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青瓷盃  多賀井正夫

青瓷盃  多賀井正夫

通常価格 $137.00
通常価格 セール価格 $137.00
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税込。 配送料はチェックアウト時に計算されます。

幅 : 8.8cm×8.8cm  高さ : 3.5cm

作品概要

本作は、多賀井正夫様が制作された**青瓷盃(せいじはい)**でございます。浅くひらいた蓮弁のようなフォルムが特徴で、広がりのある口縁が酒面に映り込む光を柔らかくとらえ、涼感と優雅さを同時に演出いたします。


造形

項目 特徴 鑑賞の要点
フォルム 胴部を低く抑えた浅鉢形。高台に向かって控えめに絞り込み、水平に近い口縁が開放感を生みます。 上から見下ろすと正円を保ちつつ、側面では張りのある曲線が生む蓮葉のような曲面が味わえます。
高台 小振りながらもくびれを持たせた碁笥底風。わずかな影が器全体の軽やかさを強調。 高台脇の鉄発色が青磁の穏やかな青を引き締め、視線を下部へ導きます。
口縁 極薄の鉄巻き(薄茶濃鉄)が走り、青と茶の対比が器の輪郭を際立たせます。 飲み口の滑らかさと緊張感が同居し、唇への当たりがたいへん柔らかです。

釉調

雨過天青の色彩
還元焼成により発色した淡青は、北宋汝窯を思わせる潤いある透明感を帯びております。光を受けると淡いグラデーションが生まれ、見込み中央に映る光輪が水鏡のような趣を添えます。

鏡面質感と貫入抑制
素地と釉薬の膨張率を精密に合わせ、貫入を極力排除。これにより口当たりは滑らかで、酒質を変質させずに愉しめます。

釉厚コントロール
見込み中央をやや厚掛けに、口元を薄く仕上げることで、淡く透ける青の層次が生まれ、器の奥行きを感じさせます。


用途と愉しみ方

シーン 愉しみ方 演出のヒント
冷酒・薄酒 広い口縁により酒の香りが立ち上がりやすく、吟醸酒や果実酒に最適です。 冷酒を注いだ瞬間、光が見込みに反射して水面の輪郭を描きます。
茶席の飾り盃 羊羹や季節の干菓子を添え、客前に静置して涼趣を演出。 短冊や花と合わせ、青瓷の青が掛物の墨色と響き合う配置が効果的です。
室礼(しつらえ) 書斎や玄関先のニッチに置き、自然光や間接照明で釉面の光を楽しむ。 少量の水を張り、若葉や香花を浮かべると静かな水景が現れます。

歴史的背景

青瓷盃は、中国宋代の文人たちが愛した酒器に端を発し、日本では鎌倉期以降、禅僧がもたらした唐物として珍重されました。桃山期には茶の湯文化の広がりとともに**「涼を呼ぶ器」**として位置づけられ、夏の風炉点前などで用いられました。本作は、その文脈を踏まえつつ現代の美意識に調和するよう設計されています。


作家略歴と技法

多賀井正夫様(大阪在住)

中国古陶磁の調査を基礎に、独自配合の青瓷釉を研究。

**「掌に宿る静謐」**をテーマに、盃・振出・香炉など小品を中心に制作。

多賀井様は試作を重ね、「光を映す青」を追究されております。


本作「青瓷盃」は、浅鉢形のひらきによる解放感。雨過天青の潤いが生む涼味。鉄巻きの細縁が与える静かな緊張。これらが絶妙なバランスで共鳴し、酒席・茶席・室礼のいずれの場面でも空間に瑞々しい静けさをもたらします。多賀井正夫様の高度な技術と深い美意識が凝縮された小宇宙を、どうぞ長くご愛玩くださいませ。

多賀井正夫様 陶歴
1970 大阪府岬町に生まれる  
1998 陶芸を志す  
2001 日本伝統工芸近畿展 入選  
2002 朝日陶芸展 川崎記念賞 受賞  
2005 日本伝統工芸近畿展 新人賞 受賞  
2007 大阪工芸展 大阪市長賞 受賞  
2009 日本伝統工芸展 入選  
2013 日本陶芸展 入選  
2014 現代茶陶展 入選  現在形の陶芸萩大賞展 入選  美濃茶盌展 入選  
2016 大阪府岬町に築窯  
2017 陶美展 入選(以降 18・19・20・22・23・24)  
2019 日本工芸会 正会員となる  
2025 日本伝統工芸近畿展 日本経済新聞社賞 受賞  
現在  
 日本工芸会 正会員  
 日本陶芸美術協会 正会員  
 大阪工芸協会 正会員  

多賀井正夫様との対談 – 高級陶器の専門店【甘木道】

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    作品により貫入などによる、茶碗への染み込みが発生することがございますが、それも経年変化の味わいとしてご理解いただきますようお願いいたします。

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