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ワラ灰釉秋の夜茶碗 宮川香斎

ワラ灰釉秋の夜茶碗 宮川香斎

通常価格 ¥275,000
通常価格 セール価格 ¥275,000
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高さ :7.0cm  幅 : 12.0cm 

秋の夜を象徴する抹茶碗であり、ススキが描かれた美しいデザインが秋の情景を感じさせる一品です。茶碗に描かれたススキは、秋の深まりと静かな夜の雰囲気を巧みに表現しており、その繊細な絵柄が茶道具としての品格を高めています。

季語としての「秋の夜」と「夜の秋」

「秋の夜(あきのよ)」は秋の季語であり、穏やかな秋の夜の風情を表します。一方、「夜の秋(よるのあき)」は、夏の季語であり、夏の終わりに感じる秋の気配を指す言葉です。これらの季語を背景に、ススキの描かれた「秋の夜茶碗」は、秋の季節感を見事に表現しています。この違いは、日本の歳時記に基づいており、例えば『日本の歳時記』(宇多喜代子 編著)では「夜の秋」が夏の季語として紹介されています。また、『角川俳句大歳時記 夏』でも、「夜の秋」が夏の季語として立秋前に用いられてきたことが説明されています。こうした文化的背景を考慮して作られた「秋の夜茶碗」は、秋の深まりを感じさせる一品です。

ワラ灰釉の特徴と美しさ

この茶碗には、宮川香斎家が代々受け継いできた「ワラ灰釉」が全体に施されています。ワラ灰釉は、柔らかな青みがかった乳白色の釉薬であり、まろやかな質感と温かみのある器肌が特徴です。この釉薬は、真葛焼の大切な技法の一つであり、茶碗に気品と風情を与えています。ワラ灰釉は、使用する土や焼成の温度によって異なる色調を見せ、涼やかな青白色や温かみのある赤みを帯びることもあります。「秋の夜茶碗」では、ススキの絵柄が淡い釉薬の色調と調和し、秋の静かな夜の雰囲気を醸し出しています。この繊細な色合いと質感こそが、真葛焼の独特な魅力です。

真葛焼の伝統と宮川家の技術

真葛焼は、京焼の伝統的な技法の集大成であり、特に「ワラ灰釉」はその中でも重要な技法の一つです。この釉薬は、野々村仁清が用いたものを宮川長造がさらに発展させ、真葛焼の代名詞となりました。宮川家の職人たちは、200年以上にわたりこの釉薬を継ぎ足しながら制作を続けており、ワラ灰釉の美しさを今に伝えています。真葛焼の歴史は、江戸時代の貞享年間にまでさかのぼり、宮川家が330年以上にわたって築き上げた伝統を象徴するものです。祐閑宮川小兵衛政一が京都に窯を構え、そこから真葛焼は発展してきました。宮川家は、茶道具や煎茶道具を中心に、時代の要請に応じた作陶を続けており、その技術は代々受け継がれています。

茶道具としての意義と評価

「ワラ灰釉秋の夜茶碗」は、秋の風情を取り入れた茶道具として、茶席での使用に適しています。ススキの絵柄とワラ灰釉の柔らかな色合いは、秋の茶会での雰囲気作りに一役買うことでしょう。茶碗としての実用性とともに、芸術品としての価値も高く、茶道愛好者にとって非常に魅力的な作品です。

国際的な評価と未来への継承

宮川香斎様の真葛焼は国内外で高く評価されており、「ワラ灰釉秋の夜茶碗」もその一例です。作品は、ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)やユネスコ日本政府代表部(パリ)に収蔵されており、世界的な茶道ファンからも注目されています。これからも真葛焼の伝統が受け継がれ、未来の世代へと継承されていくことでしょう。秋の夜の静かな美しさと、真葛焼ならではの気品を兼ね備えた一品です。ススキの絵柄とワラ灰釉が調和し、茶道具としても鑑賞作品としても高い評価を受けています。伝統を守りつつ、未来に向けた価値を持つこの茶碗は、茶道愛好者にとって欠かせない一品となるでしょう。

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