白釉稜線香炉 岡田優
白釉稜線香炉 岡田優
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幅 : 11.6cm 高さ : 11.7cm
「白釉稜線香炉」岡田優様 ― 風を抱く蓮華形、静けさを映す白
岡田優様の《白釉稜線香炉》は、蓮華(れんげ)を思わせる外反りの口造りと、滴形(しずくがた)の銀色摘みが印象的な一作です。三脚(みつあし)で軽やかに浮かび上がる胴は、ごく淡い稜線によって四瓣(よつべん)に区切られ、香煙が生む空気の揺らぎを静かに映し出します。以下、歴史・技法・意匠・精神性・香席活用の五章で、本作の美学を掘り下げてまいります。
1. 歴史的背景 ― 蓮華と香炉のシンボリズム
蓮華の意匠:蓮は浄土思想における清浄の象徴であり、古来、仏具や香炉の蓋飾りに多用されてきました。外反りの口縁が花弁を開く姿を連想させる本作は、その伝統を現代的ミニマルフォームへ昇華しています。
三脚香炉の系譜:青銅器「鼎(かなえ)」や唐物香炉に見られる三脚は、安定性と瑞祥を兼ね備える意匠として、茶室・聞香の場で尊ばれてきました。岡田優様は、三脚を滴状に整形することで、古格と柔和さを同時に表現しています。
2. 技法と素材 ― 純白の肌理と銀彩摘みの競演
3. 意匠解読 ― 蓮華口・四瓣胴・滴形摘み
蓮華口(外反り口造り)
口縁を外へ水平に開くことで、香煙が360度へ水平拡散。視覚的には“水面に浮く花弁”を想起させ、香室に静穏な波紋を広げます。
四瓣胴と稜線
ごく浅い稜線が胴を四瓣に分割し、光と影にリズムを生みます。これは唐三彩香炉の菱花形を思わせつつ、ミニマルに抽象化されたモダンデザインです。
滴形銀摘み
一滴の露を模した銀彩は、白磁の中に一点のクールな輝きを添え、金属と陶土の異素材対比を象徴的に示します。
4. 精神性 ― “白の余白”と“香の無限”
白は禅の「無」、香は形なき「有」。岡田優様は両者を結びつけ、**「無の器に有を宿す」**という逆説を体現しました。
白釉は、使い手の時間とともに僅かな手脂や香の油分を受け取り、光沢に深みを帯びます。
銀摘みは酸化と磨き直しを繰り返し、時を刻むパティナ(経年膜)を育てます。
こうして器は、香を焚くたびに微細な変化を積層し、**“時間の香”**を纏う存在へと育っていきます。
まとめ
《白釉稜線香炉》は、蓮華の清浄・三脚の古格・銀滴の現代性を一体化した香炉です。
外反り口と四瓣胴が香煙の流れを演出し、白釉の余白が季節と光を映し、銀摘みが時の流れを刻む――。
茶室はもちろん、現代建築やミニマルアート空間に置いても、**「静かな中心点」**として人々の感性を研ぎ澄ませることでしょう。— 無垢なる白に、香と時間が色づく。
その哲学が、使い手の心と静かに交差し、深い余韻を紡ぎ続けます。
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