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ワラ灰釉雪月花盃 宮川香斎

ワラ灰釉雪月花盃 宮川香斎

通常価格 $263.00
通常価格 セール価格 $263.00
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高さ :4.0cm  幅 : 5.5cm

「ワラ灰釉雪月花盃 宮川香斎」は、その名が示す通り、詩的な美を陶器に写し取った作品です。この盃には、銀彩で描かれた月が大胆に施されており、その美しさが目を引きます。さらに、雪を象徴する金の彩色と、花を表現する赤が効果的に配置され、まさに自然の美しさを詩的に捉えた作品です。特に「雪・月・花」というテーマに基づいた色彩の配置が、盃全体に豊かな情感を生み出しています。

雪月花 ― 日本文化に根付く美の象徴

「雪月花(せつげつか、せつげっか)」は、中国唐代の詩人・白居易の詩「寄殷協律」に登場する一句「雪月花時最憶君(雪月花の時、最も君を憶ふ)」に由来する言葉です。この詩は、美しい自然の景観を前に、大切な人を最も強く想う瞬間を描いており、日本でも広く受け入れられました。「雪月花」は、雪、月、花という自然の三大美景を象徴する言葉として、日本の詩歌や美術において頻繁に引用されるようになり、特に宮廷文化や和歌の題材として好まれました。

日本の詩歌と雪月花の取り合わせ

日本において、この「雪月花」の概念は、三つの要素を一度に組み合わせることが一つの遊戯的な美意識とされてきました。例えば『万葉集』に登場する大伴家持の歌「雪の上に 照れる月夜に 梅の花 折りて贈らむ 愛しき子もがも」は、雪、月、花を同時に楽しむ雅な感性を表現しています。この詩のように、雪と月と花の取り合わせは、自然美の極みを追求するものであり、また白居易の詩の精神を反映した「最君憶」の情感も含まれています。

宮川香齋家の伝統 ― ワラ灰釉とその技法

宮川香齋家の代々受け継がれる伝統技法の中で、特に「ワラ灰釉(わらばいゆう)」は重要な役割を果たしています。この釉薬(うわぐすり)は、京焼の始祖である野々村仁清も用いていたもので、宮川家の真葛焼(まくずやき)の象徴的な技法の一つとなっています。ワラ灰釉を使うことで、まろやかな乳白色の器肌が生まれ、その独特の気品が作品に深みを与えます。ワラ灰釉をかけた器は、土の種類や焼き加減に応じて色味が変わり、時には温かみのある赤みを帯び、時には涼やかな青白色を見せるなど、様々な表情を持ちます。

真葛焼の歴史と宮川家の継承

真葛焼の歴史は、江戸時代前期の貞享年間(1684~1687年)に、祐閑宮川小兵衛政一が近江国(現・滋賀県長浜市)から京都に移り、知恩院門前で陶芸を始めたことに端を発します。その後、彼の子孫が「治兵衛」「香齋」という名を代々引き継ぎ、宮川家は330年にわたり陶芸を続けてきました。真葛焼は、煎茶や茶道の道具として広く知られ、その華やかで気品ある作風が、国内外で高く評価されています。現在、真葛焼の作品は、ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)やユネスコ日本政府代表部(パリ)、国際交流基金など、数多くのコレクションに所蔵されています。本作は、詩的な「雪月花」の美しさと、宮川香斎家の伝統的なワラ灰釉技法が見事に融合した作品です。銀彩で描かれた月の輝き、金彩と赤彩で表現された雪と花の対比が、器全体に詩的な情感を与えています。また、330年にわたる真葛焼の歴史と、ワラ灰釉による独特の質感が、この盃を一層魅力的なものにしています。

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