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伊賀窯変茶盌 柳下季器

伊賀窯変茶盌 柳下季器

通常価格 ¥187,000
通常価格 セール価格 ¥187,000
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幅11.4cm   高さ8cm

伊賀の土が、炎の中で目覚めるとき、器は語り出します。
柳下季器様による《伊賀窯変茶盌》は、400万年前の大地の記憶と、現代の手仕事とが交差して生まれた“風景そのもの”といえる作品です。焼成のなかで偶然に見える景色は、実は綿密に計算された必然の結晶であり、器のひとつひとつが異なる表情を持つのは、伊賀焼の本質そのもの。柳下様のこの茶盌もまた、炎と灰、釉薬と土、そして時間が織りなす、唯一無二の存在感をまとっています。


窯変の詩学——自然と作為のあわいに

“窯変”とは、焼成中に器の表面に起こる予測不能な変化のこと。灰が降りかかり、釉薬と融け合ってビードロ(緑ガラス状)を生み、焦げ、割れ、裂けなどが偶然のように現れます。けれども、その「偶然」は、すでに作家の意図のなかに織り込まれた“狙い”でもあります。

柳下季器様の《伊賀窯変茶盌》には、そうした自然と作為のあわいに生まれる「うつろいの美」が、見事に息づいています。ひとつの器の中に、燃えるような火色、白く灰をかぶった部分、そして深く焦げた闇のような肌——まるで山間の岩肌に時の雨が染み込んでいくような、豊かな景色が広がります。


土と炎が育てた器

本作に用いられているのは、伊賀地方の古琵琶湖層から生まれた強靭な陶土。小石や砂を含み、焼成中に強い火の熱に耐えうる性質を持つこの土は、釉薬の下から器の呼吸を伝えてきます。

茶盌の表面には、意図的にゆがみや凹凸が残されています。それは桃山期の“古伊賀”に見られる破調の美を受け継ぎつつ、現代の手によって再構築された意匠です。素材と技法の間に自らの身体を差し入れながら、炎のなかで生きる器を創り上げています。


わび・さびを超えて——生きた土の鼓動

川端康成がノーベル賞受賞の記念講演「美しい日本の私」のなかで讃えた古伊賀。その精神性を、「現在の生きた器」としてよみがえらせました。本作には、わび・さびにとどまらない“野性の美”があります。灰かぶりや焦げは、むしろ器に生命を与える痕跡であり、器は焼き物である以前に「生き物」のような気配をまとっています。掌にのせると、土の温度、釉の冷たさ、表面のざらりとした質感——すべてが、五感を通じて器の“呼吸”として感じられるでしょう。


時とともに育つ器

使い込むほどにビードロは深まり、灰が溶けた部分の光は柔らかく変化していきます。湯を注げば、器は蒸気とともに目覚め、わずかな貫入に茶の色が沁みて、持ち主だけの“表情”が宿っていきます。《伊賀窯変茶盌》は、完成された作品というより、「共に時間を過ごすことで育っていく存在」です。まさに一期一会。使うごとに、器と心のあいだに交わされる対話は深まり、やがてそれはひとつの“関係”へと変わっていきます。

 

柳下 季器(Hideki Yanashita) プロフィール
陶芸家 1967 –
東京都生まれ。現在は三重県伊賀市を拠点に活動。桃山時代のやきものに魅了され、陶芸の道へ進む。信楽での修行を経て三重県・伊賀に自ら穴窯を築窯し、「神田窯」を開窯。杉本貞光氏に薫陶を受け、侘び寂びの世界を独自の視点で深く探求しつつ、楽焼や焼締、井戸、織部など多彩な作品を制作しています。柳下氏の創作において重要なテーマとなるのは、先人の技法や精神を深く学びつつも、現代の素材や独自のアプローチを取り入れることで生まれる新たな極みへの探究です。その作品は時代に左右されない本質的な美を問いかけ、観る者をより深い芸術の世界へと誘います。


活動拠点
三重県・伊賀

略歴
1967年 東京都生まれ
1989年 専門学校桑沢デザイン研究所卒業
2002年 三重県伊賀市に穴窯を自身で築窯(神田窯)
2002年 高島屋横浜店にて二人展
2004年 高島屋横浜店にて個展(以降開催)
2007年 高島屋京都店にて個展(以降開催)
2007年 杉本貞光先生に薫陶を受ける(以降現在まで)
2008年 高島屋大阪店にて個展(以降開催)
2013年 JR名古屋タカシマヤにて個展(以降開催)
2023年 日本橋三越本店にて個展(以降開催)

 

柳下季器様との対談

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