茶盌 藤平寧
茶盌 藤平寧
幅12.5cm ×12.5cm 高さ8.5cm
藤平寧様の「茶盌」は、上部から赤紫、中央で青、そして下部で白へと移り変わる美しい色彩のグラデーションが特徴的な作品です。この茶盌は、見る者の目を惹きつける鮮やかな色彩のコントラストと、滑らかなフォルムが融合し、まるで自然が生み出した芸術のような佇まいを見せています。
赤紫、青、白が織り成す色彩の詩
こちらの茶盌の最大の魅力は、赤紫から青、白への滑らかな色彩の移り変わりです。
赤紫は情熱と生命力を象徴し、作品の上部に華やかさと活力を与えています。
青は静けさと深みを感じさせる落ち着いた色合いで、全体の調和を保ちます。
白は純粋さと無垢を象徴し、基盤となる部分に穏やかで静寂な印象を与えます。
このグラデーションは、釉薬の自然な流れや化学反応によって生まれるもので、偶然性と計算が絶妙に絡み合った、まさに唯一無二の美しさを放っています。光の当たり方や角度によっても微妙に異なる表情を見せるため、使用するたびに新たな発見が楽しめます。
轆轤を使わない造形が生む自然な美しさ
この茶盌は轆轤を使わず、藤平寧様の得意とする手捻りの技法で成形されています。手捻りによるわずかな歪みや曲線が、作品に人間的な温かみと親しみやすさを与えています。この自然なフォルムは、見る者だけでなく使う者にも特別な心地よさを提供します。
さらに、手に取ったときの重心の良さや滑らかな触り心地も、この作品の魅力の一部です。美術品でありながら実用性も兼ね備え、茶道具として日常に特別なひとときを演出します。
自然への敬意を感じさせる色彩表現
藤平寧様は、自然の美しさを陶器の中に取り込むことに長けています。この「茶盌」の色彩は、まるで朝焼けが空に広がり、青空へと移ろい、やがて雲の白に溶け込むような風景を思わせます。釉薬の垂れが作る自然な模様や色の混ざり合いは、偶然と意図が絶妙に調和した結果です。
このような色彩表現は、藤平寧様が持つ自然への深い敬意と、陶芸という素材を通じて詩的な世界を表現する彼の能力の証といえるでしょう。
伝統と革新が生み出す独自の美学
藤平寧様は、父である藤平伸様から受け継いだ陶芸への深い愛と詩的感性を基盤にしつつ、独自の視点で新たな美を追求しています。この茶盌には、伝統的な陶芸技法の上に独自の現代的で自由な表現が重なり合い、新たな価値が生み出されています。
色彩の変化や手捻りのフォルムに見られるように、作品は自然の美と人の技が融合した、新しい陶芸の可能性を提示しています。
色彩と造形が織り成す芸術的な茶盌
藤平寧様の「茶盌」は、赤紫、青、白の美しい色彩のグラデーションと、手捻りによる自然なフォルムが調和した作品です。この茶盌は、茶道具としてだけでなく、空間を彩るインテリアとしても優れた存在感を放ちます。
伝統を尊重しつつ革新を続ける藤平寧様の作品を手に取り、その色彩と造形の深い世界をぜひご堪能ください。使うたびに新たな発見と感動をもたらしてくれることでしょう。
≪藤平寧 陶歴≫
1963 京都府に生れる 父は藤平伸
1988 京都府立陶工職業訓練校を修了 日展入選(以後2回)
1989 京展 あかね賞(‘90 市長賞) 日本陶芸展 入選
1990 現代朝日クラフト展入選(以後4回)
1991 陶芸ビエンナーレ 奨励賞 全関西美術展 佳作(’92 同賞)
1992 京都工芸ビエンナーレ 入選 朝日陶芸展 入選
1993 全関西美術展 関西賞第二席
2008 パラミタ陶芸大賞展 出品
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作品により貫入などによる、茶碗への染み込みが発生することがございますが、それも経年変化の味わいとしてご理解いただきますようお願いいたします。