灰釉香炉 竹村繁男
灰釉香炉 竹村繁男
幅 : 12cm 高さ :19.5cm
灰釉の魅力を最大限に活かした作品
竹村繁男様による「灰釉香炉」は、その形状の独創性と灰釉の美しさが際立つ作品です。灰色を基調としながらも、青が微かに浮かび上がる絶妙な色合いは、灰釉ならではの表現力を見事に活かしており、陶器の持つ自然美を強調しています。色彩の鮮やかさと繊細な表現力を併せ持つ形状は、シンプルでありながらも力強さを放ち、空間を一変させる圧倒的な存在感を持っています。
安定感と繊細さが織りなす芸術的フォルム
灰釉香炉は、構造の安定感と細部の緻密な表現が調和し、まさに「形状の美」を際立たせています。存在そのもので美しさが際立つこの香炉は、陶器としての基本を押さえつつも、独特の存在感を放つように作られています。鮮やかな色彩と安定した形状の対比が、技術と美的感覚の高さを如実に物語ります。現代陶芸の名作ともいえるこの作品は、見る者に強い印象を与えるでしょう。
灰釉の生成とその奥深い技法
作品には杉や葡萄、向日葵などの植物灰を用いた自然釉薬が用いられ、それぞれの植物の個性が焼成により引き出され、唯一無二の表情を持つ作品が生まれます。自然素材を取り入れた釉薬作りに30年以上専念してきました。焼成の際に用いる灰は、自然の植物を屋外で焼き、得られるわずかな量の灰から水を使って不純物を取り除き、長い時間をかけて精製するという手間のかかる工程を経ています。こうした手法は、古代中国から伝わる歴史ある技法に基づいており、自然素材の奥深い可能性を引き出すものです。
作陶の歩みと技術の研鑽
竹村繁男様は昭和28年に京都府山科で生まれ、陶芸家の道を志したのは高校生のときです。京都市立日吉ヶ丘高校陶芸科を卒業後、京都府指定無形文化財保持者の木村盛伸先生に師事しました。18歳で弟子入りし、8年間の修業を積んだ後、昭和55年に独立して山科に「大日窯」を開窯し、作品作りに専念しています。
作品に宿る自然の表情
竹村繁男様の「灰釉香炉」は、自然の素材がもたらす個性と、灰釉の深い色合いが見事に融合し、現代陶芸に新しい価値をもたらしています。その存在感は、陶器の枠を超えた芸術品としての佇まいを見せ、技術と美意識が結晶した名作といえるでしょう。
竹村繁男 略歴
昭和二十八年 : 京都府山科生まれ
昭和四十七年 : 京都市立日吉丘高校陶芸科卒業-木村盛伸先生に師事
昭和五十年 : 第四回日本工芸会近畿支部展 初入選
昭和五十三年 : 京都府工芸美術展 入選
昭和五十五年 : 独立し山科に大日窯を開窯
昭和六十三年 : 第三十五回日本伝統工芸展 入選
平成元年 : 「土の子会」結成
平成二年 : 第三十七回日本伝統工芸展 入選
平成八年 : 第二十五回日本伝統工芸近畿展 奨励賞
平成十年 : 第五十三回新匠工芸会展 入選
平成十三年 : 京都工芸美術作家協会展,京都「高島屋」にて個展
平成十四年 : 第四十九回日本伝統工芸展 入選
平成十五年 : 岡山高島屋画廊にて個展
平成十七年 : 横浜高島屋美術画廊にて個展
平成十八年 : 京都高島屋美術画廊にて個展
平成十九年 : 第三十六回日本伝統工芸近畿展 京都府教育委員会教育長賞
日本工芸会正会員認定
岡山高島屋画廊にて個展
平成二十年 : 日本工芸会陶芸部会正会員による第三十六回新作陶芸展 日本工芸会賞
平成二十一年 : 第五十六回日本伝統工芸展 入選
平成二十二年 : 第三十九回日本伝統工芸近畿展にて鑑査委員に就任
平成二十六~三十年年 : 日本伝統工芸近畿展 入選
令和元年~六年 : 日本伝統工芸近畿展 入選
令和五年 : 日本伝統工芸展 入選
令和六年 : 日本伝統工芸展 入選
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