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鉄釉窯変片口 岡田優

鉄釉窯変片口 岡田優

通常価格 $228.00
通常価格 セール価格 $228.00
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幅 : 12.0cm  高さ : 10.3cm

鉄釉窯変片口(てつゆう ようへん かたくち) 岡田優様作
――「深宵の湖面に月の薄衣を纏わせ、ひと筋の水脈を静かに導く」


作品概観

闇のように沈む鉄釉──その表層には、還元炎が残した銀青の微光が霧のように漂い、見る角度で薄紫や緑灰の虹彩を忍ばせています。控えめに伸びた嘴(くちばし)は月舟の舳先さながら繊細で、注ぐ所作に優雅な起伏をもたらします。丸みと絞りを兼ね備えた胴は湯冷ましにも酒器にも最適の容量。一器に夜の静謐と揺らぐ光を封じ込めた片口です。


造形の見どころ

嘴(くちばし) わずかに反り上がり、極細の酒筋・湯筋を生む。 雫切れが良く、卓を汚しにくい。
口縁 全周を薄く挽き、指先に柔らかく触れる。 片手持ちでも液面の揺れが穏やか。
胴のライン 上部はふっくら丸み、下部に向けて緩やかに絞り込む。 掌に収まりよく、湯冷まし時の熱が均一に落ちる。
高台 低く据え、黒釉未施釉で締め色に。 安定感が高く湯煎・氷締めにも対応。


鉄釉窯変の景色

銀青の霞
表層の鉄晶が銀蒼に光り、薄雲が月を覆う夜空を想起させる。

紫紅のハイライト
口縁と肩の稜線にわずかな赤紫が滲み、闇に温もりの息吹を吹き込む。

マット梨地
触れれば細かな結晶粒がわずかに指に残り、手馴染みと保温性を向上。


作家のまなざし

京都・清水五条坂の伝統を礎としつつ、宇治・炭山の夜気を映す岡田優様。本片口は「風が器の内外をゆったり吹く」という信条のもと、鉄釉の闇で静寂を、銀青の窯変で星屑を、嘴の細流で風の道筋を描写しました。注がれる湯や酒が星明かりを携え、器から器へと静かに移ろいます。


結び

星影を湛える黒瑠璃の片口を掌に、そっと傾ければ、銀青の微光が盃や茶碗へ滑り込み、夜の静けさがひとすじの水音とともに広がります。鉄釉窯変片口は、季節の酒・湯・出汁に深い余韻を添える伴侶として、末永くご愛用ください。

略歴  
京都、清水五条に生まれる  
京都府立陶工訓練校成形科、京都市立工業試験場研修生を経て  
走泥社同人河島浩三氏の下で三年間陶技全般を学ぶ  
1987年、宇治市炭山にて独立、築窯  
2018年より 日本伝統工芸近畿展、鑑査審査委員  
2022年 日本伝統工芸陶芸部会展、鑑査審査委員

〈主な入選〉  
日本伝統工芸展、日本陶芸展  
菊池ビエンナーレ、  
茶の湯の現代展  
長三賞陶芸展、陶美展、  
益子陶芸展、  
伊丹国際クラフト展  
萩大賞展、  
神戸ビエンナーレ  
現代陶芸コンペティション、等

〈主な受賞〉  
1998年、使ってみたい北の菓子器展(優秀賞)  
2002年、京焼、清水焼展(KBS京都放送賞)  
2003年、BONSAIの器展(奨励賞)  
2008年、日本伝統工芸近畿展(日経新聞社賞)  
2009年、おおたき北海ライブ陶器展(NHK放送賞)  
2010年、おおたき北海ライブ陶器展(北海道新聞社賞)  
2012年、京都美術工芸ビエンナーレ(大賞)  
2013年、日本伝統工芸陶芸部会展(日本工芸会賞)  
 神戸ビエンナーレ現代陶芸展(準大賞)  
2014年、光州ビエンナーレ招待出品  
2016年、大阪工芸展(美術工芸大賞)  
2019年、大阪工芸展(準大賞)  
2022年、有田国際陶磁展(大賞、文部科学大臣賞)、等

現在、公益社団法人日本工芸会正会員、陶芸美術協会会員

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