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倣北齋赤富士盃 宮川香斎

倣北齋赤富士盃 宮川香斎

通常価格 $376.00
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高さ :6.5cm  幅 : 4.5cm

「倣北斎赤富士盃 宮川香斎」は、浮世絵師・葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」シリーズの一図である「凱風快晴(赤富士)」にインスパイアされて制作された美術品です。この盃は、日本文化の中で特に縁起が良いとされる「赤富士」をテーマに、陶芸家宮川香斎様がその技術を駆使して表現した作品です。

赤富士の象徴性

「赤富士」とは、夏から秋にかけて、晴天の早朝にしか見られない、富士山の稀有な姿を指します。特に、山頂に雪がない状態で、南風が吹く晩夏の頃、朝日を受けて富士山が赤く染まる瞬間を描いたものが「赤富士」と呼ばれています。富士山は、もともと日本の象徴的存在であり、特に赤い色は古くから厄除けの力があると信じられてきたため、赤富士は縁起物として特に強い意味合いを持ちます。通常の青富士と比較して、赤富士はその縁起の良さから、長寿や幸福、繁栄を象徴する存在として日本文化に根付いています。

葛飾北斎と「凱風快晴」

「赤富士」として広く知られる葛飾北斎の作品「凱風快晴」は、天保2年(1831年)に彼の代表作である『富嶽三十六景』の一部として発表されました。「凱風」とは南風の意味で、この作品では、南風が吹く晩夏の早朝に、朝日を受けて赤く輝く富士山が描かれています。この作品は、その極端な遠近法や、木版画ならではの鮮やかな色彩が特徴で、瞬間的な赤富士の姿を見事に捉えています。北斎は、その独特な技法で、富士山を圧倒的なスケールで描き出し、その大胆な構図は当時の人々だけでなく、西洋の芸術家たちにも大きな影響を与えました。

北斎の影響と「ジャポニスム」

北斎の作品は、西洋の芸術界にも大きな影響を与えました。例えば、クロード・モネやヴィンセント・ヴァン・ゴッホといった印象派の画家たちは、北斎の大胆な構図や鮮やかな色彩、独自の遠近法から大いにインスピレーションを受けました。特にモネは、北斎の『富嶽三十六景』シリーズに触発され、ひとつのテーマを時間や季節の変化に応じて連作として描く手法を取り入れました。こうした影響は、19世紀のヨーロッパにおいて「ジャポニスム」と呼ばれる日本文化への関心が高まる一因となり、西洋美術界に新たな潮流を生み出しました。

宮川香斎様と真葛焼の伝統

江戸時代から続く京都の伝統的な陶芸技法を受け継ぐ陶芸家で、作品は特に「真葛焼(まくずやき)」として知られています。真葛焼は、京都の陶芸技法の一つで、貞享年間(1684年~1687年)に祐閑宮川小兵衛政一によって始められました。その後、代々続く宮川家は、主に煎茶道具や茶道具を制作し続け、現在もその伝統を守り続けています。

真葛焼の特徴としては、釉薬(うわぐすり)の美しい発色や、丁寧に施された細工が挙げられます。特に、ワラ灰釉という釉薬が代々受け継がれており、この技術が真葛焼の独特な美しさを形作っています。この釉薬は、作品に豊かな色彩を与え、宮川香斎が制作する陶器は国内外で高く評価されています。

倣北斎赤富士盃の技術と美学

「倣北斎赤富士盃」は、宮川香斎様が北斎の「凱風快晴」を陶器の盃という形で再現した作品です。この盃には、北斎の描く富士山の色彩豊かで大胆な構図がそのまま取り入れられており、宮川家の伝統的な真葛焼の技法と見事に融合しています。盃に施された絵柄は、単なる絵付けではなく、立体的な造形と釉薬の効果を駆使して、見る者に富士山の壮大さと美しさを感じさせるものです。

赤富士というテーマは、縁起の良いモチーフとして日本では長年親しまれており、この盃も特に祝宴の場や重要な席で使用されることが多いです。赤富士の力強さや神々しさが、盃を手に取る人々に幸福や長寿をもたらすと信じられており、実用性だけでなく芸術性も兼ね備えた作品です。

北斎と宮川香斎様:芸術と自然への共通点

葛飾北斎と宮川香斎様には、自然を題材にしながらそれを独自の視点で表現するという共通点があります。北斎が自然の一瞬の美しさを捉え、それを大胆な構図で表現したように、自然の美を陶器という立体的な形で表現することに成功しています。北斎が描く赤富士は、ただの風景画ではなく、その中に自然と人間の対話や共存の姿が感じられます。同様に、宮川香斎様が作る盃もまた、ただの器ではなく、自然の一部を切り取って日常に持ち込むことで、使用者に深い感動を与える存在です。

世界的評価と未来への継承

真葛焼作品は、国内外で高く評価されており、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館や、パリのユネスコ日本政府代表部などに収蔵されています。特に、近年ではアメリカ、フランス、中国などでの評価も高まり、真葛焼は日本の陶芸の中でも世界的に注目される存在となっています。受け継ぐ真葛焼の技術は、単なる伝統技術の保存にとどまらず、現代の感性にも訴えかける新しい美しさを追求しています。彼の手によって、北斎の芸術的遺産は陶器という形で現代に再生され、未来へと引き継がれていくでしょう。本作は、北斎の偉大な芸術と宮川家の伝統技術が融合した逸品です。赤富士という縁起の良いモチーフを、陶器という形で再現することで、この作品は日本の伝統と現代の美が見事に調和しています。この盃を手に取ることで、私たちは富士山の持つ壮大さや北斎の芸術的な視点、そして宮川香斎様の卓越した技術を同時に感じることができます。

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