灰釉彩酒杯 猪飼祐一
灰釉彩酒杯 猪飼祐一
幅 : 7.1cm 高さ :6.0cm
手に馴染む荒さと芸術的な造形
猪飼祐一様の「灰釉彩酒杯」は、手に持った瞬間に感じる荒さが、器の美しさを一層際立たせる特徴です。酒杯の小さなサイズながらも、大胆な造形が視覚的にも触覚的にも楽しめます。繊細な手仕事でありながら、力強さと素朴さを感じさせるこの造形は、猪飼様の独自の世界観が反映されています。
汎用性と芸術的な美しさ
この酒杯は、一輪挿しとしても利用できる汎用性を持ち、ただの酒器としてだけでなく、インテリアとしても活躍します。さまざまな用途に適応するこの器は、使う度に異なる顔を見せる芸術的な美しさを感じさせます。日本の伝統と現代美が融合した作品として、猪飼様の美意識が際立っています。
歴史を感じさせる雅陶
この作品は、京都の古い歴史と文化を強く感じさせるものです。灰釉陶器は、古代から使用されてきた技法であり、猪飼様はその技法を現代に新たに息吹を与えました。釉薬が作り出す表面の独特な色彩と質感が、時代を超えた雅さを醸し出しており、不朽の美を感じさせます。
「酒杯」の歴史と伝統
「酒杯」という言葉は、日本の古い歴史に深く根ざしています。平安時代中期の「延喜式」にも「酒坏」という表記が確認され、奈良・平安時代の法律である「律令」にも登場しています。当時は「坏(つき)」と呼ばれる器が様々な飲食物に使用されており、特定の用途に限らず器が活躍していました。室町時代になると、漆器の発展とともに、酒杯や食器の用途が明確に区別されるようになり、酒杯は酒を楽しむための特別な器として定着していきました。
灰釉の魅力と新たな美
「灰釉」は、植物灰を使用した最も基本的な釉薬であり、古代から現代まで広く使用されています。猪飼様の「灰釉彩酒杯」は、京都において新たな美を吹き込んだ作品で、焼き物の表面に釉薬を施すことで、耐久性と装飾性が見事に両立されています。灰釉による滑らかな光沢と色彩の深みが、酒杯にさらに豊かな表情を与え、使う人にとって特別な体験を提供します。猪飼祐一様の「灰釉彩酒杯」は、手に馴染む荒さと大胆な造形美、そして汎用性を持つ独特の作品です。歴史的な背景とともに、古代から続く灰釉の美しさが新たな形で表現され、京都の伝統と現代の感覚が見事に融合しています。日本の雅陶の象徴ともいえるこの作品は、古典的な技法を現代に生かした傑作として、国内外で愛されています。
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