丹波藁白釉茶盌　西端正

ご紹介

真っ白な藁白釉が醸し出す洗練された美しさ

西端正様によるこの丹波藁白釉茶盌は、真っ白な釉薬が全体を覆い、純粋で清らかな美しさを放つ作品です。その白さはまるで新雪のようであり、茶盌を包み込むような柔らかさと静けさを感じさせます。しかし、この単純な「白」という色が、この茶盌をただのシンプルなものにとどめてはいません。むしろ、白という色の中に深い奥行きと多様な表情を生み出すことで、他のどの作品とも異なる、唯一無二の存在感を持つ茶盌となっています。

三角形の面取りが生み出す造形美

この茶盌の最も際立つ特徴は、複雑で緻密な面取りが施された独特な造形美です。通常の茶盌では見られないこの精緻な面取りは、西端正様が長年にわたる研究と技術の積み重ねで生み出した革新の成果です。まるで彫刻作品のように、面取りのひとつひとつがシャープでありながら、全体として調和がとれた美しさを持ち、茶盌全体に立体的な動きをもたらしています。この複雑なフォルムが、真っ白な藁白釉と相まって、茶盌に圧倒的な存在感を与えています。

誰も挑戦したことのない大胆なデザイン

この茶盌は、誰も挑戦したことのない造形美を持つ、まさに唯一無二の傑作です。丹波焼の伝統を踏襲しつつ、これまでにないフォルムを追求した結果、作品に大胆さと革新性が見事に表現されています。面取りの角度や深さ、釉薬の流れのコントロールなど、すべての要素が絶妙に組み合わさっており、職人としての技術力と芸術的な感性が極限まで研ぎ澄まされています。このような大胆な挑戦によって生み出された茶盌は、まさしく一点物の彫刻作品のように、見る者に圧倒的な迫力を感じさせます。

圧倒的な存在感と優雅さの融合

この三角の茶盌は、その迫力ある造形美に加え、優雅で洗練された印象をも与えます。複雑な面取りが生み出す立体的な陰影は、光の加減で異なる表情を見せ、見る角度によって様々な美しさを堪能できるように設計されています。さらに、真っ白な釉薬がその形状を優しく包み込み、全体として非常にバランスのとれた美しさを持っています。この圧倒的な存在感と優雅さが同時に感じられる点こそが、この茶盌の大きな魅力であり、他にはない特別な価値を生み出しています。

実用性を備えた美しさ

この丹波藁白釉茶盌は、芸術作品としての美しさだけでなく、実用性も兼ね備えている点が注目されます。見た目の華やかさに反して、実際に手に取ってみるとその持ち心地の良さが感じられ、日常の茶の湯の時間においてもその魅力を存分に発揮します。西端正様は、あくまで「使うための器」としての機能性を忘れずに制作しており、そのため、この茶盌は茶席においても日常使いとしても違和感なく溶け込みます。見るだけではなく、使うことで初めて感じられる手触りの良さや安定感が、この茶盌をさらに魅力的なものにしています。

伝統技術と革新性の結晶

三角の茶盌は、西端正様の伝統技術と革新性の両方が結実した作品です。丹波焼の長い歴史の中で磨かれてきた技法を忠実に守りながらも、これまでにない新しい形状と美しさを追求する姿勢が、この作品に込められています。特に、真っ白な釉薬を用いたこと、そして複雑な面取りの造形は、従来の枠にとらわれない発想と高い技術力がなければ成し得ないものであり、その点において、丹波焼の新しい可能性を提示しています。

友人とともに鑑賞する愉しみ

この丹波藁白釉茶盌は、友人やお客様と共にその美しさを鑑賞したくなる作品です。特に、通常の茶盌では見られない複雑な面取りと純白の釉薬の組み合わせは、茶席において強い存在感を放ち、話題の中心となること間違いありません。茶席でこの茶盌を手に取り、その美しい面取りのラインや光の移ろいを共に味わうことで、特別な時間と感動を共有することができるでしょう。こうした作品は、単に茶の湯の道具という枠を超え、一つの芸術品として、見る者の心に強く訴えかけるものがあります。

