魅力を再認識させてくれます。手作りならではの不均一な高台の表情には、窯の中で変化し続ける釉と火とのせめぎ合いが刻まれています。


翠と藍の共鳴 ― 平和と調和の象徴として

代々続く文齋窯の精神を継承しつつ、「争いをなくすために、美しいと思えるものを全力でつくる」という強い意志を込めて作陶を続けておられます。本作のように、穏やかな翠と深遠なる藍という二つの色が一つの器に融け合う様子は、そのまま“和”の思想を体現したものといえるでしょう。

緑と青――ともに自然を象徴する色が、火の力を借りて融合し、ひとつの器の中で調和を実現している。それは、異なるものが対立ではなく共存によって美を生む、という文齋窯の信念の表れでもあるのです。


日常に潜む深淵を手に取るということ

この「翠藍茶盌」は、ただ美しいだけではなく、日常の中にひとときの深淵をもたらす器です。静かに手に取り、茶を点て、藍の奥に自らの影を映す——その体験は、現代に生きる私たちにとって贅沢な内省の時間をもたらしてくれるでしょう。

翠と藍が織りなす一碗の中に、自然の風景、精神の深み、そして平和への祈りが凝縮されている――それこそが、六代 小川文齋様の芸術の真骨頂であり、この器を手にすることの意味なのです。

どうぞ、この唯一無二の「翠藍茶盌」を通じて、美と静謐、そして心の深淵と向き合う時間をお楽しみください。

 

六代 小川 文齋(興) 文齋窯 六代目 当主
陶芸作家・日展 会友・京都工芸美術作家協会 会員

活動経験
・カルチャーセンター講師(毎日・NHK・京都)20年継続中
・野焼き (五代文齋と共に)
・有限責任事業組合工人を結成・参加

陶歴
1974 京都五条坂の陶芸家 五代 小川文齋の長男として生まれる。
1999 京都造形芸術大学大学院 芸術学部 彫刻コース 修了
2000 京都府陶工高等技術専門校 成形科 修了 / 京展 入選 / 全関西美術展 入選
2001 京都府陶工高等技術専門校 専攻科 修了 / 京展 入選 / 京都工芸美術作家協会 入会
2002 グループ展「5人展」 / 京都市工業試験場 窯業研究室 修了 / 京展 楠部賞 / 第34回日展 初入選
2003 京展 入選 / 第25回日本新工芸展 日本新工芸奨励賞 / 日本新工芸家連盟近畿会 入会 / 全関西美術展 入選 / 第35回日展 入選
2004 京展 入選 / 第26回日本新工芸展 入選 / 日本新工芸展近畿展 読売新聞大阪本社賞 / 第36回日展 入選
2005 第27回日本新工芸展 東京都知事賞 / 初個展 (京都大丸百貨店アートサロン) / 第37回日展 入選
2006 第28回日本新工芸展 入選 / 日本新工芸展近畿展 読売テレビ放送賞 / 全関西美術展 入選 / 個展(髙島屋京都店 美術工芸サロン) / 第38回日展 入選
2007 京展 入選 / 第29回日本新工芸展 入選 / 第39回日展 入選 / 京都女子大学附属小学校 創立50周年記念 陶芸展 出品
2008 京展 入選 / 第30回日本新工芸展 入選 / U.S.E Uryuyama.Sculptors.Exhibition (ギャラリーマロニエ)
2009 グループ展「真朱展 冬の集い」 / 日本新工芸家連盟 会員になる / 第31回日本新工芸展 出品 / 京都工芸美術作家協会展 協会奨励賞 / 日本新工芸展近畿展 読売新聞大阪本社賞 / 第41回日展 入選 / 個展 (京都大丸百貨店 アートサロン) / U.S.E展 2009 (ギャラリーマロニエ)
2010 第32回日本新工芸展 出品 / 第42回日展 入選
2011 京都女子学園 創立100周年記念 第8回特別展「附属小学校卒業生-陶芸作家展」出品 / 第33回日本新工芸展 出品 / 全関西美術展 読売テレビ賞 受賞 / 新天地を求めた京焼 清水焼団地五十年の歩み 出展 / U.S.E 4 (ギャラリーマロニエ) / 創立65周年記念 京都工芸美術作家協会展 出品 / 個展 (京都大丸百貨店 美術画廊)
2012 第34回日本新工芸展 審査員 / 日本新工芸展近畿展 京都市教育長賞 / U.S.E 5 (ギャラリーマロニエ)
2013 京焼 文齋窯 六代目を継承する。
第35回日本新工芸展 出品 / U.S.E 6 (ギャラリーマロニエ) / 第44回日展 入選
2014 U.S.E 7 (ギャラリーマロニエ) /日本新工芸家連盟 脱退
2015 琳派400年記念現代作家200人による日本画・工芸展(京都文化博物館)/ 平成の京町家×平成の工人 / U.S.E 8 (ギャラリーマロニエ)
2016 京都六原地区「みんなでつけよう ろじのあいしょう」プロジェクト銘板作成 / 陶芸に集う日本画・写真・截金 四人のコラボ展(ポルタギャラリー華)
2017 個展 大丸京都店 美術画廊 / U.S.E 10 (ギャラリーマロニエ)
2018 喫茶去~まずはお茶を一服~ 工人(ポルタギャラリー華)
登り窯 損壊
2019 登り窯修復 完了
京展 小さな宇宙展(ポルタギャラリー華)
六代 小川文齋襲名披露祝賀会
2020 京展 小さな宇宙展(ポルタギャラリー華)/ 京都工芸美術作家協会 選抜展
2021 創立75周年 京都工芸美術作家協会展 / 個展 大丸京都店 美術画廊

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