丹波金彩窯変茶盌 正元直作
丹波金彩窯変茶盌 正元直作
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丹波金彩窯変茶盌 ― 正元直作様
高さ 7.2 cm × 口径 14 cm
金彩が生む華やぎと余情
内側一面に施された金彩は、淡い燈火の下でこまやかに揺らぎ、抹茶の面に月光を映したかのような幽玄の光を放ちます。茶筅を振る所作に合わせて金彩がほのかに輝きを変え、亭主と客との間に静かな高揚感をもたらします。金彩の膜は薄く均一で、指先でなぞると微かな凹凸が感じられ、正元直作様の丹念な筆運びが偲ばれます。
窯変が描く“天と地”の景色
胴外側には、薪窯焼成による劇的な窯変が広がっています。口縁付近は砂金色から深橙へと移ろい、中央部は墨青に近い金属光沢、胴下部には灰藍(はいあい)の釉肌が霧のようにたなびきます。その境界を曖昧に溶け合わせる灰被りのラインは、夜明け前の地平線を思わせ、金彩が象徴する天空との対話を演出しています。
丹波の荒土 × 精緻な轆轤
胎土には丹波特有の花崗岩粒が随所に残されており、光を受けると小さな星屑のように瞬きます。高台はやや高めに切り揚げ、轆轤目(ろくろめ)を丁寧に消しつつも、手取りを柔らかく導くわずかな揺らぎを残しました。胴を絞らず幅広に開いた浅鉢形は、薄茶がふわりと広がる様子を美しく見せると同時に、点前の動線を滑らかにします。
茶席で際立つ機能美
抹茶の発色:金彩の反射光が緑を明るく映えさせ、客の視線を自然に見込みへ誘います。
保温・保冷:厚みに強弱をつけた胎が温度を穏やかに保ち、季節を問わず活躍いたします。
扱いやすさ:口縁の面取りが唇当たりを柔らかくし、胴の緩やかなカーブが掌にしっとりと収まります。
経年とともに育つ景色
金彩はお点前を重ねるうちに抹茶の成分と混ざり合い、やわらかな古色を帯びてまいります。一方、外側の窯変は使い込むほどに艶が落ち着き、灰藍の部分に深みが増してゆきます。年月が釉肌と金彩双方に異なる変化を刻み、それらが重なり合って唯一無二の景色を形づくる過程は、本作をお手元で育てる醍醐味そのものです。
お取り扱いの注意
初使用時は軽く湯通しを行い、器肌を馴染ませてからお使いください。
ご使用後はぬるま湯でやさしく洗浄し、柔らかな布で水気を拭き取ったうえで陰干ししてください。
金彩部分を硬いスポンジや磨粉でこすることはお避けください。薄い金膜が長持ちいたします。
煌めく金彩と大地のような窯変――「丹波金彩窯変茶盌 正元直作様」は、豪華さと自然美をひとつに結び、茶席に格調と温もりを同時にもたらす稀少な一碗です。どうぞ末永くお手元で育み、時とともに深まる光と影の物語をお愉しみくださいませ。
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【丁寧に、お送りいたします】
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作品の引渡時期は、ご注文確認後、共箱準備済み作品は7営業日以内に出荷させていただきます。共箱を新たに製作する作品は45営業日以内に出荷させていただきます。
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【陶器をご購入の際のお願い】
作品ごとに、出来るだけ詳細をご確認いただけるように画像を掲載しておりますが、ご不明な点はお問い合わせください。
作品の色合いなどは、画像を表示する環境により若干異なることがございますが、ご理解の程お願いいたします。
作品により貫入などによる、茶碗への染み込みが発生することがございますが、それも経年変化の味わいとしてご理解いただきますようお願いいたします。