白瓢箪型一輪挿し 正元直作
白瓢箪型一輪挿し 正元直作
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白瓢箪型(ひょうたんがた)一輪挿し ― 正元直作様
高さ 23.0 cm × 最大径 18.2 cm
1.“福”を呼び込む瓢箪(ひょうたん)のフォルム
古来、瓢箪はその丸みとくびれから「無病息災」や「商売繁盛」をもたらす縁起物として愛されてきました。本作はその吉祥意匠を端正なラインで表現し、柔らかな胴とすらりと伸びた首が生み出すリズムが実に軽やかです。花を一輪挿すと、丸い胴が蕾を包み込み、細い首が茎を支える対比が際立ち、花の姿をいっそう凛と引き立てます。
2.白丹波釉が映す静謐
直作窯伝統の白丹波釉は、灰白色のなかにわずかな青味を帯びる上品な色調が特徴です。薪窯の還元炎を経て、器肌にはほのかな銀鼠や褐色の景色が現れ、土味と釉肌が溶け合う独特の表情を見せています。全体を覆う細やかな貫入(かんにゅう)は光の角度で陰影を生み、使うほどに茶渋が沁み込み、時の移ろいを美しく刻みます。
3.窯変(ようへん)が描く唯一無二の景色
肩から胴にかけて散る灰の微粒子や薪の火痕が、淡い月のクレーターを想わせる斑紋を形成しています。これは窯内で偶然降りかかった灰が釉薬と融け合って生まれた“窯変”の恩寵。焼成温度や炎の流速、灰の量など一瞬でも条件がずれると再現できない、まさに一期一会の景色です。
4.正元直作様の卓越した造形感覚
胴から首に移る際のなめらかなえぐり、口縁部のわずかな開きを残した造作は、花留まりを計算した絶妙のバランスです。指跡を残さない丁寧な轆轤挽き(ろくろびき)でありながら、丸みの中にほんのりとした揺らぎをもたせることで、用の美と侘びの気配を共存させています。
5.四季の草花を引き立てる包容力
春:桃や木瓜(ぼけ)の淡紅を受け止め、胴の白が色香を引き出します。
夏:青楓や桔梗の涼を映して爽やか。
秋:女郎花や吾亦紅など野趣のある花材が、斑景のグレイッシュトーンと見事に調和。
冬:南天や椿を挿せば、白釉の静けさの中に赤が冴えわたり、茶席を端正に引き締めます。
6.お取り扱いと育て方
ご使用後は水をよく切り、柔らかな布で拭き取ったうえで十分に乾燥させてください。
長時間の浸水や洗剤の多用は、貫入に不必要な湿気や油分を含ませる原因となります。
経年により生じる色の濃淡や茶渋は、器と歩んだ時間の証しとしてお楽しみください。
瓢箪の愛らしさと白丹波釉の静謐が一体となった本作は、花一輪で空間を品良くまとめ上げる“侘びの名脇役”です。正元直作様が継ぐ直作窯の伝統と、現代的な造形美が織り成すこの一輪挿しを、ぜひ貴方の茶席や日常の花飾りにお迎えいただき、季節ごとに移ろう景色をお楽しみくださいませ。
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作品の引渡時期は、ご注文確認後、共箱準備済み作品は7営業日以内に出荷させていただきます。共箱を新たに製作する作品は45営業日以内に出荷させていただきます。
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【陶器をご購入の際のお願い】
作品ごとに、出来るだけ詳細をご確認いただけるように画像を掲載しておりますが、ご不明な点はお問い合わせください。
作品の色合いなどは、画像を表示する環境により若干異なることがございますが、ご理解の程お願いいたします。
作品により貫入などによる、茶碗への染み込みが発生することがございますが、それも経年変化の味わいとしてご理解いただきますようお願いいたします。