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青瓷花入  多賀井正夫

青瓷花入  多賀井正夫

通常価格 $1,074.00
通常価格 セール価格 $1,074.00
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幅 : 14.5cm×14.5cm  高さ : 18.8cm

こちらの青瓷花入は、淡い水色にほんのりと灰味を帯びた「雨過天青(うかてんせい)」の発色が魅力です。胴をふくらませた洋梨形(ようなしがた)の量感と、すっと立ち上がる細頸(さいけい)が作り出すシルエットは、古典的な玉壺春瓶(ぎょっこしゅんへい)の優雅さを踏まえながらも、現代空間に溶け込むミニマルな端正さを備えています。鏡面のように滑らかな釉肌にはごく細かな「微貫入(びかんにゅう)」が潜み、光を受けると薄翳となって立体感を添えます。

釉調と貫入

発色:鉄粉を抑え、高温還元で焼成したのち、終盤に軽く酸化雰囲気へ切り替える「還元落とし」により、赤味のない澄明な青を引き出しています。

微貫入:胎土と釉層の膨張係数をほぼ一致させ、冷却速度を緩やかに調整することで、肉眼では捉えにくいほど細かな裂紋を生じさせています。使い込むにつれ花水が穏やかに染み込み、雲霞(うんか)のような景色が深まります。

鉄縁:口縁付近のみ素地を薄く削り、釉を掛け残す「削ぎ口」の技法で、焼成中に鉄分を表層へ引き上げています。淡青の世界に侘びの輪郭を与える意匠です。

歴史

青瓷は六朝期の越州窯から北宋汝窯・南宋龍泉窯へと受け継がれ、日本へは鎌倉期に禅僧がもたらしました。桃山茶陶で「唐物」として珍重されたのち、江戸中期には京都や肥前でも写しが試みられました。本作は龍泉窯の「梅子青(ばいしせい)」を想わせる淡青を現代技法で再現しつつ、口縁の鉄縁や微貫入で日本茶の湯が尊ぶ侘びのニュアンスを加味しています。古典への敬意と現代的造形の融合こそが多賀井様の持ち味と言えるでしょう。

鑑賞

釉層の奥行き
斜光を当てると、内側から乳濁した層が透けて見え、深海を覗くような奥行きを感じ取れます。

微貫入の霞景
使用を重ねると裂紋にわずかな茶渋が入り、雲がたなびくような景色が器肌に浮かび上がります。

鉄縁の変化
口縁の銀鼠は手触りで黒艶を増し、淡青と相まって器相を引き締めます。


本作「青瓷花入」は、古典龍泉青瓷の詩情を礎に、現代の素材科学と焼成技術で磨き上げられた逸品です。ひと枝挿すだけで床の間に瑞々しい静けさが漂い、年月とともに微貫入が霞みを帯びて、使い手とともに育つ景色を刻んでゆきます。どうぞ四季折々の花と対話を重ね、ご自身だけの物語をこの青瓷に重ねていただければ幸いです。

多賀井正夫 陶歴
1970 大阪府岬町に生まれる  
1998 陶芸を志す  
2001 日本伝統工芸近畿展 入選  
2002 朝日陶芸展 川崎記念賞 受賞  
2005 日本伝統工芸近畿展 新人賞 受賞  
2007 大阪工芸展 大阪市長賞 受賞  
2009 日本伝統工芸展 入選  
2013 日本陶芸展 入選  
2014 現代茶陶展 入選  現在形の陶芸萩大賞展 入選  美濃茶盌展 入選  
2016 大阪府岬町に築窯  
2017 陶美展 入選(以降 18・19・20・22・23・24)  
2019 日本工芸会 正会員となる  
2025 日本伝統工芸近畿展 日本経済新聞社賞 受賞  
現在  
 日本工芸会 正会員  
 日本陶芸美術協会 正会員  
 大阪工芸協会 正会員  

多賀井正夫様との対談

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