塩窯花入 清水剛

高さ : 10.3cm　幅 : 17.1cm

塩窯花入 清水剛作 - 青の美と塩窯技法が織りなす芸術品

鮮やかな青がもたらす特別な輝き

「塩窯花入 清水剛作」は、呉須（ごす）という青色顔料を用いて塗られた鮮やかな青が際立つ作品です。釉薬ではなく顔料による塗装で生まれる透明感と深みが、この花入の最大の魅力。どの角度から見ても変わらぬ美しさがあり、空間を一気に格上げする存在感を放ちます。清水剛様が生み出す青色は、日々の暮らしに芸術の彩りを添えます。

塩窯技法が生み出す独特の風合い

この花入は、13世紀のドイツで発祥した塩窯技法を取り入れて作られています。焼成の際に塩を投入することで、器表面に独特の質感を生み出すこの技法。清水剛様は、伝統的な登り窯を用いて1230℃以上の高温で約2日半かけてじっくり焼き上げます。塩が気化して器の表面に自然な模様を描き出す過程は、まさに自然の力と匠の技が融合した奇跡といえるでしょう。

登り窯による手間と伝統の結晶

登り窯での焼成は、手間と時間がかかる伝統技法ですが、その分、作品に独特の風合いと耐久性をもたらします。清水剛様の塩窯花入は、長時間の焼成と塩の投入によって生まれる丈夫で美しい仕上がりが特徴です。この工程を経ることで、他にはない特別な風合いが器全体に宿り、唯一無二の存在感を放ちます。

匠の技術と芸術性の融合

清水剛様の塩窯花入は、呉須の塗り方から塩窯焼成のタイミングに至るまで、すべてが卓越した技術と芸術的な感性によって作り上げられています。その細部に宿る美意識と丁寧な仕上げが、使うたびに新たな魅力を発見させてくれるでしょう。見た目だけでなく、手触りや耐久性など、実用性も兼ね備えた芸術品です。

花を引き立てる存在感

この塩窯花入は、どんな花を活けてもその美しさを際立たせます。鮮やかな青と独特の質感が、花の魅力を引き出し、飾る空間に特別な雰囲気をもたらします。リビングルームや玄関、書斎など、どのシーンでも自然に調和し、空間を格上げするアートピースとして活躍します。

永遠に続く価値

清水剛様の塩窯花入は、時を超えてその美しさを保ち続ける逸品です。使い込むほどに増す風合いや深まる味わいが、所有者の愛着を深めていきます。一生ものとして愛用できるだけでなく、次世代に受け継ぐ価値ある作品として、その魅力は未来へと続いていきます。

略歴　
1975年　兵庫県丹波立杭に生まれる
1999年　京都市立芸術大学工芸科陶磁器専攻卒業
　　　　陶芸家・今井政之、眞正氏に師事
2005年　兵庫陶芸美術館に勤務（～2012年）
2010年　兵庫教育大学非常勤講師（～2011年）
2015年　外務省派遣事業により渡加（オワタ・バンクーバー）
2019年　日・韓学術シンポジウムにて講演（金海粉青陶瓷館/韓国・’16）

主な展覧会/公募展
2010年　ビエンナーレKUMAMOTO　FINAL（熊本県立美術館）
2012年　京都府美術工芸新鋭展・京都美術工芸ビネンナーレ（京都文化博物館）
2013年　第22回日本陶芸展　入選（’11）
2014年　光州ビネンナーレ（Gwangju　Folk Museum/韓国）
2016年　Exhibition　of crafts from UCCN in the field of Crafts & Folk Art
        （利川世界陶磁センター/韓国）
2017年　一茶碗 一世界：國際藝術家　茶碗聯展（綻堂蒔光/台湾）
2018年　2018TEA BOWL Exhibition of Gyeongsanam-Do（金海文化の殿堂/韓国）
　　　　ひょうごやきもの150年― 技・匠からアート・個性へ―（兵庫陶芸美術館）
2019年　KOGEI Art Fair KANAZAWA 2019（THE　SHARE　HOTELS　KUMU金沢）
2022年　第39回茶の湯の造形展（田部美術館/島根）　入選（計6回）
2023年　第10回菊池ビネンナーレ（菊池寛実記念智美術館/東京）入選

受賞
2010年　現代形の陶芸　萩大賞展2010（山口県立萩美術館・浦上記念館）佳作
2011年　第57回　全関西美術展（大阪市立美術館）　佳作（09年　同賞）
　　　　神戸ビエンナーレ2011現代陶芸展　奨励賞（09年同賞）
2017年　平成29年度　兵庫県芸術奨励賞
2018年　第11回現代茶陶展　優秀賞
　　　　第23回美濃茶盌展　金賞
2019年　第12回現代茶陶展　優秀賞
　　　　第5回藝文京展　京都市長賞
2023年　第15回現代茶陶展　優秀賞