釉泥彩花入 竹村陽太郎
釉泥彩花入 竹村陽太郎
幅 :8.5cm 高さ :21.0cm
碧釉花入 竹村陽太郎様:現代陶芸の名作
「碧釉花入」は、伝統的な清水焼の技法を受け継ぎながらも、現代的な感性で彩られた優れた作品です。筒状の安定感ある形状と、薄い青色が特徴で、その青色はまるでソーダのような透明感を持ち、みずみずしい輝きを放っています。この花入れは、花を入れなくともそのまま美しく、観賞用としても十分な存在感を持つ一品です。
形の美しさと安定感
碧釉花入の形状は、筒状のデザインがしっかりとした安定感を保ちつつ、上品なフォルムを兼ね備えています。竹村陽太郎様の作品は、機能性と美しさを融合させたデザインが特徴で、この花入れもその例外ではありません。花を挿しても自然に調和することはもちろん、花を挿さなくてもその造形美だけで鑑賞者を魅了する完成度の高さを誇ります。
みずみずしい青の色彩
この花入れの最大の特徴は、その美しい青色です。薄い青色は、まるでソーダのような透明感とみずみずしさを持ち、いつまでも見ていたくなるような魅力があります。竹村陽太郎様の釉薬技法によるこの青色は、自然なグラデーションを持ち、光の当たり方によって表情が変わります。この色彩の鮮やかさは、花を生けることでさらに引き立ち、空間に清涼感を与えます。
鮮やかさと力強さの調和
「碧釉花入」は、一見繊細な印象を与えるものの、その鮮やかな色彩には力強さが感じられます。竹村陽太郎様は、伝統と現代の要素を巧みに融合させ、力強さと繊細さが絶妙にバランスした作品を作り上げています。抹茶碗や他の器と同様、この花入れもその美しいフォルムと色彩の調和が評価され、現代の名作とされています。
竹村陽太郎様と「大日窯」
父・竹村繁男様とともに京都・山科区にある「大日窯(だいにちがま)」を運営しています。窯元としての伝統を受け継ぎながら、個人作家としても独自の表現を追求している竹村陽太郎様の作品は、現代陶芸の最前線で活躍しています。「大日窯」は、京都の伝統工芸の中心地である山科区に位置し、草木を焼いた灰から作る釉薬や、色彩豊かなグラデーションを活用した作品で知られています。
竹村陽太郎様の作風は、伝統的な清水焼の技術を基盤にしながら、現代的な感性や技法を取り入れているのが特徴です。例えば、植物灰ではなく化合物を調合した釉薬を使用するなど、独自の技術を積極的に取り入れることで、モダンで斬新な作品を生み出しています。
結び:現代の名作としての「碧釉花入」
竹村陽太郎様の「碧釉花入」は、その美しい筒状のフォルムと、みずみずしい青の色彩で観る人の心を惹きつけます。花を入れなくても美しさが際立つこの花入れは、繊細でありながら力強さを持つ、現代陶芸の名作として高く評価されています。作品は、伝統に基づきつつも、独自の技術と感性で新しい表現を追求しており、この花入れもその代表的な一例です。「碧釉花入」は、伝統と革新が調和した一品であり、その美しさは時代を超えて愛され続けることでしょう。
竹村陽太郎 略歴
1981年 京都山科に生まれる
2009年 京都府立陶工高等技術専門校 成形科修了
2010年 京都市工業試験場 陶磁器研修コース修了 大日窯にて父、繁男と共に作陶を始める
2011年 第四十回『日本伝統工芸近畿展』入選
国民文化祭 京都2011・美術展「工芸」奨励賞受賞
2012年 第四十一回『日本伝統工芸近畿展』入選
京都美術・工芸ビエンナーレ入選
2013年 第四十二回『日本伝統工芸近畿展』入選
高島屋京都店・美術工芸サロンにて個展
2014年 第四十三回『日本伝統工芸近畿展』入選
2015年 第四十四回『日本伝統工芸近畿展』入選
2016年 第四十五回『日本伝統工芸近畿展』入選
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