永遠に愛される傑作

長い年月を経ても色褪せることなく、その美しさと存在感を保ち続けることでしょう。使い込むうちに、白い釉薬の表情がさらに豊かになり、独自の風合いを増していくことで、茶盌に愛着が深まります。そのため、この茶盌は日々の茶の湯のひとときに寄り添うだけでなく、代々受け継がれ、一生の宝物として大切にされる価値があります。

西端正　略歴

昭和二十三年 二月二十四日生
昭和四十四年 作陶を始める
昭和五十一年 兵庫県展奨励賞
昭和六十一年 日本伝統工芸展初入選
昭和六十三年 日本伝統工芸展入選 日本伝統工芸展日本工芸会総裁賞
平成元年 日本陶芸展入選半どんの会 乃川記念賞
平成三年 日本伝統工芸展入選 日本陶芸展入選 茶の湯の造形展大賞
平成四年 日本伝統工芸展入選 茶の湯の造形展優秀賞 兵庫県新進芸術家奨励賞 NHK主催 パリ―日本の陶芸 「今」一〇〇選招待出品 茶の湯の造形展優秀賞
平成五年 日本伝統工芸展入選 個展 そごう広島店 京都シュマン
平成六年 日本伝統工芸展入選 個展 日本橋三越本店
平成七年 日本伝統工芸展入選 個展 そごう広島店
平成八年 日本伝統工芸展入選 茶の湯の造形展優秀賞 個展 日本橋三越本店 
平成九年 茶の湯の造形展奨励賞
平成十年 日本伝統工芸展入選 個展 日本橋三越本店 日本伝統工芸展入選
平成十二年 個展 日本橋三越本店 個展 福岡三越
平成十三年 ギャラリー堂島 日本伝統工芸展入選
平成十四年 個展 日本橋三越本店 個展 ギャラリー堂島
平成十五年 個展 アメリカ・サンタフェ・タッチングストン
平成十六年 父子展 そごう広島店 茶の湯の造形展大賞
平成十七年 明石市立文化博物館・兵庫のやきもの展出品 赤土部臺買上 兵庫陶芸美術館 個展 ギャラリー堂島 日本橋三越本店
平成十八年 茶の湯の造形展大賞　日本伝統工芸展入選 ボストン美術館及び ニューヨークジャパンソサエティギャラリー 個展 横浜高島屋 アメリカ・サンタフェ・タッチングストン 父子展 松山高島屋
平成十九年 陶俊会展 そごう横浜店 茶の湯の造形展奨励賞 日本伝統工芸展入選
平成二十年 日本伝統工芸展入選 個展 横浜高島屋 日本橋三越本店 アメリカ・サンタフェ・タッチングストン 陶俊会展 船橋 西武 そごう広島店 日本陶芸展招待出品
平成二十一年 個展 ギャラリー堂島 仙台三越
平成二十二年 そごう神戸店 智美術館大賞展現代の茶 出品 個展 横浜高島屋 アメリカ・サンタフェ・タッチングストン
平成二十三年 日本陶芸展招待出品 個展 アメリカ・ニューヨーク・ジョーンBマービス 日本陶芸展招待出品
平成二十五年 菊池寛実記念智美術館『現代の名碗”出品 個展 日本橋三越本店 アメリカ・サンタフェ・タッチングストン ギャラリーミヤザキ そごう神戸店 千葉そごう
平成二十六年 個展 個展 日本橋三越本店
平成二十七年 兵庫県文化賞受賞
平成二十八年 東広島市立美術館 生活を彩る陶―食の器 出品 アメリカ・ニューヨーク・ジョーンBマービス
平成二十九年 四十周年記念展出品 
平成三十年 個展 日本橋三越本店