白丹波茶盌 清水剛

高さ : 12.7cm　幅 : 9.5cm

白丹波の希少な美しさ

「白丹波茶盌 清水剛作」は、その希少な白色が際立つ作品です。白丹波は江戸時代の中後期に生まれたもので、当時の日本では鉄分が多い土が主流であったため、白い焼き物は非常に難しかったです。清水剛様は、この白丹波の伝統を受け継ぎつつ、現代にふさわしい美しさを引き出しています。

粉引の技法

この白丹波茶盌は、白い泥をかける粉引（こひき）という技法が用いられています。江戸後期に発展したこの技法により、鉄分の多い土でも美しい白色の表面を実現しています。粉引の技法により生まれる滑らかな白色が、茶盌に上品な輝きを与え、抹茶の鮮やかな緑を引き立てます。

自然の恵みを生かした土

清水剛様は、自分で土を掘り起こし、白丹波の土を発見しました。白丹波の土は、1230℃という高温で焼成されることで、その特有の美しい白色と丈夫さが引き出されます。この高温での焼成により、茶盌は非常に丈夫で長持ちするだけでなく、その美しさも永続的に保たれます。

江戸時代の歴史と伝統

白丹波は、美濃焼や信楽のように白土が取れるわけではなく、江戸時代の中後期に独自の発展を遂げました。江戸時代において、白い焼き物が難しかった中で生まれたこの白丹波の茶盌は、当時の技術革新と美意識を感じさせる一品です。清水剛様の白丹波茶盌は、この歴史と伝統を現代に伝える貴重な作品です。

匠の技術と芸術性

清水剛様の卓越した技術と芸術的な感性により、この白丹波茶盌は完成しました。土の選定から粉引の技法、焼成のプロセスに至るまで、一つ一つの工程に精緻な技術が込められています。手に取ると、その高い技術と美的センスが感じられ、使うたびに新たな発見があります。

特別な時間を演出

この茶盌は、茶の湯の時間を一層特別なものにします。白丹波の美しい白色が、茶席の空間に格別な雰囲気をもたらし、心地よい満足感を与えます。使用するたびに、その美しさと機能性に魅了されることでしょう。清水剛様の白丹波茶盌は、茶の湯のひとときを特別な体験に変えてくれます。

永続する価値

清水剛様の作品は、時を経てもその美しさを保ち続けます。この白丹波茶盌もまた、長く愛用できる逸品として、一生の宝物となることでしょう。使い込むほどにその風合いが増し、次第に愛着が深まることでしょう。清水剛様の白丹波茶盌は、世代を超えて愛され続ける価値ある作品です。

ぜひ、「白丹波茶盌 清水剛作」をお手元に置き、その美しさと使いやすさをお楽しみください。日々の茶の湯のひとときを特別なものに変える、極上の逸品です。

略歴　
1975年　兵庫県丹波立杭に生まれる
1999年　京都市立芸術大学工芸科陶磁器専攻卒業
　　　　陶芸家・今井政之、眞正氏に師事
2005年　兵庫陶芸美術館に勤務（～2012年）
2010年　兵庫教育大学非常勤講師（～2011年）
2015年　外務省派遣事業により渡加（オワタ・バンクーバー）
2019年　日・韓学術シンポジウムにて講演（金海粉青陶瓷館/韓国・’16）

主な展覧会/公募展
2010年　ビエンナーレKUMAMOTO　FINAL（熊本県立美術館）
2012年　京都府美術工芸新鋭展・京都美術工芸ビネンナーレ（京都文化博物館）
2013年　第22回日本陶芸展　入選（’11）
2014年　光州ビネンナーレ（Gwangju　Folk Museum/韓国）
2016年　Exhibition　of crafts from UCCN in the field of Crafts & Folk Art
        （利川世界陶磁センター/韓国）
2017年　一茶碗 一世界：國際藝術家　茶碗聯展（綻堂蒔光/台湾）
2018年　2018TEA BOWL Exhibition of Gyeongsanam-Do（金海文化の殿堂/韓国）
　　　　ひょうごやきもの150年― 技・匠からアート・個性へ―（兵庫陶芸美術館）
2019年　KOGEI Art Fair KANAZAWA 2019（THE　SHARE　HOTELS　KUMU金沢）
2022年　第39回茶の湯の造形展（田部美術館/島根）　入選（計6回）
2023年　第10回菊池ビネンナーレ（菊池寛実記念智美術館/東京）入選

受賞
2010年　現代形の陶芸　萩大賞展2010（山口県立萩美術館・浦上記念館）佳作
2011年　第57回　全関西美術展（大阪市立美術館）　佳作（09年　同賞）
　　　　神戸ビエンナーレ2011現代陶芸展　奨励賞（09年同賞）
2017年　平成29年度　兵庫県芸術奨励賞
2018年　第11回現代茶陶展　優秀賞
　　　　第23回美濃茶盌展　金賞
2019年　第12回現代茶陶展　優秀賞
　　　　第5回藝文京展　京都市長賞
2023年　第15回現代茶陶展　優秀賞