幅 : 15.3cm 高さ :19.0cm
釉泥彩水指 竹村陽太郎様：現代の感性と伝統の調和が生み出す鮮やかなグラデーション
竹村陽太郎様が手掛ける「釉泥彩水指」は、彼の独自の感性が色濃く反映された作品です。伝統的な清水焼の技法を踏まえつつも、現代のポップアートやグラフィティを思わせる鮮やかな色使いが斬新で、見る者を引きつける魅力を持っています。特に、この水指における赤から黒への美しいグラデーションは、竹村の技術と創造力の結晶です。
鮮やかな色彩と大胆な表現
釉泥彩シリーズは、竹村陽太郎様が清水焼の伝統を尊重しながら、現代的な感覚を取り入れた独自の作品群です。このシリーズでは、赤から黒へと移り変わるグラデーションが特に印象的で、陶器の表面に繊細な色彩の変化を生み出しています。これを実現するために、竹村陽太郎様はエアスプレーを使って釉薬を吹き付ける技法を用いています。スプレーによる釉薬の微妙な重なりが、見る者に鮮烈な印象を与え、ポップアートやグラフィティのような大胆な色使いが新鮮さを感じさせます。
この釉薬の吹き付けによる技法は、竹村陽太郎様が長年追求してきたものであり、器全体に立体感と深みを与えています。スプレー技法による繊細な模様と、赤から黒への色の変化が生み出すダイナミックな表現は、伝統的な茶道具の枠を超えた、アート作品としての価値を高めています。
「大日窯」の歴史と竹村陽太郎の革新
竹村陽太郎様が活動する「大日窯（だいにちがま）」は、京都・山科区に位置し、清水焼の伝統が色濃く残る地域に根付いた窯元です。この窯元は父である繁男さんが40年以上前に開窯し、親子二代にわたって営まれています。窯元としての深い歴史を持ちながらも、その伝統を守りつつ、独自の感性を生かした革新を続けています。
器の形に合わせて道具を自作するなど、制作に対して一切の妥協を許しません。使用される釉薬も、独自に調合したものを用いており、植物灰ではなく化合物を調合した釉薬による独自の表現が彼の作品の特徴です。特に、この釉泥彩シリーズでは、鮮やかなコーラルレッドやブラック、セルリアンブルーなどの大胆な色彩が使われ、釉薬を吹き付けることで、ストライプ模様やざらりとした手触りが生み出されています。
色彩豊かな釉泥彩水指の美しさ
竹村陽太郎様の「釉泥彩水指」は、赤から黒へと変化する美しいグラデーションが、器全体に優雅な表情を与えています。このグラデーションは単に視覚的に美しいだけでなく、技術力が詰まった独自の表現です。釉薬が流れるような滑らかさと、色彩の深みが際立っており、その繊細な表現は見る者を魅了します。器としての実用性を持ちながらも、アートピースとしての存在感が強く、茶道具の一つとしても、現代の陶芸アートとしても高く評価されています。
挑戦と革新
竹村陽太郎様は、父・繁男さんから受け継いだ清水焼の伝統を尊重しつつも、常に新しい表現を模索し続けています。特に、釉薬の調合や独自の装飾技法において、作品には現代的な感覚が鮮烈に表現されています。赤から黒へと変化するグラデーションは、追求している伝統と革新の融合を象徴しており、釉泥彩シリーズ全体にわたってその美学が感じられます。
「大日窯」の作品は、国内外の茶道具愛好家や美術愛好家に高く評価され、今や京都を代表する陶芸家の一人として注目されています。釉泥彩水指は、その中でも特に人気が高く、感性と技術が一体となった一品として、今後もさらなる評価が期待されています。
釉泥彩水指：伝統と現代の美が調和する名作
竹村陽太郎様が手掛ける「釉泥彩水指」は、伝統と現代の感覚が見事に調和した名作です。赤から黒へと移り変わる美しいグラデーションが、器全体に独特の表情を与え、見る者を魅了します。この作品は、茶道具としての実用性を持ちつつも、アートとしての価値も高く、陶芸家として追求する革新性と技術の高さが表現されています。
「大日窯」の歴史とともに、今後も陶芸の新たな可能性を切り開いていくことでしょう。その作品は、伝統的な枠にとらわれず、常に進化し続ける美の象徴となっています。
竹村陽太郎 略歴
1981年 京都山科に生まれる
2009年 京都府立陶工高等技術専門校 成形科修了
2010年 京都市工業試験場 陶磁器研修コース修了 大日窯にて父、繁男と共に作陶を始める
2011年 第四十回『日本伝統工芸近畿展』入選
国民文化祭 京都2011・美術展「工芸」奨励賞受賞
2012年 第四十一回『日本伝統工芸近畿展』入選
京都美術・工芸ビエンナーレ入選
2013年 第四十二回『日本伝統工芸近畿展』入選
高島屋京都店・美術工芸サロンにて個展
2014年 第四十三回『日本伝統工芸近畿展』入選
2015年 第四十四回『日本伝統工芸近畿展』入選
2016年 第四十五回『日本伝統工芸近畿展』入選
