花十色 藤平寧

幅10.5cm ×8.5ｃｍ　  高さ15.5ｃｍ 

藤平寧様との対談

藤平寧様の作品「花十色」は、紺碧の深海を思わせる深みのある紺色と、夜空に輝く星のような金色が調和した、華やかで気品ある花瓶です。この作品は、自然の壮大な美しさを器の中に閉じ込め、見る者の心を捉える力を持っています。

紺碧と金色が織りなす幻想的な世界

「花十色」の特徴は、深い紺色の釉薬がもたらす静かな奥行きと、そこに散りばめられた金箔の煌びやかな輝きです。この対比が、まるで夜空に浮かぶ満天の星を彷彿とさせます。紺色の中に現れる金の模様は、柔らかい光を反射し、見る角度や光の当たり方によって異なる表情を見せます。作品を手に取ると、滑らかな陶器の表面がひんやりと心地よく、深い色合いの中に広がる金色の輝きが、まるで無限の宇宙を感じさせます。単なる花瓶としての役割を超えた、この芸術作品の存在感は、空間全体を包み込み、特別な雰囲気を生み出します。

一輪の花が引き立つ舞台

この花瓶に花を生けると、まるでその花が宝石のように輝きを増すのを感じるでしょう。シンプルな一輪の花でさえ、この花瓶に生けることで特別な存在感を放ちます。紺色の背景に映える花の色彩は、金箔の光と相まって部屋全体を華やかに彩り、日常に豊かさと潤いをもたらします。そのフォルムはふっくらとした優しい膨らみを持ち、温かみを感じさせながらも、どこか威厳のある佇まいを備えています。

手書き模様が生む個性と詩情

「花十色」に施された金の模様は、すべて職人の手によって描かれています。そのため、一つひとつが異なる表情を持ち、唯一無二の魅力を感じさせます。繊細でありながら大胆な筆致は、藤平寧様の卓越した技術と感性の賜物です。この模様は、夜空に輝く星々や、深海に反射する光のような自然の美しさを思い起こさせ、作品に詩情豊かな世界観を与えています。

「花十色」に込められた藤平寧様の想い

藤平寧様は、自然の美しさと伝統的な陶芸技術を融合させ、新たな世界を創り出す作家です。「花十色」もまた、独自の感性が光る作品です。この花瓶の紺碧と金色のコントラストは、自然界に存在する多様な美しさを象徴しており、作品名の「十色」には、多彩な表現や可能性を追求する藤平寧様の想いが込められています。

空間を華やかに彩る逸品

「花十色」は、空間に特別な存在感を与える花瓶です。花を生けることで、作品そのものが生き生きとした輝きを放ち、部屋全体を彩ります。さらに、花を生けずともオブジェとしての魅力を保ち、インテリアに芸術的なアクセントを加えることでしょう。その深い紺色と金色の輝きは、どのような空間にも調和しながら、見る者を惹きつける力を持っています。「花十色」を通じて、日常の中に自然の壮大な美と、藤平寧の詩情豊かな世界観を取り入れてみてはいかがでしょうか。「花十色」は、あなたの空間に新たな色彩と物語をもたらしてくれる、唯一無二の芸術作品です。

≪藤平寧　陶歴≫
1963　京都府に生れる　父は藤平伸
1988　京都府立陶工職業訓練校を修了　日展入選（以後2回）
1989　京展 あかね賞（‘90 市長賞）　日本陶芸展 入選
1990　現代朝日クラフト展入選（以後4回）
1991　陶芸ビエンナーレ 奨励賞　全関西美術展 佳作（’92 同賞）
1992　京都工芸ビエンナーレ 入選　朝日陶芸展 入選
1993　全関西美術展 関西賞第二席
2008　パラミタ陶芸大賞展 出品