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天目釉香炉 岡田優

天目釉香炉 岡田優

通常価格 $1,368.00
通常価格 セール価格 $1,368.00
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幅 : 11.2cm  高さ : 13.0cm

天目釉香炉(てんもくゆう こうろ) 岡田優様作
――「漆黒の宙に星屑を散らし、三脚が月光を透かす—夜の息づかいを薫らせる小さな炉」


1. 作品概観

還元炎の中で育った鉄釉が、黒瑠璃の奥から銀蒼の微光を放ちます。胴と蓋に刻まれた段削りは六条──山稜を重ねる夜雲のリズムを想わせ、その稜線に走る薄紅の火間(ひま)が闇へ温度を添えています。蓋摘みは細身の塔のように立ち上がり、香煙が立ちのぼる導線を静かに示唆。三脚の脚先が卓上に影を落とし、まるで香雲が器下から湧き出るかのような浮遊感を演出します。


2. 造形と意匠

蓋摘み 細筒を伸ばした端正な摘み。 指先がすっと掛かり、炉内の炭団を調える所作が安定。
六段の胴 均整の取れた段削りで光と影を階層化。 香炉灰の高さを段で測りやすく、香木を正確に置ける。
天目釉の銀砂 表層に鉄晶が析出し銀灰を散らす。 蝋燭や行灯の灯りを受け、香煙とともに静かにきらめく。
三脚(さんきゃく) 布袋足状の小さな脚でやや浮かせる。 置き跡の熱が籠りにくく、影が生まれて幽玄を強調。


3. 天目釉窯変の景色

銀灰の星屑:灯りに応じて微細な鉄晶が瞬き、夜空を思わせる。

薄紅のハイライト:段の稜線に赤紫がわずかに滲み、闇中に温かな脈動をもたらす。

梨地の肌理(きめ):マットと艶が共存する触感が手に心地よい冷温を伝える。


4. 制作への眼差し

岡田優様は「風景を器形に写す」理念のもと、炭山の夜空と山影をこの香炉へ凝縮しました。段削りは重なりあう稜線、銀砂は瞬く星光、薄紅の火間は薪窯の炎と暁光。香を焚けば、煙が星雲となって段を這い、三脚の影が月の位相を映す——そんな静かな物語が生まれます。


5. 結び

夜空の深みと星屑の輝きを宿した天目釉香炉。焚きしめた香木が銀灰の釉を透かし、ゆらぐ煙とともに席中に幽玄を呼び込みます。一炷ごとに変わる光と香の重なりを、どうぞ末永くお愉しみください。

略歴  
京都、清水五条に生まれる  
京都府立陶工訓練校成形科、京都市立工業試験場研修生を経て  
走泥社同人河島浩三氏の下で三年間陶技全般を学ぶ  
1987年、宇治市炭山にて独立、築窯  
2018年より 日本伝統工芸近畿展、鑑査審査委員  
2022年 日本伝統工芸陶芸部会展、鑑査審査委員

〈主な入選〉  
日本伝統工芸展、日本陶芸展  
菊池ビエンナーレ、  
茶の湯の現代展  
長三賞陶芸展、陶美展、  
益子陶芸展、  
伊丹国際クラフト展  
萩大賞展、  
神戸ビエンナーレ  
現代陶芸コンペティション、等

〈主な受賞〉  
1998年、使ってみたい北の菓子器展(優秀賞)  
2002年、京焼、清水焼展(KBS京都放送賞)  
2003年、BONSAIの器展(奨励賞)  
2008年、日本伝統工芸近畿展(日経新聞社賞)  
2009年、おおたき北海ライブ陶器展(NHK放送賞)  
2010年、おおたき北海ライブ陶器展(北海道新聞社賞)  
2012年、京都美術工芸ビエンナーレ(大賞)  
2013年、日本伝統工芸陶芸部会展(日本工芸会賞)  
 神戸ビエンナーレ現代陶芸展(準大賞)  
2014年、光州ビエンナーレ招待出品  
2016年、大阪工芸展(美術工芸大賞)  
2019年、大阪工芸展(準大賞)  
2022年、有田国際陶磁展(大賞、文部科学大臣賞)、等

現在、公益社団法人日本工芸会正会員、陶芸美術協会会員
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