灰釉花入 竹村陽太郎
灰釉花入 竹村陽太郎
幅 : 12.5cm 高さ :23.5cm
灰釉花入(かいゆうはないれ) 竹村陽太郎様:自然と力強さの融合
竹村陽太郎様の「灰釉花入」は、まるで大地のひび割れを再現したような白い陶器に、緑の釉薬が大胆にかけられた独特の作品です。この作品は、灰釉の力を最大限に引き出し、自然から生まれる美と人の手による技の見事な融合を体現しています。色彩の鮮やかさ、安定した形状が見事に調和し、花を入れなくてもその存在感は際立ちます。
安定感のある形状と繊細な表現
「灰釉花入」の形状は安定感に満ちています。しっかりとしたベースに支えられた筒状のフォルムは、観る者に安定した安心感を与え、同時にその繊細な表現が作品全体を引き締めています。このフォルムは一見シンプルでありながらも、複雑な釉薬のかけ方と大地を想起させる白い表面が、自然の力と芸術の繊細さを象徴しています。
白と緑の色彩の大胆さ
白くひび割れたような陶器の表面に、大胆にかけられた緑の釉薬が「灰釉花入」の最も印象的な部分です。白は大地、緑は植物の生命力を象徴しており、この対比が作品に力強い表情を与えています。緑の釉薬はまるで自然に流れ落ちる水のように大胆にかけられており、ランダムなひび割れ模様とともに、自然の偶然性を感じさせます。色彩の鮮やかさと形の美しさが調和し、花を生けることでより一層その魅力が際立ちます。
灰釉の魅力と歴史
灰釉(かいゆう)は、自然界の草木灰を溶媒として使用する釉薬で、古くから日本の陶芸で使用されてきた伝統的な技法です。この灰釉を巧みに活かし、伝統と現代の融合を試みています。窯に木をくべることで生まれる自然な灰が、陶器の表面にガラス質の釉薬となって現れる「自然釉」は、まさに自然の力をそのまま作品に封じ込めた技術です。
灰釉には、使う草木によってさまざまな表現が可能で、イス灰類、土灰類、藁灰類など、多様な釉薬が存在します。これらの灰釉が持つ色彩や質感の変化を自由に操る竹村の技術は、灰釉の可能性を最大限に引き出しています。
竹村陽太郎様と「大日窯」
山科区の「大日窯」で育った竹村陽太郎は、父・繁男様と共に、この窯元を運営しています。大日窯は、南大日山山麓に位置し、草木灰を使った釉薬など、自然と伝統を大切にした作風が特徴です。竹村陽太郎様は、灰釉や吹き掛け技法などを用いた現代的な作品を生み出し、新しい陶芸の可能性を追求しています。
竹村陽太郎様の作品に使われる道具は、自らの手で作り出され、作品の形状に最適なものが使用されます。技術は、自然素材を取り入れつつも、化合物を調合した釉薬を用いるなど、伝統を尊重しつつ現代の技術を巧みに取り入れた新鮮な作風が光ります。
自然と現代の融合による芸術作品
竹村陽太郎様の「灰釉花入」は、自然と人の手の技が見事に融合した現代陶芸の代表作です。灰釉のもたらす自然な質感と、緑の釉薬の鮮やかさが、作品全体に力強さと繊細さをもたらしています。この作品は、花を入れなくてもその美しさが際立ち、現代の名作として多くの人々に愛されることでしょう。
「灰釉花入」は、自然の素材を使いながらも、人間の手によるデザインがしっかりと反映された芸術作品であり、竹村陽太郎の独自の視点と技術の融合が感じられる一品です。
竹村陽太郎 略歴
1981年 京都山科に生まれる
2009年 京都府立陶工高等技術専門校 成形科修了
2010年 京都市工業試験場 陶磁器研修コース修了 大日窯にて父、繁男と共に作陶を始める
2011年 第四十回『日本伝統工芸近畿展』入選
国民文化祭 京都2011・美術展「工芸」奨励賞受賞
2012年 第四十一回『日本伝統工芸近畿展』入選
京都美術・工芸ビエンナーレ入選
2013年 第四十二回『日本伝統工芸近畿展』入選
高島屋京都店・美術工芸サロンにて個展
2014年 第四十三回『日本伝統工芸近畿展』入選
2015年 第四十四回『日本伝統工芸近畿展』入選
2016年 第四十五回『日本伝統工芸近畿展』入選
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