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片口刷毛目〈大・五客組〉 高橋道八

片口刷毛目〈大・五客組〉 高橋道八

通常価格 $1,135.00
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幅 : 約15cm 高さ : 約5cm

片口刷毛目〈大・五客組〉 ――九代 高橋道八様

柔らかな鼠灰(ねずはい)の釉に白刷毛目が大胆に走り、片口の小さな嘴(くちばし)が愛らしいアクセントとなった五客組の中鉢でございます。以下、五つの観点から本作の魅力を詳しくご紹介いたします。


1.造形美 ―「片口」が生むリズムと実用性

直径およそ15 cmほどの程よい掌サイズに、低い立ち上がりとゆったりとした見込みを備えた盃形の器形です。片口ならではの突出部が五客それぞれの向きを変えることで、卓上にリズミカルな動きを生み出します。盛り付けの際は液だれしにくく、酢の物やドレッシング、出汁を添える小向付として幅広くお使いいただけます。

2.釉調と刷毛目 ― 灰釉×白泥が描く動勢

胎土を灰釉で包み込み、その上からやや乾き気味の白泥を太刷毛で円弧状に一気に引く「刷毛目」技法を採用しています。灰釉のしっとりとした光沢に白泥が粗く絡み、動きのある筆致が器面に残ることで、素朴さと躍動感を同時に感じさせます。焼成後に現れる鉄粉やほのかな火色が、灰釉の静かな色味に温もりを添えております。

3.片口の嘴 ― 機能美を宿す小さな彫塑

小さな嘴は、内側をえぐって薄く仕上げることで液切れの良さを追求しております。鉢を傾けた際、刷毛目の白が流体の軌跡と重なり合い、視覚的にも“注ぐ所作”を引き立ててくれます。五客が揃うと、それぞれの嘴が異なる方角を指し、まるで五弁の花が開くような華やぎが生まれます。

4.技法 ― 轆轤挽きと即興の筆勢

胎土を薄手に轆轤成形し、素焼後に白泥を即興的に刷毛で引くことで、一客ごとに筆勢の個性が出る一点物の趣を保っています。透明灰釉を本焼成で溶着させる際、刷毛目部分に釉が薄く掛かるため、白泥がわずかにざらつき、手触りと視覚の双方で“土の息づかい”を感じられる仕上がりです。

5.歴史的・文化的背景 ―「刷毛目」と民芸の継承

刷毛目は朝鮮・李朝末期の粉青沙器から日本へ伝わり、江戸期の楽焼や各地の民窯で愛好された技法です。大胆な筆致がもたらす“即興の美”は、柳宗悦らが提唱した民芸運動でも高く評価されました。高橋道八様は京焼色絵の名門でありながら、こうした素朴技法を取り込み、現代の食卓に馴染む洗練へと昇華されております。

高橋道八家は江戸後期以来、京焼色絵の名門として知られます。九代様は京都文教短期大学 服飾意匠学科デザイン専攻を経て、京都府立陶工高等技術専門校 成形科・研究科、さらに京都工業試験場本科で技術基盤を固められました。

平成8年(1996年) 八代道八様(父)に師事し、本格的に作陶を開始

平成24年(2012年) 九代 高橋道八を襲名

服飾デザインで培われた造形感覚と、京焼の伝統技法が交差する作風は、道八家に新たな風を吹き込み、現代茶席やギャラリー空間にも映える洗練を示しています。

灰釉の静謐と白刷毛目の躍動が同居する本作は、料理を引き立てる余白と、手仕事の確かな温もりを兼ね備えた器でございます。片口形ゆえに注器としても小鉢としても自在に活躍し、五客を並べれば食卓や酒席にリズムと統一感を生み出します。どうぞ末永くご愛用いただき、その刷毛目に刻まれた“瞬間の筆勢”と、高橋道八様の卓越した造形美をご堪能くださいませ。

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