商品情報にスキップ
1 7

丹波瓶子 清水剛

丹波瓶子 清水剛

通常価格 $564.00
通常価格 セール価格 $564.00
セール 売り切れ
税込。 配送料はチェックアウト時に計算されます。
数量

高さ:14.2cm 幅:21.8cm

丹波瓶子 清水剛様作

土と炎が育てる、丹波焼の古格をたたえた瓶子

「丹波瓶子」は、丹波焼が長い歳月のなかで培ってきた力強さと、清水剛様ならではの端正な美意識とが結び合った作品です。
丹波焼は日本六古窯のひとつに数えられ、素朴でありながら深い景色を宿す焼物として、古くより高く評価されてきました。本作にもまた、丹波の土がもつ確かな存在感と、薪窯焼成によって引き出された豊かな表情が息づいています。

一見して印象的なのは、ゆるやかに張る胴の量感と、すっと立ち上がる頸部との均衡です。大らかさと緊張感が同居し、静かでありながら確かな気配を空間に生み出します。瓶子という古典的な器形を踏まえながらも、単なる復古にとどまらず、現代の眼にも美しく映る洗練が感じられる一点です。

穴窯焼成がもたらす、偶然と必然の景色

本作は、伝統的な穴窯によって焼成されています。穴窯焼成は、薪をくべながら長時間かけて焼き締めていく、極めて原初的かつ力強い焼成方法です。清水剛様は、この伝統的な窯によって約二日半をかけ、約1230℃の高温でじっくりと作品を焼き上げられます。

この焼成において重要なのは、単に高温で焼くということではありません。炎の流れ、灰の降りかかり方、窯内のわずかな位置の違いによって、ひとつとして同じにならない表情が生まれる点にこそ、薪窯の魅力があります。
本作にも、灰被りのニュアンス、焼締められた肌の緊密さ、窯変による色の揺らぎがあらわれ、人工的には再現しがたい奥行きをつくり出しています。それは装飾ではなく、土と炎が直接刻みつけた時間の痕跡そのものです。

自然釉と土味が織りなす、丹波ならではの美

丹波焼の魅力のひとつは、土そのものの力が前面に出ることにあります。釉薬で過度に覆い隠すのではなく、土の質感、火の当たり、灰の積もりによって景色が形成されるため、作品にはきわめて自然で深い表情が宿ります。

本作に見られる色合いも、作為を誇示するものではなく、焼成の過程から生まれた必然の美です。落ち着いた土の発色、ところどころにあらわれる灰の溶け、焼き上がりに伴う微妙な濃淡の変化が、器面に静かな抑揚を与えています。
その景色は華美ではありません。しかし、見れば見るほど奥へと引き込まれるような深さがあり、まさに丹波焼の真価が感じられます。清水剛様は、その自然の働きをよく理解し、制御しきれない炎の力すら作品の魅力へと昇華されています。

瓶子という器形の歴史と文化

瓶子は、日本文化のなかで古くから特別な意味を担ってきた器です。神前に酒を供える神饌具として広く用いられてきたほか、酒器としても長い歴史を有しています。『延喜式』にもその名が見られ、日本の儀礼と美意識の中で重要な位置を占めてきました。

その源流をたどれば、中国より伝わった梅瓶に通じる流れも指摘され、単なる容器を超えた格式ある器形として受け継がれてきたことがわかります。さらに日本では、陶磁器のみならず漆器でも瓶子がつくられ、根来塗の瓶子などはとりわけ名高い存在です。
つまり瓶子とは、実用と祈り、日常と儀礼、美と機能が重なり合う器なのです。

清水剛様のこの「丹波瓶子」は、そうした長い歴史を踏まえながら、丹波の土と薪窯の炎によってあらためて生命を与えられた作品といえます。古典的な器形でありながら、決して古びることなく、今の暮らしや空間にも自然に溶け込む普遍性を備えています。

清水剛様の技術と美意識

本作には、清水剛様の確かな技術と、素材への深い理解が端的にあらわれています。丹波焼の伝統を踏まえながらも、単なる再現ではなく、現代において生きた作品として成立させている点に、作家としての力量が感じられます。

造形は決して過剰ではなく、むしろ抑制されています。しかしその抑制のなかにこそ、線の緊張感や量感の美しさが研ぎ澄まされています。手仕事ならではのわずかな揺らぎもまた、作品に呼吸を与え、量産品にはない豊かな存在感を生み出しています。
持てば手にしっくりと馴染み、眺めれば静かに心を引き寄せる。そのような器としての完成度が、本作には確かに備わっています。

