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色絵七宝透香炉 宮川香斎

色絵七宝透香炉 宮川香斎

通常価格 ¥1,100,000
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高さ :12.5cm  幅 : 9.5cm   

「色絵七宝透香炉 宮川香斎」は、宮川家が誇る真葛焼の技法と、日本の伝統的な文様「七宝」を組み合わせた、非常に美しい茶道具の一つです。香炉は、香木を焚いて香りを楽しむために使用される器具で、茶の湯の場や宗教的な儀式などで重要な役割を果たしてきました。この香炉は、七宝文様が施され、複雑な透かし彫りが特徴的です。七宝とは本来、仏教の経典に記された七つの宝を指し、それぞれが高貴さや永続的な価値を象徴していますが、ここでは円形が連続して繋がるデザインとして使われています。この円の連鎖は「縁(えん)」の繋がりを象徴し、人々の絆や子孫繁栄、家庭の円満などを祈念した縁起の良い文様として日本文化に深く根付いています。

七宝文様の由来と意味

「七宝文様」は、有職文様の一つとして古くから日本の装飾や工芸品に用いられてきました。この文様は、同じ大きさの円を縦横に重ね、網目状に連なる幾何学的なパターンです。円が無限に連鎖していく様子から、「円満」や「調和」を表し、縁起の良いデザインとして親しまれてきました。また、七宝文様には「子孫繁栄」や「家族の繁栄」といった願いも込められており、そのため婚礼や引っ越しといった祝い事の際に頻繁に使用されます。

この七宝柄は、日本において家紋や屏風、着物、建築装飾に至るまでさまざまな場面で活用されています。また、七宝という言葉そのものが「七つの宝」という仏教的な意味を持つことから、文様としての七宝柄は、家族や人間関係の豊かさ、そしてそれらが無限に広がる可能性を表しています。

宮川香斎様と真葛焼の技法

「宮川香斎」という名前は、京焼の名門である宮川家が誇る陶芸家の流れを汲んでいます。宮川家は江戸時代から続く名門で、特に「真葛焼(まくずやき)」として知られる独自の陶芸技法を受け継いできました。真葛焼は、透明感のある釉薬と複雑な装飾を特徴としており、特に色絵(いろえ)と呼ばれる多彩な釉薬を用いた作品は、国内外で高い評価を受けています。

真葛焼の技法は、江戸時代初期に京都で陶器を作り始めた宮川祐閑が、その息子である宮川治兵衛とともに発展させたものです。真葛焼は当初、京都の東山真葛ヶ原(現在の円山公園近く)で焼かれていましたが、後に横浜に移った初代宮川香山がこの技法をさらに発展させ、世界的に名を馳せるようになりました。宮川香斎家の作品は、現在も海外の美術館やコレクターに所蔵されており、日本の伝統的な美術工芸の代表例として認知されています。

色絵七宝透香炉のデザインと構造

「色絵七宝透香炉」は、その名の通り、七宝文様を施した色絵陶器であり、透かし彫りが施された美しい作品です。透かし彫り技法は、陶器の表面に細かい穴や隙間を設け、香炉から立ち昇る香りがゆっくりと空間に広がるように設計されたものです。特に茶の湯の席では、香りが重要な要素の一つとされ、静寂な空間に香炉から立ち上がる香りが、心を落ち着かせ、茶席の雰囲気を高める効果を持っています。

また、この香炉には三つの足がついている点が特徴です。三足の香炉は、古く中国から伝わり、安定性が高く、さらに「三」という数字が縁起の良いものとされていることから日本でも重宝されてきました。三足の香炉は、特に中国の霊獣である三足の蛙、青蛙神(せいあじん)に由来するとされ、豊穣や幸運を呼び込む象徴とされています。

七宝柄の縁起と香炉の役割

七宝柄の連鎖する円形は、無限の繋がりを象徴し、「円満」「調和」「ご縁」を願う縁起の良い柄です。この文様を香炉に取り入れることで、香りを楽しむ行為自体が、人々の縁や絆を深め、さらには家庭や子孫の繁栄を願うという深い意味を持つようになります。特に茶の湯の世界では、香炉は単なる香を焚く道具以上の意味を持ち、空間全体の調和や精神の浄化を象徴する重要なアイテムです。

香炉の中には灰が敷かれ、その上に炭を置き、さらにその炭の上に香木を乗せて香りを放つという仕組みです。香木が燃え上がらないよう、香りだけをゆっくりと広げるため、茶室の中で長時間にわたりほのかに漂う香りが、精神を落ち着かせ、茶席の静けさを一層引き立てます。

宮川香斎様の作品と世界的評価

宮川香斎家の作品は、伝統的な技法を忠実に守りながらも、現代的な感性を取り入れたデザインで、多くの茶道具や美術工芸品を生み出してきました。特に四代目以降の宮川香斎は、茶道具の制作において顕著な実績を挙げており、彼らの作品は国内外の美術館や個人コレクターに所蔵されています。ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)、ユネスコ日本政府代表部(パリ)など、世界的な機関にもその作品が収蔵されており、日本の伝統工芸の代表として広く知られています。本作は、日本の伝統的な七宝文様と透かし彫り技法が融合した、優れた美術工芸品です。この香炉が持つデザインは、円満や調和、繁栄を願う意味が込められており、茶の湯の世界でその価値を高めています。宮川香斎家の長い歴史と卓越した技術によって生み出されたこの香炉は、時を超えて現代に受け継がれ、日本文化の豊かさを体現する名品として人々の心を惹きつけ続けています。

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