塩窯茶盌　清水剛

高さ : 11.0cm　幅 : 9.0cm

塩窯茶盌 清水剛作 - 呉須の青と塩窯技法が織りなす極上の逸品

美しい青色の輝きが魅了する茶盌

「塩窯茶盌 清水剛作」は、鮮やかで深みのある青色が特徴的な茶盌です。この美しい青色は、伝統的な青色顔料である呉須（ごす）を用いて生み出されており、釉薬とは異なる透明感と奥行きを感じさせます。清水剛様の巧みな技術により、呉須が茶盌全体に均一かつ鮮烈に発色し、見る者の心を捉えます。その青の輝きは、茶席に新たな彩りを加えます。

塩窯技法が生む独特の風合い

この茶盌は、塩窯技法によって作り上げられた、自然と職人技が融合した逸品です。13世紀ドイツで生まれた塩窯技法は、焼成中に塩を投入することで器の表面に独特の風合いをもたらします。清水剛様は、この技法を伝統的な登り窯で実践し、1230℃以上の高温で2日半じっくりと焼き上げています。この過程で生まれる微細な凹凸や自然な質感が、塩窯茶盌を手触りの面でも特別な存在にしています。

呉須の伝統と現代の融合

呉須は、中国の古代陶芸から受け継がれてきた歴史ある顔料で、日本の陶芸文化にも深く根付いています。清水剛様は、この伝統的な素材を現代的なデザインと塩窯技法に融合させることで、塩窯茶盌に新しい命を吹き込んでいます。呉須の鮮やかな青と塩窯技法の独特なテクスチャーが調和し、歴史と革新が見事に共存する芸術作品に仕上がっています。

匠の技術が光る緻密な作り

清水剛様の卓越した技術と美的感性が、この茶盌に息づいています。呉須の塗り方や塩窯の焼成過程は、細部まで丹念に作り込まれており、茶盌を手に取るたびにその緻密な職人技に感動します。実用性と美しさを兼ね備えた茶盌は、日常の中で特別な時間を演出します。

茶の湯の時間を格別なものに

この塩窯茶盌は、茶の湯のひとときをより特別で豊かなものに変えてくれます。その美しい青色と塩窯特有のテクスチャーが、茶席を格調高い空間へと導きます。使いやすい形状と心地よい重さが、実用性を高めるとともに、美しい見た目とのバランスを絶妙に保っています。

時を超える美と価値

清水剛様の塩窯茶盌は、時を経てもその美しさを保ち続ける永遠の価値を持つ作品です。使い込むほどに風合いが増し、茶盌との特別な関係が育まれます。一生愛用できるだけでなく、次世代へと引き継ぐにふさわしい逸品として、その価値を永続させるでしょう。

略歴　
1975年　兵庫県丹波立杭に生まれる
1999年　京都市立芸術大学工芸科陶磁器専攻卒業
　　　　陶芸家・今井政之、眞正氏に師事
2005年　兵庫陶芸美術館に勤務（～2012年）
2010年　兵庫教育大学非常勤講師（～2011年）
2015年　外務省派遣事業により渡加（オワタ・バンクーバー）
2019年　日・韓学術シンポジウムにて講演（金海粉青陶瓷館/韓国・’16）

主な展覧会/公募展
2010年　ビエンナーレKUMAMOTO　FINAL（熊本県立美術館）
2012年　京都府美術工芸新鋭展・京都美術工芸ビネンナーレ（京都文化博物館）
2013年　第22回日本陶芸展　入選（’11）
2014年　光州ビネンナーレ（Gwangju　Folk Museum/韓国）
2016年　Exhibition　of crafts from UCCN in the field of Crafts & Folk Art
        （利川世界陶磁センター/韓国）
2017年　一茶碗 一世界：國際藝術家　茶碗聯展（綻堂蒔光/台湾）
2018年　2018TEA BOWL Exhibition of Gyeongsanam-Do（金海文化の殿堂/韓国）
　　　　ひょうごやきもの150年― 技・匠からアート・個性へ―（兵庫陶芸美術館）
2019年　KOGEI Art Fair KANAZAWA 2019（THE　SHARE　HOTELS　KUMU金沢）
2022年　第39回茶の湯の造形展（田部美術館/島根）　入選（計6回）
2023年　第10回菊池ビネンナーレ（菊池寛実記念智美術館/東京）入選

受賞
2010年　現代形の陶芸　萩大賞展2010（山口県立萩美術館・浦上記念館）佳作
2011年　第57回　全関西美術展（大阪市立美術館）　佳作（09年　同賞）
　　　　神戸ビエンナーレ2011現代陶芸展　奨励賞（09年同賞）
2017年　平成29年度　兵庫県芸術奨励賞
2018年　第11回現代茶陶展　優秀賞
　　　　第23回美濃茶盌展　金賞
2019年　第12回現代茶陶展　優秀賞
　　　　第5回藝文京展　京都市長賞
2023年　第15回現代茶陶展　優秀賞