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乾山写し雪松之絵酒呑 宮川香斎

乾山写し雪松之絵酒呑 宮川香斎

通常価格 ¥77,000
通常価格 セール価格 ¥77,000
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高さ :7.5cm  幅 : 6.5cm

「乾山写し雪松之絵酒呑」は、宮川香斎家が手がけた京焼の逸品であり、乾山写しの伝統技法を用いた高級感あふれるぐい呑みです。雪景色の中にそびえ立つ松が描かれ、その白い雪と緑の松の対比が、冬の厳しさと自然の美しさを見事に表現しています。このぐい呑みは、手に馴染むサイズ感と実用性を兼ね備えた作品であり、酒を注ぐたびにその美しい絵柄が目に飛び込んできます。日本酒を楽しむ時間を、さらに優雅で豊かなものにしてくれる、特別な器と言えるでしょう。

雪と松の象徴する意味

ぐい呑みに描かれた「松」と「雪」は、ただの風景描写ではなく、深い象徴性を持っています。松は、常緑樹として年中青々と茂り、古来より日本では不老長寿や繁栄の象徴とされています。一方で、雪は新しさと清浄を表し、冬の静寂の中で自然が見せる力強さを示唆しています。この二つの要素を組み合わせることで、器に込められた意味がより深く感じられるのです。松の青々とした枝に積もる雪のコントラストは、自然界の繊細な美しさと力強さを同時に表現しており、日本の四季を愛する心が伝わってきます。

このように松と雪が描かれた「乾山写し雪松之絵酒呑」は、冬の朝の冷たさと清々しさを一瞬で思い起こさせます。器を持つ人は、酒を飲むたびにその季節感を楽しむことができるでしょう。日本文化において、松は「めでたい」象徴としても知られており、新年や祝い事の席において特に重んじられるモチーフです。この作品も、そうした吉祥の意味を込めて作られており、使う人に福を呼び込むものとされています。

ぐい呑みとおちょこの違いと酒席での役割

ぐい呑みとおちょこは、どちらも日本酒を飲む際に使用される酒器ですが、その形状や用途には微妙な違いがあります。おちょこは比較的小さく、軽量で一口、二口で酒を飲み干すための器として使用されることが多いです。一方で、ぐい呑みはやや大きめで、深さもあり、手にしっくりと馴染む重厚感が特徴です。「乾山写し雪松之絵酒呑」は、典型的なぐい呑みの形状を持ち、手取りの良さとともに、器に描かれた精緻なデザインをゆっくりと眺めながら酒を楽しむことができます。酒呑は、特に手に取ったときの感触が軽く、酒を飲む際の動作が滑らかで快適です。酒席では、その優美なデザインが会話の話題にもなり、器を通して日本の伝統や美意識について語り合う場面も想像できます。酒器はただの飲むための道具ではなく、その形状やデザイン、そして手に触れる感覚までもが日本酒を楽しむ重要な要素となるのです。

乾山写しの技法と意義

「乾山写し」とは、江戸時代の名工・尾形乾山が生み出した独自の京焼の技法を受け継ぎつつ、再解釈した作品群のことを指します。乾山は、京焼の祖である野々村仁清から学び、洗練された技法と自由で大胆なデザインを組み合わせた作風で知られています。乾山の作品には、無駄のないシンプルさと、巧みな色彩表現が特徴的で、そのスタイルは今日まで多くの陶芸家に影響を与えています。兄の尾形光琳との共同作品でも知られ、琳派の華やかさと自由な表現を京焼に取り入れ、時代を超えて愛されています。

「乾山写し雪松之絵酒呑」にもその影響が色濃く反映されており、乾山の作風を写しつつ、宮川香斎ならではの新しい解釈を加えた作品となっています。「写し」という言葉には、単なる模倣ではなく、過去の技術を取り入れた上で新しいものを創造するという意味が込められており、乾山写しはまさにその精神を体現しています。現代においても乾山の技法は脈々と受け継がれており、宮川香斎もその伝統を継承しつつ、独自の美を追求しています。

真葛焼の伝統技術とワラ灰釉

真葛焼は、京焼の中でも特に豊富な技法と高い技術で知られており、色絵、染付、金彩など多様な技術が使われていますが、中でも特に際立つのが「ワラ灰釉」という釉薬技法です。宮川香斎家が代々継ぎ足しながら使用してきたこのワラ灰釉は、器全体に柔らかで温かみのある質感を与え、その表面にふっくらとした気品をもたらします。この技法により、「乾山写し雪松之絵酒呑」は、ただ絵柄が美しいだけでなく、手に触れたときの感触や見た目の質感でも優れた存在感を放っています。

ワラ灰釉は、もともと京焼の祖である野々村仁清が使用していた技法の一つで、宮川家ではその技法をさらに発展させ、真葛焼の重要な要素として受け継いできました。この釉薬の魅力は、その土によって微妙に異なる色合いを見せる点にあります。同じ釉薬を使用しても、土の質により、赤みを帯びた温もりのある色や、涼やかな青白い色に変化し、それぞれが異なる雰囲気を醸し出します。「乾山写し雪松之絵酒呑」においても、この釉薬が使われており、独特の柔らかさと高貴さが感じられます。

宮川家と真葛焼の歴史

宮川家の陶芸の歴史は、江戸時代初期にさかのぼります。1684年頃、初代宮川小兵衛政一が京都の知恩院門前で陶芸を始めたことから、宮川家の歴史は始まりました。以降、茶の湯や煎茶の道具を中心に、時代に応じた作品を作り続け、今日に至るまで330年以上にわたってその伝統を守りながらも進化してきました。

特に、真葛焼は宮川家の中でも重要な技法であり、京都の東山真葛ヶ原に窯を開いたことからその名がつきました。代々、宮川家は京焼の伝統を継承しつつ、新しい技法を取り入れながら、独自の美を追求してきました。宮川家の作品は、茶道や煎茶道の愛好家だけでなく、近年では海外のコレクターや美術館にも高く評価されています。

海外での評価と未来への展望

宮川香斎家の真葛焼は、国内だけでなく、アメリカやイギリス、フランス、中国など、海外でも多くのファンを魅了しています。ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)やユネスコ日本政府代表部(パリ)など、名だたる機関にも作品が収蔵され、その芸術性は国際的に高い評価を受けています。真葛焼の持つ華やかさと気品、そして日本独自の伝統技術に支えられた美は、世界中で評価されています。

「乾山写し雪松之絵酒呑」もまた、そうした宮川家の作品の一つであり、その繊細なデザインと緻密な技術は、今後も国内外で広く愛され続けることでしょう。宮川香斎家は、長い伝統を継承しつつも、現代の感性に応じた作品を生み出し続けており、未来に向けた新たな展開が期待されています。

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