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酒呑 月白釉流シ銀彩 松林豊斎

酒呑 月白釉流シ銀彩 松林豊斎

通常価格 ¥35,200
通常価格 セール価格 ¥35,200
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幅 : 6.0cm 高さ : 5.0cm 

月白釉の美しさを引き出すために銀彩が施されています。
銀彩は通常、釉薬の上に施す技法ですが素地の上に直接施すことで、銀が土の中に染み込み金属的な光沢感と、マットな表情を併せ持つ独特の質感を生んでいます。
銀は白っぽいシルバーから、時間が経つにつれて黄み掛り、最終的にはいぶし銀の黒い表情へと経年変化を楽しんでもらえます。

上品な酒呑に息づく琳派の美意識

松林豊斎様による「酒呑 月白釉流シ銀彩」は、上品さと彫刻的な美しさが見事に融合した作品です。銀彩が繊細なアクセントとして施され、全体に静謐で洗練された輝きを添えています。この銀彩のほのかな光沢は、尾形光琳の琳派を彷彿とさせるもので、酒呑全体に落ち着いた華やかさと格調高さをもたらしています。琳派の美意識である「簡潔さと装飾性」が巧みに表現され、見る者に日本美術の深い歴史と静謐な美しさを感じさせる作品となっています。

月白釉が描く幻想的な風景

この作品の大きな特徴である月白釉は、淡い青みがかった色味が美しく、夜空に差し込む月の光を想起させるかのような幻想的な雰囲気を醸し出しています。月白釉の滑らかで透明感のある質感は、作品全体に涼やかな印象を与え、永遠に眺めていられるような静けさをまとっています。さらに、自然に流れ落ちる釉薬が生み出す独特の模様が、風景画のような変化と動きを感じさせ、見る者の心を和ませてくれます。

銀彩がもたらす絶妙なアクセント

この酒呑に施された銀彩は、単なる装飾を超え、作品に繊細な躍動感をもたらしています。銀彩の柔らかな光沢が、月白釉の淡い青をいっそう引き立てつつ、全体の調和を保ちながらも視覚的なアクセントとして活躍しています。その控えめでありながら確かな存在感には、琳派美術に通じる「装飾性と美的統一感」が反映され、作品に奥ゆかしくも高貴な気配を添えています。

実用性と彫刻的美の融合

「酒呑 月白釉流シ銀彩」は、上品で洗練された造形ながらも、日常の器としての使いやすさをしっかりと兼ね備えています。実際に手に取ると、心地よく馴染む手取りの良さや、口当たりの自然さが感じられるのが特徴です。彫刻的な面取りと銀彩、そして月白釉の組み合わせによって、視覚的な美しさと実用性が見事に調和し、手に取るたびにその独特の質感とフォルムの美しさを味わえます。

「綺麗寂び」と茶人文化の息吹

本作品には、朝日焼の伝統を受け継ぎながらも、現代的なアレンジを加えた松林豊斎様ならではの感性が息づいています。朝日焼の根底にある「綺麗寂び」という美意識は、小堀遠州の茶の湯文化から生まれたもので、静けさの中に上品な華やぎを秘める日本の伝統美を体現しています。その深い精神性が、この作品を通じて現代に伝えられ、茶道具としてだけでなく美術工芸品としても高い評価を得ています。

朝日焼と宇治の歴史が育んだ美

朝日焼は、宇治の地で400年以上の歴史を誇る窯元であり、酒呑「月白釉流シ銀彩」にもその長い伝統と歴史的背景が刻まれています。平安時代には貴族の別荘地として栄え、紫式部の『源氏物語』にも登場する宇治の土地は、古くから良質な粘土を産し、茶の湯の文化とも深いつながりを持っています。慶長年間に小堀遠州の指導を受けた朝日焼は、「綺麗寂び」を核とした茶道具を中心に作陶を続けてきました。その精神は、今なお松林豊斎様の作品に脈々と受け継がれています。

十六世 松林豊斎の伝統と革新

2016年に朝日焼十六世豊斎を襲名された松林豊斎様は、伝統的な朝日焼の技術と美意識を守りつつ、現代的な感性を取り入れた作品を生み出しています。英国セントアイブスのリーチ窯やフランスのギメ東洋美術館での展示・茶会など、海外においても広く活躍され、その作品は世界中で高い評価を得ています。「酒呑 月白釉流シ銀彩」は、そんな豊斎様の手になる逸品であり、銀彩による清らかな光沢と月白釉の幻想的な青、そして彫刻的なフォルムが見事に調和し、400年を超える朝日焼の歴史と新しい感覚が一体となった特別な作品です。使うほどに深まる味わいと、その背景にある歴史と美意識を感じながら、豊かなひとときを過ごせることでしょう。

 

十六世 松林豊斎

2016年に朝日焼十六世豊斎を襲名。朝日焼の根底にある「綺麗寂び」という茶人小堀遠州の美意識を基に、茶道具としての茶盌や茶入、水指、花入などを中心に朝日焼伝統の鹿背、紅鹿背をはじめ、十六世としての作風であり現代的な雰囲気をもつ月白釉流シの作品制作を行っている。海外での作品発表や、茶会の開催、茶の文化を広めるワークショップの開催なども積極的に行い、英国セントアイブスのリーチ窯での滞在制作及び作品発表、フランスパリのギメ東洋美術館での作品展示や茶会の開催の経験がある。2017年京都髙島屋、日本橋三越本店にて襲名記念展を開催。

松林豊斎様との対談 – 陶器の専門店【甘木道】

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