薬師寺東塔基壇土　鉄釉茶碗　尾西楽斎

幅 : 11.2cm   高さ :6.9cm

尾西楽斎様が手がけた薬師寺東塔基壇土鉄釉窯変茶碗は、薬師寺東塔の基壇から採取された貴重な土を使用し、鉄釉の美しい表情が際立つ特別な茶碗です。この茶碗は、歴史的な土と卓越した技術が織りなす、唯一無二の芸術作品です。

薬師寺東塔基壇土の使用

この茶碗には、薬師寺東塔の基壇からいただいた土が使われており、その歴史的背景が作品に深みを与えています。土そのものが持つ独特の風合いと、鉄釉との組み合わせが、この茶碗に特別な価値を生み出しています。

鉄釉の美しい表情

鉄釉は、酸化鉄が含まれるために単なる真黒ではなく、複雑で奥深い色合いを生み出します。還元焼成により、薪の小さな登り窯で焼かれたこの茶碗は、鉄釉の表情が非常に豊かで、灰が降りかかり釉薬が流れ落ちる過程で、土の色が微妙に現れます。この鉄釉の変化が、茶碗全体に生き生きとした美しさを与えています。

窯変の複雑な魅力

この茶碗の窯変は、薪窯で焼かれる過程で自然に生じるものであり、まるで自然が描いた絵画のような独特の景色を作り出します。鉄釉が溶けて流れ落ちることで現れる複雑な色合いは、見る角度によって異なる表情を見せ、鑑賞する者を飽きさせません。

歴史と自然の融合

尾西楽斎様による薬師寺東塔基壇土鉄釉窯変茶碗は、歴史的な土と自然の力が融合した、まさに芸術の粋とも言える作品です。鉄釉の奥深い色彩と、窯変が生み出す自然な景色が、茶席に静謐な美をもたらします。この茶碗は、歴史の重みと自然の美が織りなす、唯一無二の逸品として、一生愛され続けることでしょう。12