陽向釉香炉 竹村繁男
陽向釉香炉 竹村繁男
幅 : 11.0cm 高さ :15cm
自然からできた色の作品 ― 陽向釉香炉
竹村繁男様の「陽向釉香炉」は、ご自身で育てた向日葵の幹や花を焼いて得られた灰を釉薬に用いた作品です。この釉薬には、自然素材そのものの色合いが反映され、ひまわりの優しい黄色が表現されています。轆轤(ろくろ)で成型された香炉は、ひまわりの明るさと力強さが伝わる美しい形状を持ち、素朴ながらも奥深い味わいが感じられます。
”陽向釉”の由来と竹村繁男様の自然素材へのこだわり
作品名の「陽向釉(ひなたゆう)」は、ひまわりを意味する「陽向」に由来します。竹村繁男様が自ら育てたひまわりを焼成し、その灰を釉薬として使用することから、この名が付けられました。また、竹村様はひまわり以外にも、葡萄やイチジクといった自然素材を釉薬に用い、それぞれの植物が持つ独特の色や風合いを作品に活かしています。
ひまわりの黄色と飴色のコントラストが織りなす美しさ
「陽向釉香炉」には、ひまわりの灰がもたらす淡い黄色が美しく現れ、その下部には飴色の模様が重なり、自然由来の色彩が生み出す絶妙なコントラストを楽しむことができます。優しくも鮮やかな色合いが、香炉としての用途だけでなく、インテリアの一部としても空間に温かさと彩りを加えます。
香炉の意味と用途 ― 心を清める仏具としての役割
香炉は、香を焚いて心と身体を清めるための仏具です。焚かれた香の香りが部屋全体に広がり、心を落ち着かせ、空間を浄化する役割を担っています。仏様の慈悲の心を象徴する香りは、空間を包み込み、見る者に静謐と安らぎを与えます。
お花を添えて楽しむ ― 多様な表情を見せる作品
「陽向釉香炉」は、香炉としての使用だけでなく、花器としても楽しむことができる作品です。季節の花を入れると、また異なる表情が現れ、自然素材の色合いと相まって生き生きとした空間を作り出します。そのまま飾るだけでも、優雅なインテリアの一部としてお部屋を彩る一品となるでしょう。
竹村繁男様と自然灰釉への情熱
竹村繁男様は自然灰釉の第一人者として30年以上にわたり、植物や木の枝を焼き、得られた灰から独自の釉薬を作り出す作品作りに情熱を注いでいます。自然灰釉は、灰を水で洗い不純物を取り除く丁寧な工程を経て生まれ、この手間と自然素材への深い理解が作品に深みをもたらします。各作品で異なる表情を見せる灰釉の魅力が、竹村様の作品の真髄です。
竹村繁男様の略歴と独自の技法
昭和28年に京都府山科で生まれた竹村繁男様は、京都府指定無形文化財保持者である木村盛伸氏に師事し、京都市立日吉丘高校陶芸科を卒業しました。昭和55年に独立して「大日窯」を開き、以来、独自の自然灰釉と技術を駆使して数多くの名作を生み出してきました。
竹村繁男 略歴
昭和二十八年 : 京都府山科生まれ
昭和四十七年 : 京都市立日吉丘高校陶芸科卒業-木村盛伸先生に師事
昭和五十年 : 第四回日本工芸会近畿支部展 初入選
昭和五十三年 : 京都府工芸美術展 入選
昭和五十五年 : 独立し山科に大日窯を開窯
昭和六十三年 : 第三十五回日本伝統工芸展 入選
平成元年 : 「土の子会」結成
平成二年 : 第三十七回日本伝統工芸展 入選
平成八年 : 第二十五回日本伝統工芸近畿展 奨励賞
平成十年 : 第五十三回新匠工芸会展 入選
平成十三年 : 京都工芸美術作家協会展,京都「高島屋」にて個展
平成十四年 : 第四十九回日本伝統工芸展 入選
平成十五年 : 岡山高島屋画廊にて個展
平成十七年 : 横浜高島屋美術画廊にて個展
平成十八年 : 京都高島屋美術画廊にて個展
平成十九年 : 第三十六回日本伝統工芸近畿展 京都府教育委員会教育長賞
日本工芸会正会員認定
岡山高島屋画廊にて個展
平成二十年 : 日本工芸会陶芸部会正会員による第三十六回新作陶芸展 日本工芸会賞
平成二十一年 : 第五十六回日本伝統工芸展 入選
平成二十二年 : 第三十九回日本伝統工芸近畿展にて鑑査委員に就任
平成二十六~三十年年 : 日本伝統工芸近畿展 入選
令和元年~六年 : 日本伝統工芸近畿展 入選
令和五年 : 日本伝統工芸展 入選
令和六年 : 日本伝統工芸展 入選
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