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若竹茶碗 尾西楽斎

若竹茶碗 尾西楽斎

通常価格 ¥198,000
通常価格 セール価格 ¥198,000
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税込。 配送料はチェックアウト時に計算されます。

幅 : 12.5cm 高さ : 8.2cm

尾西楽斎様の「若竹茶碗」は、初夏の涼風を思わせる若竹の瑞々しさと、金彩のあでやかさを一碗の中で見事に調和させた作品です。白く透ける素地に貫入が細やかに走り、そこへ青竹の緑と金箔を思わせる金泥が交錯することで、静けさと華やぎが同居する景色を生み出しています。以下、五つの観点から本作の魅力を詳しくご紹介いたします。


1.造形と釉調

胴張りの端正なプロポーション
見込みから口縁へ緩やかに立ち上がる胴張り形は、抹茶が均一に泡立ちやすい理想的な比率で設計されています。

白釉と貫入の妙
素地を覆うのはわずかに灰味を帯びた白釉で、焼成後に貫入が繊細な網目を描きます。これが竹林の薄霧を想わせ、抹茶の緑を柔らかく映り込ませる舞台装置となっています。


2.意匠 ― 若竹の瑞々しさ

青竹と金葉のコントラスト
竹幹には緑青を基調とした色絵具を盛り、若葉や籟(うら)の部分には金泥をあしらっています。青と金の補色関係により、涼感と格調が同時に立ち上がります。

連続する竹林景
茶碗をめぐらせると、密集と間(ま)が繰り返される竹林のリズムが現れ、客はまるで竹林を散策しているかのような没入感を味わえます。


3.技法 ― 盛絵と金彩の重奏

緑盛(りょくもり)
竹幹の節や稈(かん)に沿って緑絵具をやや厚めに盛り、再焼成で光沢と立体感を付与しています。

金泥細線描
葉脈や節目には極細の金泥線を引き、竹の成長を象徴する伸びやかな勢いを表現しています。

多度焼成
絵付けごとに温度を変えながら二度・三度と焼成を重ねることで、彩色の発色と耐久性を高めています。


4.茶席での機能美

抹茶映え
内面にも若竹がひっそりと描かれ、抹茶の面に竹葉が影を落とす演出が施されています。緑と緑が響き合い、一服が森の息吹を帯びた趣となります。

季節感の自在性
若竹は立夏や七夕など初夏から盛夏にかけての茶会で最適ですが、「節(ふし)が伸びる」意匠は出世や成長の象徴でもあり、慶事の席にも相応しいものです。


5.文化的背景と現代性

竹は古来「清廉・節義・成長」の象徴として茶道・能装束・漆芸などに繰り返し取り上げられてきました。尾西楽斎様は、その伝統モチーフを淡白釉×金彩というモダンな色調で再解釈し、竹林を俯瞰したような大胆な全面装飾に仕立てることで、古典の精神を保ちながら現代茶席にも映える軽やかさを実現しております。

緑青の若竹、金泥の若葉、そして白釉の貫入が織り成す静と動のコントラスト――本作は、初夏の竹林に射し込む朝陽のような清爽さを一碗に閉じ込めています。茶席に据えれば、客は掌に吹く竹林の風を感じ取りながら一服を味わい、心静かに季節の移ろいと成長の喜びを共有することでしょう。尾西楽斎様の若竹茶碗は、用の美と語りの美を兼ね備えた、まさに瑞気満ちる逸品でございます。

尾西楽斎様との対談

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