茶の湯のしつらえにも、空間の景色としても

この丹波瓶子は、茶の湯の場においても、また日常空間のしつらえとしても美しく映える作品です。茶席においては、花入や酒器的な趣向を含め、場に古雅な趣を添える存在となるでしょう。また床や棚に置かれたときには、単独で空間を引き締める力を持っています。

派手さで目を引くのではなく、静かな存在感によって空間の密度を変える――それが本作の魅力です。和の空間にはもちろん、簡素な現代空間に置かれても、その土味と焼きの景色がよい緊張感をもたらし、空間全体に深みを与えてくれます。

使うほどに深まる、長く寄り添う価値

清水剛様の作品は、一時の印象だけで終わるものではありません。眺めるたび、手に取るたび、その良さが少しずつ深まっていく種類の器です。薪窯の作品ならではの複雑な景色は、光の具合や置く場所によっても表情を変え、日々新たな発見をもたらしてくれます。

また、瓶子という器形自体が歴史を背負っているからこそ、本作には単なる美術工芸品を超えた、時間の厚みのようなものが感じられます。今の暮らしのなかで愛でながら、同時に古い文化の余韻にも触れられる。そのような豊かさを備えた作品です。

ぜひお手元で、この「丹波瓶子」に宿る土の力、炎の景色、そして瓶子という器の深い歴史をご堪能ください。
静かでありながら力強いこの一点は、日々の空間に確かな格と趣をもたらしてくれることでしょう。

略歴 
1975年 兵庫県丹波立杭に生まれる
1999年 京都市立芸術大学工芸科陶磁器専攻卒業
    陶芸家・今井政之、眞正氏に師事
2005年 兵庫陶芸美術館に勤務(~2012年)
2015年 外務省派遣事業により渡加(オワタ・バンクーバー)
2019年 日・韓学術シンポジウムにて講演(金海粉青陶瓷館/韓国・’16)

主な展覧会/公募展
2010年 ビエンナーレKUMAMOTO FINAL(熊本県立美術館)
2012年 京都府美術工芸新鋭展・京都美術工芸ビネンナーレ(京都文化博物館)
2013年 第22回日本陶芸展 入選(’11)
2014年 光州ビネンナーレ(Gwangju Folk Museum/韓国)
2016年 Exhibition of crafts from UCCN in the field of Crafts & Folk Art
        (利川世界陶磁センター/韓国)
2017年 一茶碗 一世界:國際藝術家 茶碗聯展(綻堂蒔光/台湾)
2018年 2018TEA BOWL Exhibition of Gyeongsanam-Do(金海文化の殿堂/韓国)
    ひょうごやきもの150年― 技・匠からアート・個性へ―(兵庫陶芸美術館)
2019年 KOGEI Art Fair KANAZAWA 2019(THE SHARE HOTELS KUMU金沢)
2022年 第39回茶の湯の造形展(田部美術館/島根) 入選(計6回)
2023年 第10回菊池ビネンナーレ(菊池寛実記念智美術館/東京)入選

受賞
2010年 現代形の陶芸 萩大賞展2010(山口県立萩美術館・浦上記念館)佳作
2011年 第57回 全関西美術展(大阪市立美術館) 佳作(09年 同賞)
    神戸ビエンナーレ2011現代陶芸展 奨励賞(09年同賞)
2017年 平成29年度 兵庫県芸術奨励賞
2018年 第11回現代茶陶展 優秀賞
    第23回美濃茶盌展 金賞
2019年 第12回現代茶陶展 優秀賞
    第5回藝文京展 京都市長賞
2023年 第15回現代茶陶展 優秀賞

詳細を表示する
  • 【丁寧に、お送りいたします】

    それぞれの商品に合った形態で、丁寧に梱包いたします。

    また、作品(器など)により、納期は変わります。

    作品の引渡時期は、ご注文確認後、共箱準備済み作品は7営業日以内に出荷させていただきます。共箱を新たに製作する作品は45営業日以内に出荷させていただきます。

    いずれも、ご注文を確認いたしましたら、当店より納期をメールにてご連絡いたします。

    梱包のこだわりについて

  • 【陶器をご購入の際のお願い】

    作品ごとに、出来るだけ詳細をご確認いただけるように画像を掲載しておりますが、ご不明な点はお問い合わせください。

    作品の色合いなどは、画像を表示する環境により若干異なることがございますが、ご理解の程お願いいたします。

    作品により貫入などによる、茶碗への染み込みが発生することがございますが、それも経年変化の味わいとしてご理解いただきますようお願いいたします。

    作品の取り扱いについて