酒盃 藤平寧
酒盃 藤平寧
藤平寧様の手による「酒盃」は、銀の冷たく輝く光沢が特徴的な作品です。その美しさは、まるで冬の夜空に浮かぶ満月のように神秘的で、静謐な印象を与えます。洗練されたフォルムと光の反射が生み出す陰影が、見る者の心をとらえ、触れる者の感覚を研ぎ澄ませます。
冬の夜空の月を思わせる銀の輝き
この酒盃全体に施された銀の仕上げは、冷たさと静けさを兼ね備えています。
深みのある光沢が、光を受けて複雑に反射し、どの角度から見ても異なる表情を見せます。この変化に富んだ輝きは、盃そのものがまるで生きているかのような躍動感を与えています。盃に琥珀色の酒が注がれると、銀の光沢がその液体を映し出し、黄金の輝きをまとったかのような幻想的な美しさを演出します。酒を注ぐだけで作品の魅力が一層際立ち、心に深い感動を呼び起こします。
滑らかな曲線と繊細な職人技
盃の形状は、手のひらに自然に馴染むよう計算し尽くされた滑らかな曲線で成形されています。手に持つとその冷たさが心地よく、触覚を心地よく刺激します。口元に運んだ際、銀がもたらすひんやりとした感触は、唇に新鮮な驚きを与え、五感を覚醒させるような特別な体験を提供します。縁に沿って酒が流れる様子は、宝石の煌めきを思わせる美しさを持ち、銀の盃ならではの透明感と反射の妙を見せます。この一瞬の美しさは、盃が機能性を超えて一つの芸術作品であることを物語っています。
光と陰影が織り成す動的な表情
この酒盃は光を受けるたびに異なる陰影を生み出し、時間や環境によってその印象を変化させます。これは、銀という素材が持つ特性と藤平寧の卓越した技術が生み出す絶妙な効果です。静止しているはずの盃が、光の加減でまるで動いているように感じさせるこの動的な表情は、見る者を飽きさせません。
時を重ねるごとに深まる銀の美しさ
銀の盃は、時間が経つにつれ、使い手の手による自然な風合いが加わり、さらにその魅力を増していきます。銀特有の酸化による色味の変化や、磨き込まれた部分の輝きが、使う人とともに歴史を刻むかのような独特の存在感を生み出します。藤平寧様の酒盃は、持ち主の人生を映す器として育つ美しさを備えています。「酒盃」は、その冷たく光り輝く銀の美しさと滑らかな形状、そして光と陰影が生む豊かな表情で、見る者、触れる者を魅了します。酒を注いだ瞬間、銀の光沢とのコントラストが視覚的な感動を生み、飲むという行為自体が特別な体験に変わります。
実用的でありながら芸術作品としても卓越したこの盃は、日々の中に特別な時間をもたらし、使い手とともに歴史を紡いでいく唯一無二の存在です。この盃を手に取ることで、藤平寧様が込めた自然への敬意と、素材の持つ美しさを引き出す職人技の真髄を感じてみてください。
≪藤平寧 陶歴≫
1963 京都府に生れる 父は藤平伸
1988 京都府立陶工職業訓練校を修了 日展入選(以後2回)
1989 京展 あかね賞(‘90 市長賞) 日本陶芸展 入選
1990 現代朝日クラフト展入選(以後4回)
1991 陶芸ビエンナーレ 奨励賞 全関西美術展 佳作(’92 同賞)
1992 京都工芸ビエンナーレ 入選 朝日陶芸展 入選
1993 全関西美術展 関西賞第二席
2008 パラミタ陶芸大賞展 出品
Share
-
【丁寧に、お送りいたします】
それぞれの商品に合った形態で、丁寧に梱包いたします。
また、作品(器など)により、納期は変わります。
作品の引渡時期は、ご注文確認後、共箱準備済み作品は7営業日以内に出荷させていただきます。共箱を新たに製作する作品は45営業日以内に出荷させていただきます。
いずれも、ご注文を確認いたしましたら、当店より納期をメールにてご連絡いたします。
-
【陶器をご購入の際のお願い】
作品ごとに、出来るだけ詳細をご確認いただけるように画像を掲載しておりますが、ご不明な点はお問い合わせください。
作品の色合いなどは、画像を表示する環境により若干異なることがございますが、ご理解の程お願いいたします。
作品により貫入などによる、茶碗への染み込みが発生することがございますが、それも経年変化の味わいとしてご理解いただきますようお願いいたします。